サッカー
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1966年ワールドカップで初優勝したイングランド代表キャプテンのボビー・ムーアが編集した雑誌は『ザ・ブック・オブ・サッカー』、マンチェスター・ユナイテッドFCの監督マット・バスビーの1974年の自伝のタイトルは『サッカー・アット・ザ・トップ』だった[12][9]。1970年代の玩具スビューテオ・テーブル・サッカー」のパッケージのどこにも「フットボール」という言葉はなく、1970年代にサッカー番組の「マッチ・オブ・ザ・デイ」でもジミー・ヒルとデビッド・コールマンが組んでいたバンド名は「サッカー」だった[9]。スポーツ経営学者ステファン・シマンスキーは、1980年以来、イギリスの出版物で「サッカー」という言葉の使用は減少しており、それが使用される場合、通常アメリカの文脈を指すが、これは、1980年頃北米サッカーリーグの興隆への反動であると述べている[9]1994年のワールドカップ・アメリカ大会開催によって、「サッカー」という言葉がイギリスで用いられることはなくなり、アイリッシュ・タイムズのコラムニストのドナルド・クラークは、「サッカー」は不潔なアメリカニズムであり、この言葉を使うことは裏切りとみなされると述べている[9]
footballの翻訳

次に: footballをfoot(足)とball(ボール、球)に分解して、自分達の言語での訳語をそれぞれ当てはめる呼称の仕方が存在する。ドイツ語: Fusballが典型で、Fusがfootに、ballがballに相当する。ヨーロッパの言語ではゲルマン語派に特徴的な表記方法であるが、これらの言語は語彙的に英語に近い(英語はゲルマン語派)ためドイツ語: ballと英語: ballのように語彙的な違いがない(発音は違う)か、あってもFusとfootのように違いがそれほど感じられない場合も多い。オランダ語デンマーク語ノルウェー語スウェーデン語アイスランド語等がこれに相当する。この方法を踏襲するのはゲルマン語派に限らず、近隣の言語にも影響している。フィンランド語ギリシャ語アラビア語などが相当する。これらの言語は英語と語彙がかなり乖離しているためゲルマン系の言語とは印象が大きく異なる。また、footballを外来語として用いることが多いロマンス語の系統の中で、イタリア語が、この表記法に近い面を有する。calcioは元々「蹴る」という意味の言葉が変化したものである。イタリア語でカルチョと呼ぶのは歴史的な理由がある為である。また、スペイン語: balompieという言葉がある。これはbalon(ボール)とpie(足)を組み合わせた語であるが、一部のクラブの名称としては使われるが、英語からの外来語のフトボル(futbol)のほうが一般的である。

漢字文化圏における漢字表記では、 中国語: 「足球」(ズーチィウ)が当てられている[注釈 4]。これはゲルマン系の言語と同じケースである。一方同じ漢字文化圏でも日本語では「蹴球(しゅうきゅう)」という漢字が当てられている[注釈 5]。漢字表記自体が一般的ではないものの、朝鮮語における漢字表記も「蹴球(??、チュックー、ツックー)」が用いられる[注釈 6]

日本語では、foot(足)でなく、「蹴る」と「ボール」が組み合わさっており、このスポーツを動的に捉えた意訳をしている。このように「蹴る」と「ボール」を組み合わせたものには、イタリア語のカルチョ、ハンガリー語: Labdarugas、ベトナム語: Bong ?aなどが相当する。
試合ペナルティーエリア内からの近距離シュートを決めようとする選手

サッカーはLaws of the game(競技規則)として知られている一組のルールに従ってプレーされる。

試合は、サッカーボールとして知られている球形のボール(FIFAの試合では外周71 cm (28 in))を使用してプレーされる。

それぞれ11人の選手からなる2チームは相手チームのゴール(ポストの間かつバーの下)にボールを入れ、得点することを競う。

試合終了の時点でより多くのゴールを記録したチームが勝者となる。もしゴールが同点の時は、試合は引き分けとなる。

(勝ち負けをつける場合は、延長戦をすることになる。)それぞれのチームは1名のキャプテン(主将)によって率いられる。

競技規則で定められているキャプテンの唯一の公式な責務は、キックオフあるいはペナルティーキックの前のコイントスに参加することである[13]

試合における主要な規則は、ゴールキーパー以外の選手はプレー中に手あるいは腕を使ってボールを故意に扱ってはならないということである。スローインによる再開の際には手を使用してもよい。選手は大抵ボールを動かすのに足を使用するが、手あるいは腕以外の体のどの部分を使用してもよい(とりわけ額を用いたヘディングが使われる)[14][15]。通常のプレー中は、全ての選手はどの方向にボールを動かしてもよいし、ピッチの至るところに移動してもよいが、オフサイドポジションでボールを受けることはできない[16]

典型的な試合では、選手はドリブルでボールをコントロールしたり、チームメートにパスをしたり、相手ゴールキーパーによって守られたゴールに向かってシュートしたりすることで、得点機会を作り出そうと試みる。相手選手はパスを途中で捕まえたり、ボールを保持した選手に対してタックルしたりすることでボールの支配を取り戻そうとする。しかしながら、相手との間の身体的接触は制限されている。サッカーは一般的に流動的なゲームであり、プレーが止まるのはボールがフィールドを出るか、規則違反のために審判によってプレーが止められた時のみである。停止後、規定の方法によってプレーを再開する[17]ボールがゴールに入るのを止めるために飛び込んでいるゴールキーパー

プロフェッショナルレベルでは、ほとんどの試合でわずか数ゴールしか生まれない。例えば、2005-06シーズンのイングランドプレミアリーグでの一試合平均ゴール数は2.48であった[18]。競技規則では、ゴールキーパー以外のポジションは規定されていないが[19]、多くの専門化された役割がこれまでに生じている。これらは、3つの主要なカテゴリーが含まれる。得点が主な役割であるフォワード(FW)]、相手チームの得点を防ぐことに専門化したディフェンダー(DF)]、フォワードにボールをパスするために相手からボールを奪い保持するミッドフィールダー(MF)]である。これらのポジションの選手は、ゴールキーパーと区別するためにフィールドプレーヤーと呼ばれる。これらのポジションは、選手がほとんどの時間に位置しているフィールド上のエリアに応じて、更に細かく分けられる。例えば、センターバックや、レフト(左)ミッドフィールダー、ライト(右)ミッドフィールダーなどである。10人のフィールドプレーヤーの組み合わせは様々である。それぞれのポジションの選手の数がチームのプレースタイルを決定する。フォワードが多くディフェンダーが少ないチームはより攻撃的となるが、逆はより守備的なスタイルとなる。選手は通常特定のポジションで試合のほとんどを過ごすが、選手の移動に関する制限はほとんどなく、いつでもポジションを入れ替えることができる[20]。選手の配置は「フォーメーション」として知られている。チームのフォーメーションおよび戦術の決定は大抵、チームの監督の権限である[21]
歴史
起源「フットボール#起源」を参照紀元前400 ? 375年に作られたピレウスの墓碑には、パライストラでボールの練習をする若者が彫られている。代の画家蘇漢臣「長春百子圖」談山神社のけまり祭

サッカーは、古代からあったとされる[22]

南米ではアマゾンの熱帯雨林から天然ゴムが採取できた為、早くからボールを蹴る競技が行われていた。パタゴニアアンデスのインディオ文明からは、様々なボール(もしくはそれに類するもの)や、ボールを蹴る競技の証拠が見つかっている。紀元前1500年チリのピリマタム、パタゴニアのチョエカ、紀元前800年メキシコマヤ文明のポク・タ・ポクまたはピッツ、アステカのウラマリツリなどがあった[23][24]


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