サイボーグ
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日本で初めてこの単語『サイボーグ』を公に使用したのは、『サイボーグ009』等で著名な石ノ森章太郎である。

『サイボーグ009』が東映動画でアニメ化された際には、東映本社から「ロボットとか、もっと分かりやすいタイトルにしろ」という声があったが[13]、その後『サイボーグ009』や『仮面ライダー』シリーズ(特に1970年代から1980年代にかけての作品群)などで、ようやくサイボーグの概念が世間一般に広く浸透したといえる。

石ノ森とその影響を受けた作品では、人間としてのアイデンティティを持った改造人間が殆どである(欧米では、『ターミネーター』など生体の一部を単純な部品として使用したアンドロイドというようなキャラクターもサイボーグとして存在している)。

こういったフィクション作品では、単に「超人」を登場させるための理由付けである場合も多いが、「人間性の喪失」のほか「最新技術と人間の調和」という現代的な文学的・社会的テーマを「人間なのか、機械なのか」という極端な形で提示できることから、物語の主要テーマに関わる形で取り扱われることもまた多い。

ただ前述のロボコップも作中では「死亡した人間の臓器の一部を流用したロボット人権を持たない装置)」として、またターミネーターも『ターミネーター2』で学習により人間らしさを獲得していく途上が描かれるなど、この境界が持つ曖昧性を作中のエッセンスとして強調する作品も見られる。
フィクションとブレインマシンインターフェイス

ことさら航空機などの乗り物は、腕や脚のある動物や人間型の機械よりも構造が単純なため、乗り物などの機械装置を直接脳からの信号で操作しようという構想は、しばしば小説や映画などに見られる。

映画『ファイヤーフォックス』では上記のブレイン・マシン・インタフェース技術によりパイロットと機体を接続し、手足を使うことなくパイロットの思考で操縦や機器の操作ができる新型戦闘機が登場する。また、劇場アニメ超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』ではパイロットの神経系を接続するバトルスーツが登場する。TRPGメタルヘッド』ではパイロットとメカニックを直結し、機体の思考操縦を行うサイバーリンクシステムなども存在する。これらはパイロットの肉体を機械化したり侵襲機器を着けているわけではないが、その技術はサイボーグの基礎的なものとなっている。

また、タイトーのゲーム『レイフォース』シリーズでは「サイバネティック・リンク・システム(略称C.L.S)」と呼ばれる技術が登場する。これはサイボーグの究極形ともいうべきもので、脳だけを攻撃機に組み込み、反応速度や加速、旋回の際の慣性力の問題を解決している。ただ、作品中においても、上述のように倫理面の問題が指摘されている。同様の技術が映画『ロボコップ2』にも登場している。また、テレビアニメ『UFOロボ グレンダイザー』では敵であるベガ星人は、捕縛した他の惑星人を同様の技術を使って惑星侵略の尖兵としている(桜多吾作版では地球侵略用の「円盤獣」には主人公の同胞のフリード星人の脳が組み込まれている)。
サイボーグを主題にした作品
小説

『HAMMERED―女戦士の帰還―』・『SCARDOWN―軌道上の戦い―』・『WORLDWIRED―黎明への使徒―』(「サイボーグ士官ジェニー・ケイシー」シリーズ)(
エリザベス・ベア

『イズミ幻戦記』 (若木未生

歌う船』シリーズ(アン・マキャフリイ

『宇宙年代記』シリーズ(光瀬龍

『オイレンシュピーゲル』・『スプライトシュピーゲル』(「シュピーゲル・シリーズ」)(冲方丁

『奥歯のスイッチを入れろ』(山本弘

『終わりなき索敵』(航空宇宙軍史シリーズ)(谷甲州

『サイボーグ逆亡命作戦』・『サイボーグ核配備作戦』・『サイボーグ大予言作戦』(「サイボーグシリーズ」)(若桜木虔

サイボーグ・ブルース』(平井和正

ジェイムスン教授』シリーズニール・R・ジョーンズ

『天界の狂戦士』(川又千秋

『マン・プラス』(フレデリック・ポール

メタリックエンジェル』(中里融司

漫画

009ノ1』(石ノ森章太郎

ARMS』(皆川亮二

CYBERブルー』(原哲夫

CYBORGじいちゃんG』(小畑健

GUNSLINGER GIRL』(相田裕

TRIGUN』(内藤泰弘

紅い牙 ブルー・ソネット』(柴田昌弘

アップルシード』(士郎正宗

仮面ライダー』(石ノ森章太郎

銃夢』(木城ゆきと

企業戦士YAMAZAKI』(富沢順

銀河鉄道999』(松本零士

県立地球防衛軍』(安永航一郎)- カーミ・サンチンと猪上裕子


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