サガ
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例えば「同時代のサガ(英語版)」や「騎士のサガ(英語版)[7]」、「聖人のサガ(英語版)」といった分類が存在する[8]
王のサガ (konungasogur)
スカンディナヴィア諸国の王侯の事績を扱う。最大のものはスノッリ・ストゥルルソンの作とされる『ヘイムスクリングラ』で、神話時代から初のノルウェー統一王であるハーラル美髪王を経て、スノッリの同時代のマグヌス・エルリングソン王に至るまでの歴代ノルウェー王の生涯を記した16のサガが収められている。ほかにバルト海沿岸のヨムスボルグを拠点に活躍したとされる伝説的なヴァイキング集団を扱った『ヨームのヴァイキングのサガ』などがある。
司教のサガ (biskupasogur)
アイスランドにおけるキリスト教化の歴史と同地で活躍した聖職者の生涯を扱う。ほかのサガよりも史実性が高いとされる。『キリスト教徒のサガ』、『司教パールのサガ』『聖ソルラークのサガ』などがある。
アイスランド人のサガ (Islendingasogur)
家族のサガ、氏族のサガとも。植民から内乱の末ノルウェー王に服属するまでの期間のアイスランド人の活動を扱うサガで、その洗練された文体と完成された叙述により文学的観点から最重要の作品群とされる。内容は「血の復讐」と呼ばれる一族同士の報復行為の応酬とアルシング(全島集会)での調停を扱ったものが多い。アイスランド人のサガは大小30作ほどが知られているが、卓越した詩人にして戦士のエギル・スカラグリームソンとその一族を扱う『エギルのサガ』、偉大な戦士グンナルと賢人ニャールの友情と死を描く『ニャールのサガ』、サガでは珍しく女性を中心人物としている『ラックサー谷の人々のサガ』、数世代に渡る首長たちの抗争を主題とする『エイルの人々のサガ』、アイスランドを追放になり、放浪のすえ殺された不運な男の生涯を空想を交えて描く『グレティルのサガ』の5作は質、量ともに最大級のサガであり、日本では「五大サガ」と称される[9]。ほかに、ノルド人のアメリカ大陸探検の様子を描く『赤毛のエイリークのサガ』などがある[10]。共和国時代末期の内乱状態を描いたサガの集成『ストゥルルンガ・サガ』は、単体で「同時代のサガ」(Samtidarsogur)という独自のジャンルに分類されることもある[11][12]
古代のサガ (fornaldarsogur)
伝説的サガとも[注 3]。アイスランド植民以前のノルド人の伝承や古来より伝わるゲルマン民族の伝説を扱うサガである。古代のサガが書かれたのはアイスランド人のサガよりも後の時代で、空想的な内容を多く含む点に特徴がある。ニーベルンゲン伝説を題材とする『ヴォルスンガ・サガ』、デンマークの首長ラグナルとその息子達を扱った『皮ズボンのラグナルのサガ(ラグナル・ロズブロークのサガ)』などがある。
同時代のサガ (samtidarsogur)
サガの作成者と同時代の出来事を題材としたもの[14]。『ストゥルルンガ・サガ(英語版)』など[14]
騎士のサガ (riddarasogur)
アーサー王伝説など、外国語の騎士文学がアイスランド語などに翻訳翻案されたもの[15]
聖人のサガ (heilagra manna sogur)
聖人伝を題材とするもの。
代表的なサガ
王のサガ

ユングリング家のサガ』 (Ynglinga saga) - ヘイムスクリングラに収録されているサガの一つ。

ノルウェー史』 (Historia Norwegia)

『クニートリンガ・サガ(英語版)』 (Knytlinga saga) - ハーラル1世から12世紀までのデンマークの支配者に関するサガ。

オーラブ・トリグヴァソンのサガ』 (Olafs saga Tryggvasonar) - ノルウェー王オーラヴ1世に関するサガ。

オーラヴ・トリュグヴァッソンの最大のサガ』 (Olafs saga Tryggvasonar en mesta)


『聖オーラヴのサガ(英語版)』(Olafs saga helga) - オーラヴ2世“聖王”に関するサガ。(オーラヴ聖王のサガも参照)

『ハーコン・ハーコナルソンのサガ(英語版)』 (Hakonar saga Hakonarsonar) - ホーコン4世に関するサガ。ストゥルラ・ソルザルソン(英語版)(Sturla Tordarson) の作。

『ヨームのヴァイキングのサガ(英語版)』 (Jomsvikinga saga) - ヨームのヴァイキングに関するサガ。

ファグルスキンナ』 (Fagrskinna)

モルキンスキンナ』 (Morkinskinna)

司教のサガ

『キリスト教のサガ
』 (Kristni saga)

『聖ソルラークのサガ』 (Torlaks sogur helga)

『司教パールのサガ』 (Pals saga byskups)

アイスランド人のサガ

アイスランド人の書』 (Islendingabok)

植民の書』 (Landnamabok) - 『入植の書』とも。

エギルのサガ』 (Egils saga)

『ニャールのサガ(英語版)』 (Njals Saga)

『ラックス谷の人々のサガ(英語版)』 (Laxd?la Saga)

『エイルの人々のサガ(英語版)』 (Eyrbyggja Saga)

『グレティルのサガ(英語版)』 (Grettis Saga)

『コルマクのサガ(英語版)』 (Kormaks Saga)

赤毛のエイリークのサガ』 (Eiriks saga rauda)

グリーンランド人のサガ』 (Gr?nlendinga saga) - ヴィンランドへの5回にわたる旅が描かれている。

『ギースリのサガ(英語版)』 (Gisla saga Surssonar)

フレイル神ゴジ・フラヴンケルのサガ』 (Hrafnkels saga Freysgoda)

『ヒータル谷の勇士ビョルンのサガ』 (Bjarnar saga Hitd?lakappa) - オッドニューという女性をめぐる、詩人ソールズとビョルンの争いの話。

『蛇舌のグンラウグのサガ(英語版)』 (Gunnlaugs saga ormstungu)

『みずうみ谷のサガ(英語版)』 (Vatnsdala saga) - 『ヴァトン谷のサガ』とも。

『めんどりのソーリルのサガ(英語版)』 (Hansna-Toris Saga)

ハルフレズのサガ』 (Hallfredar saga vandradaskalds)

『ストゥルルンガ・サガ(英語版)』 (Sturlunga Saga)

古代のサガ

ヴォルスンガ・サガ』 (Volsunga saga) - ニーベルンゲン伝説(英語版)(ニブルング伝説)に関するサガ。

『ユングヴァルのサガ(英語版)』 (Yngvars saga vidforla)

エイムンドのサガ』 (Eymundar tattr hrings)

『フリシオフのサガ(英語版)』 (Fridtjofs saga hins fr?kna)

『ガウトレクのサガ(英語版)』 (Gautreks Saga)

勇士殺しのアースムンドのサガ』 (Asmundar saga kappabana) - ヒルデブラントの伝説にも関わる物語。

ヘルヴォルとヘイズレク王のサガ』 (Hervarar saga ok Heidreks) - ティルヴィングに関する物語。

『ボーシとヘラルドのサガ(英語版)』 (Bosa saga ok Herrauds)

ラグナル・ロズブロークのサガ』 (Ragnars saga lodbrokar) - ラグナル・ロズブロークと彼の息子たちの生涯を描く。

『フロールヴ・クラキのサガ(英語版)』 (Hrolfs saga kraka) - デンマークの伝説的な王フロールヴ・クラキに関するサガ。

騎士のサガ

『イーヴェンのサガ
(スペイン語版)[16]』(Ivens saga[15]) - 『イヴァン』がノルウェー語経由でアイスランド語に翻案されたもの[15]

『エレクスのサガ(英語版)[17]』(Erex saga[15]) - 『エレックとエニッド(英語版)』がノルウェー語経由でアイスランド語に翻案されたもの[15]
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