サビ
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講談社「暮らしのことば 新・語源事典」によれば、「聞かせどころ、見どころ」などを意味する語「さわり」[11]の別な言い回しであると定義した上で、香辛料ワサビが語源であるとしており、「ワサビは『サビ抜き』という表現などに見られるように縮めて『サビ』とも言う。サビは少量でも刺激的な味がすることから、曲の中で最もインパクトがある部分を『サビ』と言うようになったのだろう」と述べている[12]
サビの「要素」

音楽プロデューサー亀田誠治によると、邦楽における「サビに欠かせない3要素」として「高い音」「長く伸びる音」「リフレイン(繰り返し)」を挙げている[13]

「高い音」について、亀田はレミオロメン粉雪」を例に挙げ、「高い音は良く届き、周囲の声に埋もれない」「音の高低差がドラマを生む」「歌い手の気持ちを最も強く伝えるサビに楽曲の最高音を持ってくるのがコツ」であると述べている[13]。「リフレイン」については円広志夢想花」、THE BLUE HEARTSリンダリンダ」、DREAMS COME TRUE何度でも」を例に挙げ、「サビで同じフレーズを繰り返すが、これには呪文のようなインパクトがある」「楽曲を印象付けるための要素としてリフレインは有効な手段」であると述べている[13]
発展形

頭サビ(あたまサビ)とは、楽曲の冒頭におけるサビを指す[14]。このような「いきなりサビから始まる曲」のことを「サビ始まり」と言うときもある[14]

大サビ(おおサビ)とは、楽曲の後半部分で、最後のサビの前に挿入される独自のメロディの事を指す[15]。繰り返し出てきたサビとは異なるメロディが出てくる事によって、最後のサビをより新鮮に、印象的に聴かせる効果を持つ[15]。前出の亀田誠治は、大サビを「結婚式でいうところのお色直し」、「起承転結の転にあたる部分」としている[15]。また、「最後のサビをもう一度美味しく味わっていただきたいという日本人ならではのおもてなし」と表現している[16]。ただしこの部分を「Dメロ」の様に呼び、楽曲の最後のサビを「大サビ」と呼ぶ場合もある[17]

落ちサビ(おちサビ)とは、最後のサビの前に挿入される[18]、楽器の音量を極端に落としてボーカルを目立たせたサビを指す[14]。「ラストに向けて盛り上がっていくために抑えめにする」意味があるという[14]

大サビと落ちサビは、同じ曲の中で併用されることもある[17][19]

ラスサビとは、楽曲の最後のサビの事を指す[20]
サビと類似する概念との比較

英語では同様の概念をリリース(release)[5][6][10]、ブリッジ(bridge)[5][6][7]、チャネル(channel)[5][7][10]、ミドルパート[5]などと呼ばれるとされる。前出の平凡社『音楽大辞典』によれば、通常のポピュラー音楽は「ヴァース」と「コーラス」から構成され(ヴァース‐コーラス形式)、このうち「コーラス」部分が反復されるとしている[5]。「A+A+B+A」で構成された楽曲の場合は32小節で「1コーラス」を形成し、このB部分がブリッジ(サビ)である、と解説している[5]。「ヴァース」は省略される場合もあるとしている[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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