サウンド・オブ・ミュージック_(映画)
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解雇を撤回し、引き続き家庭教師としてトラップ邸に留まるよう依頼した。

マリアと子供たちはエルザとマックスを歓迎する会を開く。その歌のすばらしさと人形劇の面白さにゲオルクは大喜びする《歌:ひとりぼっちの羊飼い》[9][10]。これを見たマックスは子供たちを合唱団として売り込むことを提案するが、ゲオルクは一笑に付す。そこでマリアはゲオルクに「次はあなたの番」とギターを差し出す。ゲオルクは照れて拒むが、子供たちに押し切られる形でギターを受け取り昔を懐かしむかのように情感をこめて《歌:エーデルワイス[11]を歌い上げる。

数日後、エルザの提案でトラップ邸で舞踏会が開かれた。テラスで子どもたちとワルツに興じるマリアであったが、やがてオーストリアの民族舞踊レントラーの曲に変わると、ゲオルクが現われてマリアと踊りだす。優雅に踊る二人だったが、そこにエルザが登場。マリアは「これ以上はもう忘れた」と立ち尽くしてしまう。

部屋に戻る子供たちが歌う《歌:さようなら、ごきげんよう》[12]。出席者の中には地元の指導者ツェラーがいた。彼はオーストリア国旗を掲げるゲオルクに対しドイツ国旗に変えるように忠告するが、ゲオルクは逆に彼を批判する。一方マックスはマリアがパーティーの食事に出席するよう提案し、ゲオルクも了承する。着替えのために2階に上がったマリアに、エルザはゲオルクがマリアに気があるのではないかと伝える。エルザはゲオルクとマリアが互いに惹かれあっているのを感じていたが、同時に二人の仲が進むのを危惧していた。ゲオルクの気持ちを本気にするなと言うエルザの言葉に、これ以上トラップ邸にいられないと思ったマリアは置き手紙をしてそっと修道院に戻る。【第1部 終わり】

突然のマリアとの別れを寂しがる子供たちは修道院[13]にマリアを訪ねるが、会えずに戻ることとなる。マリアは部屋に閉じこもったままで、修道院長に懺悔し、罪を犯した自分は一生神に仕えると訴えていた。しかし、逆に院長から神の愛も男女の愛も同じだ、向き合って自分の道を見つけなさいと諭され《歌:すべての山に登れ》[14]、マリアはトラップ邸に戻る。修道院へ行っていたため昼食に遅れた子供たちは父親に叱責され、歌を歌って元気を出そうと歌っていると《歌:私のお気に入り》、重なるようにマリアの歌声が聞こえた。

その晩、バルコニーで結婚を語り合うゲオルクとエルザだが、ゲオルクの目は夜の庭をそぞろ歩くマリアの後ろ姿を追っていた。ゲオルクはすでに自分の心がマリアに向いていることに気づき、エルザに婚約解消を告げる。ゲオルクとマリアは、邸宅の庭で互いの愛を告白し《歌:何かいいこと》[15]、キスを交わす。

二人は教会で子供たちや修道女たちに祝福されて結婚式を挙げ《歌:マリア》、新婚旅行に出かける。しかし、二人が新婚旅行に行っている間にオーストリア併合に伴い進駐してきたドイツ軍がザルツブルクにも駐屯していた。歌唱コンクールが行われる日、練習を終えて出てきたリーズルがロルフを見かけたが、彼はリーズルに対しどこか冷たくなっていた。ロルフはナチ党親衛隊員になっており、ナチス式敬礼をした上にゲオルクもドイツ軍人としての任務に就くよう忠告する。一方、母国の不穏な雰囲気を察して急いで新婚旅行からこの日戻ったゲオルクの家には今やドイツのみならずオーストリアの国旗となったハーケンクロイツ旗が掲げられており、激昂したゲオルクはその旗を破り捨てる。

マックスは子供たちを合唱団として売り込むことを諦めておらず、ゲオルクが居ない間にコンクールへの出場を決めてしまっていたが、ゲオルクはなおも反対。その時、リーズルから電報が渡される。有能な軍人であったゲオルクに対するドイツ海軍からの出頭命令であった。愛国者でありドイツのオーストリア併合に反対するゲオルクは、ドイツ軍の言うとおりに出頭する気はなく、永世中立国であるスイスへ一家で亡命することを決意する。

その晩、トラップ一家が亡命するために屋敷を出ると、今やドイツ第三帝国の官吏となったツェラーが待っていた。実はトラップ邸の執事でオーストリア・ナチス党員のフランツが亡命の計画を密告していたのである。ツェラーは出頭命令のもとゲオルクを新たな任務先へ護送しようとするが、ゲオルクはとっさに「歌唱コンクールに出場する」と言い訳をする。ツェラーはコンクールが終わり次第護送するという条件を出して護送の延長を許したが、ゲオルクは反対していたコンクールに子供ばかりか自身まで出場することになってしまった。

親衛隊の厳重な監視の下、ザルツブルクの祝祭劇場で行われたコンクールでは《歌:ドレミの歌》と《歌:エーデルワイス》、そして《歌:さようなら、ごきげんよう》を歌って2 - 3人ずつ舞台から消えていく。審査の結果が3位、2位と発表され、最後に優勝としてトラップ一家が発表される。ところが、トラップ一家は舞台に現れない。表彰式の隙に一家は劇場から逃げ出していたのだ。

一家はマリアのいた修道院に逃げ込むが、修道院長から国境が閉じられたことが伝えられ、ゲオルクは山を越えることを決意する。やがて親衛隊が修道院に到着し、車を入口において修道院内を捜索する。その中にはロルフもおり、一家が墓場に潜んでいることに気付いたロルフは銃を構えるが、リーズルとゲオルクに声をかけられ一瞬躊躇する。同行するよう説得するゲオルクに反発したロルフは大声をあげ上官に通報するが、一家は裏口から車で逃走する。親衛隊も追跡しようと止めていた車で発車しようとしたがエンジンがかからず、トラップ一家を取り逃がしてしまう。直後に修道院長に対し罪を犯したと告白する修道女たちの手には、そのエンジンから外した部品[16]が握られていた。

国境線がすべて閉鎖されているため、トラップ一家は徒歩で山を越えて逃亡先のスイスへと向かう《歌:すべての山に登れ》。【第2部 終わり】
キャスト

役名俳優日本語吹替
NETテレビフジテレビソフトテレビ東京版製作40周年記念版製作50周年記念版[17]
マリアジュリー・アンドリュース武藤礼子新妻聖子島田歌穂平原綾香
ゲオルククリストファー・プラマー井上孝雄若山弦蔵金内吉男井上和彦布施明石丸幹二
エルザエリノア・パーカー寺島信子藤波京子増山江威子戸田恵子増子倭文江
マックスリチャード・ヘイドン中村正真木恭介永井一郎チョー坂部文昭
修道院長ペギー・ウッド(英語版)加藤道子中西妙子京田尚子藤波京子伊集加代
リーズルシャーミアン・カー横沢啓子玉川紗己子藤村歩華原朋美日笠陽子
フリードリッヒニコラス・ハモンド永久勲雄松田辰也代永翼大沼遼平
ルイーザヘザー・メンジース瀬戸薫玉川紗己子冨永みーな須藤祐実仲原舞
クルトデュアン・チェイス(英語版)岡村勝松田辰也中沢佳二小林翼戸野塚祐亮
ブリギッタアンジェラ・カートライト田中美紀市原由美子渕崎ゆり子宇山玲加石川愛梨
マルタデビー・ターナー(英語版)冨永みーな土方結香諸星すみれ黒葛原未有
グレーテルキム・カラス(英語版)市原由美子三好由里子建田百合子松本春姫山内初音
ロルフダニエル・トゥルーヒット(英語版)石丸博也水島裕田中秀幸日野聡岸祐二
ツェラーベン・ライト(英語版)島宇志夫大木民夫小川真司稲垣隆史
シュミット夫人ノーマ・ヴァーデン(英語版)京田尚子沼波輝枝島美弥子火野カチコ山本与志恵


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