半音階(リニアフィンガリング)サクソフォーンは、楽器デザイナーでありビルダーでもあるジム・シュミットのプロジェクトである。キイに関係なくすべての音程間の触感と論理的な一貫性を最大限に高め、1つ目の開いた音孔より下の閉じたキイに関連する音響的な問題を回避するホーンを開発した[43]。いくつかの試作品が製作され、展示会で発表された。この独創的で高価なサクソフォーンの生産は、個別注文制である[44]。
関連楽器Saxos de Bambu。アルゼンチンのAngel Sampedro del Rio製作。
安価なキイを持たない民俗版竹製サクソフォーン(シャリュモーを想起させる)が20世紀にハワイ、ジャマイカ、タイ、インドネシア、エチオピア、アルゼンチンの楽器製作者らによって開発された。ザフーンと呼ばれるハワイの楽器は1980年代に考案され、「bamboo sax」としても販売されているが、その円筒形ボアはクラリネットのものにより酷似しており、キイ装置の欠如によってリコーダーに似た見た目となっている。ジャマイカで最もよく知られている同様のタイプの竹製「サクソフォーン」の開発者はメント・ミュージシャンで楽器製作者のシュガー・ベリー(英語版)(ウィリアム・ウォーカー)であった[45]。インドネシア、スラウェシ島のミナハサ族地域では、様々な大きさの竹「サクソフォーン」[46]と金管楽器から成るバンドが存在する。これらの楽器はヨーロッパの楽器を模したもので、現地の材料を使って作られている。同様の楽器はタイでも生産されている[47]。
アルゼンチンでは、Angel Sampedro del RioとMariana Garciaが1985年から様々な大きさの竹製サクソフォーンを生産してきた。大型のものは低音を演奏できるように竹製キイを持つ[48]。
多くのウインドシンセサイザーはサクソフォーンのように演奏、指奏される。 現在、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックス、ソプラノサックスの4種類がもっともよく使われる。また、ソプラニーノサックスやバスサックスも使われることがある。クラシックではアルトが、また、ジャズ・ポピュラーでは、アルトとテナーが標準的に用いられる。
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左から右: E♭アルトサクソフォーン、湾曲したB♭ソプラノサクソフォーン、B♭テナーサクソフォーン
真っ直ぐなネックを持つコーン・Cメロディサクソフォーン(Conn New Wonder Series 1[49])。1922年製を示す製造番号付き。
ヴィテージ銀めっき 'Pennsylvania Special' アルトサクソフォーン。1930年頃、セルマーのためにKohlert & Sonsによって[50]チェコスロバキアで製造された。
コーン 6M Lady Face[51] 真鍮製アルトサクソフォーン(1935年)とそのオリジナルケース
1950年代の樹脂製グラフトン・アルト
ヤマハYAS-25アルトサクソフォーン。1990年代。
ヤナギサワA9932Jアルトサクソフォーン。銀製ベルおよびネック、リン青銅製モディを持つ。ベル、ネック、キイカップは広く彫刻されている。2008年製造。
Bauhaus Walsteinテナーサクソフォーン。2008年製造。リン青銅製。
モーリア・アルトサクソフォーンの下部分。真珠母キイタッチと彫刻が施された真鍮製パッドカップ。
ヤマハ・バリトンサクソフォーン
Ochres Music "No.5" ハンドメイド・プロフェッショナル・アルトサクソフォーン。ベルには24金の標章。
種類
ソプラニッシモ(ピッコロ) (Sopranissimo (piccolo) saxophone)
調性は変ロ (B♭) 調である。演奏される機会は滅多にない。演奏には強靭なアンブシュアを必要とする。
ソプリロ (Soprillo)
エッペルスハイム社はソプリロ (Soprillo) と称している。
ソプラニーノ (sopranino saxophone)
調性は変ホ(E♭)調で、実音は記譜より短3度