サクソフォン
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ハイF♯キイは、バランスド・アクション・モデルのオプションとして最初に導入されたが、初期の実装ではイントネーションに悪影響を与えると認識されていたため、受け入れられるまでに数十年を要した[23]
使用香港でサクソフォーンを演奏する米海軍第七艦隊音楽隊の水兵。

サクソフォーンの音響的性格から、クラシックのみならずジャズやポップス、映画や劇伴のサウンドトラックで使用されることも多い。

西洋音楽ではその音色と機能性を活かした独奏曲や、管弦楽への使用例が特に近代音楽以降、多く見られるようになった。フランス語圏は比較的早期にこの楽器を好んだようだが、ドイツ語圏は戦後まで遅れた。
軍楽隊とクラシック音楽

サックスは最初に軍楽隊で人気を博した。ドイツでは当初は無視されていたが、フランスやベルギーの軍楽隊はいち早くこの楽器をアンサンブルに取り入れた。ほとんどのフランスやベルギーの軍楽隊は少なくとも、E♭バリトン、B♭テナー、E♭アルト、B♭ソプラノから成る4人組のサクソフォーンを編成に含んでいる。これらの4つの楽器は、サクソフォーンの中で最も人気があることが示されてきた。E♭コントラバスとB♭バスは通常、非現実的な大きさで、E♭ソプラニーノは力強さが不十分であると考えられている。イギリスの軍楽隊では、最低でも2人のサックス奏者をアルトとテナーに配置する傾向がある[要出典]。

サクソフォーンはコンサート・バンドに導入され、大抵はE♭アルトサクソフォーン、B♭テナーサクソフォーン、E♭バリトンサクソフォーンが求められる。コンサート・バンドでは、アルトが2人、テナーが1人、バリトンが1人の場合もある。また、B♭ソプラノサクソフォーンを使うこともあるが、その場合は第一アルトサクソフォーン奏者が演奏する。B♭バスサクソフォーンは、一部のコンサート・バンド音楽(特にパーシー・グレインジャーの作品)で使用されている[24]

サクソフォーンは、サクソフォーン四重奏やその他の室内楽の編成で使用される。クラシックのサクソフォーン四重奏は、B♭ソプラノサクソフォーン、E♭アルトサクソフォーン、B♭テナーサクソフォーン、E♭バリトンサクソフォーン(SATB)で構成される。時折、ソプラノが第2アルトサクソフォーン(AATB)と入れ替わることもある。プロのサクソフォーン四重奏団の中には、ジェームズ・フェイ(英語版)のアルトカルテット[25](4本のアルト)のように、非標準的な楽器編成を取り入れたものもある。

サックスを知るフランスの作曲家を中心に、SATB(英語版)器楽編成法のための19世紀にさかのぼるクラシックの作曲と編曲のレパートリーがある。しかし、サクソフォーンのための室内楽作品の大部分は、1928年にマルセル・ミュールによって開始された近代クラシックサクソフォーンの時代のものである。シグルート・ラッシャーは、1931年からオーケストラ作品においてソリストとして活躍し、現代クラシックサクソフォーンのレパートリーの発展にも大きく貢献した。ミュール四重奏団は、そのメンバーが示した技術水準の高さと、近代四重奏レパートリーの発展に中心的な役割を果たしたことから、四重奏の原型であると考えられている。しかし、ミュールのアンサンブルよりも前にも、組織された四重奏団は存在した。その代表的な例は、1873年から1893年にかけてパトリック・ギルモアの第22連隊楽団の一部だったエドワード・A・ルフェーブル(1834年 - 1911年)が率いた四重奏団である[21]

20世紀と21世紀には、サクソフォーンの交響楽団での人気が高まった。また、オペラや合唱などのジャンルでも使用されてきた。多くのミュージカルの楽譜には、サクソフォーンのパートが含まれており、時には他の木管楽器や金管楽器と持ち替えることもある。
サクソフォーンの楽曲

創作主題による幻想曲(1860年) - ジュール・ドゥメルスマン
(英語版)

コラールと変奏 作品55(1903年) - ヴァンサン・ダンディ

アルトサクソフォーンと管弦楽のための狂詩曲(1901年 - 1911年、未完) - クロード・ドビュッシー作曲/ジャン・ロジェ=デュカス編曲(1919年)

伝説 作品66(1918年) - フローラン・シュミット

2つのアルトサクソフォンのためのコンチェルトシュトゥック(1933年) - パウル・ヒンデミット

サクソフォーン協奏曲(1934年) - ラーシュ=エリク・ラーション

アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲 変ホ長調(1934年) - アレクサンドル・グラズノフ

アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲(1935年) - ジャック・イベール

アルトサクソフォーンのためのアリア(1936年) - ウジェーヌ・ボザ

アルトサクソフォーンのピアノのためのソナタ(1937年) - ベルンハルト・ハイデン

アルトサクソフォーンのピアノのための《スカラムーシュ》Scaramouche (1937年) - ダリウス・ミヨー

アルトサクソフォーンのための小協奏曲(1938年) - ウジェーヌ・ボザ

アルトサクソフォーンのためのバラード(1938年) - アンリ・トマジ

アルトサクソフォーンのピアノのためのソナタ 作品19(1939年) - ポール・クレストン

アルトサクソフォーンのピアノのためのソナタ(1943年) - パウル・ヒンデミット

アルトサクソフォーンと管弦楽(または吹奏楽)のための協奏曲 作品26(1944年) - ポール・クレストン

アルトサクソフォーンとピアノのためのソナチネ(1948年) - クロード・パスカル


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