サイヤ人
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上級戦士は惑星ベジータで戦闘の英才教育を受けることができ[13]、鳥山明も2017年に、選ばれたサイヤ人の子供だけは短期間だけ特別な訓練を受け、さらに高い戦闘力を身につけると答えている[7]。『銀河パトロール ジャコ』のおまけストーリー『DRAGON BALL? 放たれた運命の子供』では、孫悟空は生まれてから3年近く保育機に入れられ、「飛ばし子」として宇宙ポッドで地球へ送られた。

サイヤ人の子供たちは戦闘が遊びのようなものであり、「遊ぶ」という習慣はない[7]。子どもの時期に短期間だけ空を飛ぶことなどの訓練を受けるが、教わらなくても飛べてしまう子どももいる[7]。子どもから大人に成長するまでの期間も戦いの連続なので死亡者も多く、種族全体の人口は増えなかった[12]
性格

程度の差はあれど生まれた時から凶暴で残忍な性格である。好戦的で本能的に戦闘そのものを好む。地球に送られた赤ん坊の悟空も当初は手が付けられないほどの暴れん坊だったが、頭を打って以降は激しい性情がおさまり、養父である孫悟飯や師匠となる亀仙人らの教育も受けて純粋で素直な少年へと成長した。凶暴な性質が消えた一方、好戦的な気質は残っており亀仙人曰く「純粋な誇り高い武道家」であるため、世の平和や正義より前に強者との戦闘を楽しみたいという動機で戦い、一方で仲間や地球を思い、敵であっても基本的には殺害することは好まない優しさを持っており、何度も地球の危機を救った。悟空のみならずベジータも、地球で過ごすうちに周囲の影響を受けて穏やかになっていた事を自覚しており、それまでの戦いのみの人生から家族を持ったことについても「悪くない気分だった」と告白するなど、凶暴な性格については環境次第で矯正できる者もいる。

戦闘を行動原理とするが正々堂々と戦うことにはこだわらず、多くのサイヤ人は騙し討ちや集団リンチ、命乞いや逃走も厭わないなど実利主義を取る。スカウターで倒せそうな相手、倒せなさそうな相手を見極める思考も持つ。ただし、バーダックなどのように自分と同等以上の相手にも立ち向かう勇猛果敢なサイヤ人も存在する。プライドも高い傾向にあり、サイヤ人という種族を誇る一方で異種族を見下すことが多く、実力、血統、階級次第で見下すなど同じサイヤ人同士における差別意識も強い。サイヤ人たちを兵士として雇っていたフリーザも「バカなほど頑固」とサイヤ人を表現している。

冷血で単純な思考なので、通常、恋愛や結婚という概念はあまりなく、繁殖目的以外でバーダック夫妻のように強い絆で結ばれることは珍しい[11]。家族という概念はあまりないので、王族以外は血の繋がりにこだわりはない[11]。鳥山明もバーダックの家族や兄弟について質問されて「(バーダック、ギネ、ラディッツ、カカロットの家族)4人が揃ったことはありません。バーダック自身にも兄弟はいるかと思いますが、おそらくバーダック自身もよく解っていませんし興味もないでしょう」と答えている[11]。実際、作中でも人造人間17号が(人造人間としての)生みの親に当たるドクター・ゲロを容赦なく殺害するのを目の当たりにして困惑するクリリンに対して、ベジータが「べつにおかしなことじゃない。気にいらないヤツはだれであろうと殺すだけだ。サイヤ人といっしょさ。おかしいのは貴様ら地球人の方だ」と発言する場面がある。ただ、悟空が生まれた時のバーダックの仲間のやりとりから、親子関係の概念そのものはある模様。

家族の情愛に乏しいサイヤ人のエピソードとしてはこのようなものがある。『燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』では、終盤の展開でパラガスが消滅を待つばかりの新惑星ベジータに暴走したブロリーを「可愛そうだが」と言いつつも見捨てて逃げようとするシーンがあり、ブロリーの方もそれを見て愛想を尽かしてパラガスを殺害している。なお、今際のパラガスは「自分の息子に殺されるとは、これもサイヤ人の定めか……」とサイヤ人の性質について触れている。

ドラゴンボール超』に登場するパラレルワールド的な関係にある第6宇宙のサイヤ人は戦闘民族であることは第7宇宙のサイヤ人と同じだが、性格は礼儀正しく穏やかであり、雇われて悪人を倒すことを仕事としている。そのことから第6宇宙の界王神からは「正義のヒーロー」と呼ばれている。
外見

サイヤ人には女性もいるが[注 5]、ラディッツが地球に来たエイジ761の時点で男性数名しか生存しておらず、純血のサイヤ人は途絶える運命である。隔世遺伝が起こることで、一世紀もの時を経て純血サイヤ人に匹敵する戦闘力を持つ個体が生ずることもあるらしい。

外見は人間型で風貌は地球人と同じだが、猿のような茶色く短い毛の生えた長い尾がある[注 6]満月を見ることで大猿に変化する。たとえ尻尾が切れてしまっても、一定期間を置けば基本的には自然に再生する[注 7]。尾を強く握られると力が抜けてしまうという弱点があるが、鍛えることで克服することができる。再生可能であるため、弱点と成り得る尻尾はその気になれば自分で切断できる。ベジータの切れた尻尾はメディカルマシーンでは再生できなかった。自身の意思で動かすことができ、それで物を持ったり体を支えることができる他、悟空やラディッツのように叩いて攻撃に使うことも可能。ベルトのように腰に巻きつけた状態でいる者も多い。尻尾の生えてこなかった子供は高い資質を持っている[16]。尻尾の弱点については『ドラゴンボール大全集』において、サイヤ人同士の闘いになった場合、種としては、いかに怪我をせず優越を決めるかが重要であるがゆえの、多くの動物が本能として持っている儀式的闘争のためと考えられると解説されている[17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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