サウジアラビア
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といった形でその人物の出自が示され[65][66]、これらがフルネームとして扱われている。

このうち本人のファーストネーム以降の部分を非アラブ諸国における姓・苗字/名字・家名に相当する部分として用いるため、サウジ人を含むアラブ人のラストネームは本人の父もしくはそれ以前の祖先の名前や一族が所属する部族の名前(多くは遠い父祖の名前由来)になっていることが一般的である。

これらは出自表示であり姓とは異なるため、結婚時に夫のラストネーム・家名に変更するといった改姓を行う習慣は存在せず、いわゆる夫婦別姓とは異なる概念となっている。いくつかのアラブ諸国では西洋風に結婚後夫のラストネームを名乗ることも行われているが、サウジアラビアでは一般的ではない。
教育詳細は「サウジアラビアの教育(英語版)」を参照

イスラム教を国教とする祭政一致国家のため宗教教育が重視されるが、自然科学や実技については不十分とされる。初等教育の段階でクルアーン(コーラン)の朗誦、講義を受ける。高等教育ではコンピューターや金融など第三次産業に関わるカリキュラムが組まれる。一方、初の工科系大学であり男女共学制のアブドラ王立科学技術大学 (KAUST) が、2009年9月に100億ドルの基金で設立された。また、シーア派を邪教とする教育が、シーア派を含むすべての国民に対して長らく行われてきたとされる。

2008年10月29日、これまで女性が学ぶことが困難であった医学経営学外国語などを教えるサウジアラビア初の女性専用の総合大学を創設することが国王アブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール・サウードによって決定され、リヤド郊外で起工式が行われた。

女子がスポーツを行う機会は限られており、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、「公教育で女子の体育を禁じている唯一の国」として批判している。サウジアラビア教育省は、2013年5月、一部私立校で女子の体育の授業を認めると発表した[67]2012年ロンドンオリンピックに、初めて女性選手を送るなど、近年、僅かながらではあるが女子のスポーツへの門戸が徐々に開かれている[68]
スポーツ詳細は「サウジアラビアのスポーツ」を参照2018年ロシアW杯開幕戦でのサウジアラビア代表2005年にアジア年間最優秀選手賞を受賞したアル・モンタシャリ
サッカー詳細は「サウジアラビアのサッカー(英語版)」を参照

サウジアラビア国内でも他の中東諸国同様に、サッカーが圧倒的に1番人気のスポーツとなっている[69]。1976年に創設された『サウジ・プロフェッショナルリーグ』は、アジアの中でもレベルの高いリーグとして知られており、近年では、クリスティアーノ・ロナウドネイマールをはじめとした世界的に有名な選手が数多く同国のリーグに移籍している。AFCチャンピオンズリーグにおいては、アル・ヒラルが大会最多4度の優勝を達成している。

サッカーサウジアラビア代表はアジア地域における強豪として知られており、AFCアジアカップでは3度の優勝を誇る。FIFAワールドカップには1994年大会で初出場して以降、完全に常連として定着しており6回の出場を果たしている[70]。さらにキング・ファハド・カップ(現:コンフェデレーションズカップ)では、1992年大会で準優勝に輝いている。

また、過去には女性がスタジアムでサッカー観戦する事が禁止されていたが、2018年以降はアクリル板で区切るなどの条件付きで解禁されている[71]。さらに2021年にはサッカーサウジアラビア女子代表(英語版)が新設され、2022年2月20日に初めてサッカーセーシェル女子代表(英語版)との国際試合が行われた。
クリケット詳細は「サウジアラビアのクリケット(英語版)」を参照

クリケットはサッカーに次いで、サウジアラビア国内で2番目に人気のスポーツである[72][73]国内競技連盟であるサウジアラビアクリケット連盟 (SACF) の本部はリヤドに所在しており、クリケットの試合を管理するためにスポーツ省に登録されている唯一の法人である[74]。2003年に国際クリケット評議会に加盟し、2016年に準会員に昇格した[74]。クリケットが圧倒的に人気のある地域である南アジア出身の外国人労働者が、同国の人口を部分的に占めていることもクリケット人気の要因の一つである。国内には100以上のクリケット場があり、370の登録されたクリケットクラブがある[74]
その他の競技「オリンピックのサウジアラビア選手団」も参照

バスケットボールは、サウジアラビアで人気のスポーツの一つある。バスケットボール・サウジ・プレミアリーグ(英語版)には、FIBA男子アジアカップ(旧:FIBAアジア選手権)に出場する選手も所属しており、マクムード・アブドゥル=ラウーフのようにNBAでプレーした選手も所属するようになっている。他方で、2021年よりF1世界選手権サウジアラビアGPジッダ市街地コース)なども開催されている。
文化詳細は「サウジアラビアの文化(英語版)」を参照
大衆文化

1965年からテレビ放送が始まったが、宗教指導者がテレビに対して否定的見解を示しているため、現在でもアパートなどでテレビ不可を入居条件に明記している所がある。娯楽番組の視聴には衛星放送が広く利用されており、同じアラビア語圏の番組が衛星放送を利用して視聴されている。近年では国営放送でも日本のアニメを放送するなど非常に軟化した態度を示すようになったが、これに反発した宗教指導者が2001年にポケモン禁止令を出した[75]。しかし、数年後に事件が鎮火すると再び放送されており、ポケモン禁止直後にデジモンアドベンチャーが放送されるなど放送業界は柔軟な態度を示している。近年ではインターネットによる視聴も多いが、違法にアップロードされた海賊版も多い[76]

派手なライフスタイルで知られる米国人のパリス・ヒルトンがサウジアラビアなどの中東でのみファッションブランドを展開し、その店舗はイスラム教の聖地メッカにも進出しているという事実があり、一般の欧米人よりも派手で身体の露出の大きい衣服を売り物にしたファッションブランドが女性に人気という側面がある。創作においてもイスラム教の戒律に配慮した表現が求められるが、美少女フィギュアについては水着の着せ替えパーツは不可だが膝上スカートは可など独特の基準が存在する[76]。近年ではムハンマド・ビン・ナーイフが推進する経済政策の一環として娯楽への制限が緩和されつつある[77]。また、ムハンマド・ビン・サルマーンは石油に代わる産業としてエンターテインメント産業を育成するため、自身の財団傘下のアニメ制作会社と日本の共同制作の劇場作品を手がけるなどしている[76]。また、イベントのノウハウを学ぶため、定期的に大規模イベントを開催している[78]
ネット文化

インターネット規制が厳しく、国内から海外のサイトへの接続は厳しく制限されている。国内ではアラビア語の出会い系サイトやSNSなどが運営されている。


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