赤ん坊が生まれるとすぐに戦闘力が測定され、3歳ごろまで保育機[注 3] で育つ[12]。戦闘能力が低いと判断されたサイヤ人は自宅の育児カプセルで育てられる[13]。そして辺境の惑星に宇宙ポッドで飛ばされることが多い[13]。それに対して、潜在能力を認められた優秀な赤ん坊はサイヤ人の育児室に入ることを許され、その中でもさらに優秀な赤ん坊は特別カプセルに入ることを許される[13][注 4]。上級戦士は惑星ベジータで戦闘の英才教育を受けることができ[13]、鳥山明も2017年に、選ばれたサイヤ人の子供だけは短期間だけ特別な訓練を受け、さらに高い戦闘力を身につけると答えている[7]。『銀河パトロール ジャコ』のおまけストーリー『DRAGON BALL? 放たれた運命の子供』では、孫悟空は生まれてから3年近く保育機に入れられ、「飛ばし子」として宇宙ポッドで地球へ送られた。
サイヤ人の子供たちは戦闘が遊びのようなものであり、「遊ぶ」という習慣はない[7]。子どもの時期に短期間だけ空を飛ぶことなどの訓練を受けるが、教わらなくても飛べてしまう子どももいる[7]。子どもから大人に成長するまでの期間も戦いの連続なので死亡者も多く、種族全体の人口は増えなかった[12]。 程度の差はあれど生まれた時から凶暴で残忍な性格である。好戦的で本能的に戦闘そのものを好む。地球に送られた赤ん坊の悟空も当初は手が付けられないほどの暴れん坊だったが、頭を打って以降は激しい性情がおさまり、養父である孫悟飯や師匠となる亀仙人らの教育も受けて純粋で素直な少年へと成長した。凶暴な性質が消えた一方、好戦的な気質は残っており亀仙人曰く「純粋な誇り高い武道家」であるため、世の平和や正義より前に強者との戦闘を楽しみたいという動機で戦い、一方で仲間や地球を思い、敵であっても基本的には殺害することは好まない優しさを持っており、何度も地球の危機を救った。悟空のみならずベジータも、地球で過ごすうちに周囲の影響を受けて穏やかになっていた事を自覚しており、それまでの戦いのみの人生から家族を持ったことについても「悪くない気分だった」と告白するなど、凶暴な性格については環境次第で矯正できる者もいる。 戦闘を行動原理とするが正々堂々と戦うことにはこだわらず、多くのサイヤ人は騙し討ちや集団リンチ、命乞いや逃走も厭わないなど実利主義を取る。スカウターで倒せそうな相手、倒せなさそうな相手を見極める思考も持つ。ただし、バーダックなどのように自分と同等以上の相手にも立ち向かう勇猛果敢なサイヤ人も存在する。プライドも高い傾向にあり、サイヤ人という種族を誇る一方で異種族を見下すことが多く、実力、血統、階級次第で見下すなど同じサイヤ人同士における差別意識も強い。サイヤ人たちを兵士として雇っていたフリーザも「バカなほど頑固」とサイヤ人を表現している。 冷血で単純な思考なので、通常、恋愛や結婚という概念はあまりなく、繁殖目的以外でバーダック夫妻のように強い絆で結ばれることは珍しい[11]。家族という概念はあまりないので、王族以外は血の繋がりにこだわりはない[11]。鳥山明もバーダックの家族や兄弟について質問されて「(バーダック、ギネ、ラディッツ、カカロットの家族)4人が揃ったことはありません。バーダック自身にも兄弟はいるかと思いますが、おそらくバーダック自身もよく解っていませんし興味もないでしょう」と答えている[11]。実際、作中でも人造人間17号が(人造人間としての)生みの親に当たるドクター・ゲロを容赦なく殺害するのを目の当たりにして困惑するクリリンに対して、ベジータが「べつにおかしなことじゃない。気にいらないヤツはだれであろうと殺すだけだ。サイヤ人といっしょさ。おかしいのは貴様ら地球人の方だ」と発言する場面がある。ただ、悟空が生まれた時のバーダックの仲間のやりとりから、親子関係の概念そのものはある模様。 家族の情愛に乏しいサイヤ人のエピソードとしてはこのようなものがある。『燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』では、終盤の展開でパラガスが消滅を待つばかりの新惑星ベジータに暴走したブロリーを「可愛そうだが」と言いつつも見捨てて逃げようとするシーンがあり、ブロリーの方もそれを見て愛想を尽かしてパラガスを殺害している。
性格