サクソフォン
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他の木管楽器と同様に、胴管の有効長を変えて気柱の共鳴周波数を制御するために胴管の孔を覆うことで、演奏される音高を制御する[2]。奏者はキイを押すことで孔を塞ぐあるいは開放する。

サクソフォーンは、クラシック音楽コンサートバンド室内楽、ソロレパートリー、時にはオーケストラなど)、軍楽隊マーチングバンドジャズビッグバンドやジャズコンボなど)、現代音楽で使用されている。また、独奏楽器および旋律楽器として、あるいはロックンロールポピュラー音楽のいくつかのスタイルではホーンセクション(英語版)の一員としても使用される。

1840年代初頭にベルギーの楽器製作者アドルフ・サックスによって最初のサクソフォーンが発明されて以来[3]、サクソフォーン族内の移調および調律の基準(英語版)によって区別される様々な楽器群が生み出されてきた。サックスは1846年6月28日にサクソフォーンの特許を取得した(2つのグループ。それぞれ7種類)。それぞれのグループは、音高によって並べられた楽器で構成されており、調は交互になっている。標準音高がB♭とE♭のグループがすぐに支配的になり、今日見られるほとんどのサクソフォーンがこれらのグループに属する。標準音高がCとFの楽器は定着することはなく、サックスによって製作された楽器のごく一部に留まる。A = 440 Hzの(コンサート用)基準よりも高く調律された「ハイピッチ」("H "または "HP "とも表記されている)サクソフォーンは、屋外での使用に適した音質のために20世紀初頭まで生産されていたが、現代の調律では演奏できず、時代遅れと考えられている。「ローピッチ」("L "または "LP "とも表記されている)サクソフォーンは、現代の楽器と同等の調律がされている。CソプラノおよびCメロディサクソフォーンは、20世紀初頭に応接間楽器としてカジュアルな市場向けに生産された。F管のサクソフォーンは1920年代後半に導入されたが、受け入れられることはなかった。現代のサクソフォーン族は、歴史的な楽器や実験的な楽器はともかく、B♭ ? E♭シリーズの楽器のみで構成されている。最も広く使用され、入手可能なサクソフォーンは、ソプラノ、アルト、テナー、およびバリトンサクソフォーンである。

番号サクソフォーン調性オクターブ上オクターブ下
1ソプラニッシモB♭##ソプラノ
2ソプラニーノE♭##アルト
3CソプラノC##Cメロディー
4ソプラノB♭ソプラニッシモテナー
5メゾソプラノF####
6アルトE♭ソプラニーノバリトン
7CメロディーCCソプラノ##
8テナーB♭ソプラノバス
9バリトンE♭アルトコントラバス
10バスB♭テナーサブコントラバス
11コントラバスE♭バリトン##
12サブコントラバスB♭バス##

詳細

1840年代ベルギーの管楽器製作者アドルフ・サックス(Adolphe Sax)がバスクラリネットの改良中に円錐管の魅力に注目したのを基に考案された楽器。1846年特許を取得している。Saxophoneの名は彼にちなむ。元々吹奏楽団における木管楽器金管楽器の橋渡しを目的に開発された。構造上、木管楽器に分類されるが、真鍮を主とした金属で作られており[4][注 1]、木管楽器の運動性能の高さ、金管楽器のダイナミックレンジの広さを兼ね備えている。新しい楽器の恩恵として、洗練された運指、発音の容易さは他の吹奏楽器に類がない。

クラシック音楽からポップスロックジャズに至るまで、様々な分野の音楽で用いられる。特に吹奏楽ビッグバンドには欠かせない存在である。管弦楽では使用されることは少ないが、曲によっては使用される場合もある。ソプラノアルトテナーバリトンの4本のサクソフォーンで演奏されるサクソフォーン四重奏は、クラシカルサクソフォーンの代表的な合奏形態のひとつであり、そのために作曲された曲も多数存在する。
解説代々木公園でサクソフォーンを練習する男性
音高と音域


変ロ(B♭)長調の音階を演奏した時のソプラノアルトテナーバリトンの伝統的なキイ音域(記譜はin C)。

様々なサクソフォーンの「キイ音域」(上音を出すアルティッシモ(英語版)音域よりも下)では、音高は浅い「皿」が付いた「キイ」(鍵)によって制御される。皿の内側は「音孔」を塞ぐ革製「タンポ」が固定されている。音孔を塞ぐことによって、「ボア」内の気柱の共鳴長(したがって周波数)が制御される。音孔とマウスピースの間に位置する「ベントホール」と呼ばれる小さな孔は、「オクターブキー」によって開放される。ベントホールが開放されると、音高を決定する周波数として第1倍音を残したまま、基本周波数を消去することによって音高が1オクターブ上がる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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