サイエンスフィクション
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

一方、H.G.ウェルズのファンであった科学者レオ・シラードは、『解放された世界(英語版)』に登場した原子力兵器に触発されて核エネルギーの開発に着手、結果として後年に日本への原子爆弾投下が実現してしまった[39]

携帯電話テレビ潜水艦なども、最初はSFの世界で登場し、未来にはきっと存在するであろう技術として概念が普及し、その後に現実世界でも実現した。このように、ある意味ではSFが科学技術へと影響を与えている一面があるとも考えられる。またNASAで最初のアフリカ系アメリカ人の女性宇宙飛行士メイ・ジェミソンスター・トレックに多大な影響を受けたと語っている[40]
SFの賞詳細は「SFの賞一覧」を参照

SF作品を対象とした文学賞のうち、英語圏においてもっとも有名なものは、ワールドコン登録者のファン投票によって選ばれるヒューゴー賞と、アメリカSFファンタジー作家協会(SFWA)に所属するSF作家・編集者・評論家などの投票によって選ばれるネビュラ賞の2つである。このほか、ファン投票によって選ばれる賞(ローカス賞など)、選考委員が受賞作を決定する賞(アーサー・C・クラーク賞ジョン・W・キャンベル記念賞フィリップ・K・ディック賞など)、特定の国・地域で発表された作品を対象とする賞(英国SF協会賞、ディトマー賞など)、特定の傾向を持つ作品を対象とした賞(プロメテウス賞ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞など)、新人・若手作家を対象とした賞(キャンベル新人賞など)、特定のサブジャンルを対象とした賞(サイドワイズ賞など)、翻訳作品を対象とした賞など、数多くの賞が存在する。世界幻想文学大賞ミソピーイク賞のように隣接ジャンルの賞をSF作品が受賞することもある。

日本においては、日本SF大会の参加者を中心としたファン投票によって選ばれる星雲賞や、日本SF作家クラブ会員の投票によって選ばれた候補作を選考委員が選考する日本SF大賞のほか、SFマガジン読者賞、公募新人賞などがある。

そのほか、ドイツ、フランス、中国、イスラエル、ルーマニア、ブラジルなど各国にそれぞれSFを対象とする文学賞が存在する。
SFの分類

便宜上、表現形式やテーマ、舞台などから共通する特徴を見いだしてサブジャンル的に扱うこともある。以下はその一例である。

ハードSF - 科学性に重きを置いた作品群。ハードコアSFとも。

スペースオペラ - 波瀾万丈の宇宙活劇。その基本となったのは西部劇を換骨奪胎したもの。

ニュー・スペースオペラ - 1970年代アメリカの、ラリー・ニーヴンなどを嚆矢とする、ハードSFを意識したスペースオペラ的作品がそう呼ばれた。また、1990年代イギリスを中心とし、シンギュラリティ思想やサイバーパンクの影響も見られる、ハードSFを意識したスペースオペラ作品群もそう呼ばれることがある。


ワイドスクリーン・バロック - ブライアン・オールディスがアルフレッド・ベスターやA・E・ヴァン・ヴォークトらの作品を評して使った言葉。

ニュー・ウェーブ - 従来の外宇宙志向SFに対し、心理など内宇宙に主眼を置く作品群。

サイバーパンク - 退廃的で混沌とし、ネットワークと濃密にリンクした世界設定を用いる。多くの派生ジャンルを生んだ。

SFコメディ - 『宇宙船レッド・ドワーフ号』『銀河ヒッチハイク・ガイド』など英国喜劇の影響を受けた作品や、日本では横田順彌のナンセンスギャグを主題とした「ハチャハチャSF」と呼ばれる作品群が知られる。

時間SF - タイムマシンなどによるタイムトラベルやそれによって発生するタイムパラドックス時間ループ、時間の速度を扱ったもの。

破滅SF - 壊滅的な大惨事、あるいは人類地球の滅亡を描いたもの。

ファースト・コンタクトSF - 異星人との初めての出会いの状況を描いたもの。

侵略SF - 異星人などによって地球が侵略される状況を描いたもの。

超能力SF - 超能力を持った(持ってしまった)人間を描いたもの。

ミュータントSF - 新人類または突然変異体を描いたもの。

ロボットSF - ロボットまたは人工知能に関する様々な状況を描いたもの。

方程式もの - 「酸素や燃料に余裕のない宇宙船に密航した人間の扱い」をめぐる局限された状況などを描いたもの。

ディストピアSF - 理想郷(ユートピア)とその対義的状況に主眼を置く。

宇宙SF - 宇宙空間に進出した人類文明とその中で活動する人の姿を描く。スペースオペラ、ワイドスクリーン・バロックなど。

海洋SF - 深海や海洋を舞台とする。日本では、海洋研究開発機構地球情報研究センターで、海洋SFの普及に向けた取り組みが行なわれている。

歴史SF - タイムマシンを扱った歴史改変もの、もしくは過去の歴史時代を舞台としたSF。

ロストフューチャー - SF的な道具立てを用いて、「我々の時間軸ではすでに実現しなくなったが、ありえたかもしれない未来」を描く。スチームパンクなどはさらに「ありえたかもしれない過去」を描くことがある。

未来SF - 未来世界を描くSF。未来史など。

近未来SF - 数十年程度の、比較的近い未来を舞台としたSF。作品が創作された時代の方向性を反映しやすい。

遠未来SF - 数百年-数千年、あるはそれ以上の遠い未来を舞台としたSF。


学園(ジュブナイル)SF - 学校を舞台とし、少年や少女が物語の中核をなすもの。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 「現実的な問題」というのは、政治情勢次第でこの様な破滅が引き起こされる事が、科学技術的に不可能ではなくなった、という意味である[独自研究?]。
^ 伊藤計劃はデビュー作『虐殺器官』が絶賛を得て第28回日本SF大賞候補となり、また文芸評論の分野などからも21世紀の日本SFを担う牽引役として期待を集める存在となった[36]が、2010年、34歳の若さで亡くなった。

出典^ Gunn, James (2002). The Road to Science Fiction: From Wells to Heinlein. Scarecrow Press. ISBN 978-0810844391.
^ (2000) The American Heritage Dictionary of the English Language, Fourth Edition. Houghton Mifflin Company.
^ "www.jessesword.com/sf/view/210". Retrieved on 2007-02-02.
^ Whittier, Terry (1987). Neo-Fan's Guidebook.
^ Scalzi, John (2005). ⇒The Rough Guide to Sci-Fi Movies.
^ Ellison, Harlan (1998). " ⇒Harlan Ellison's responses to online fan questions at ParCon". Retrieved on 2006-04-25, 2006.
^ a b John Clute and Peter Nicholls, ed. (1993). ""Sci fi" (article by Peter Nicholls)". Encyclopedia of Science Fiction. Orbit/Time Warner Book Group UK.
^ " ⇒Ansible". David Langford.
^ Nabokov, Vladimir Vladimirovich (1973). Strong opinions. McGraw-Hill. pp. 3 et seq. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 0-07-045737-9 


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:161 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef