ゴールデンラズベリー賞
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また、英語の「ラズベリータルト」(raspberry tart)が「fart」(おなら) と韻を踏んでいることから、ラズベリーはおならをまねた音、すなわちブーイングの音を指すようになった[注 1]。賞の名はこのことにも掛かっている。

トロフィーは、ゴルフボールで作ったラズベリーを金色に塗装し8mmフィルム缶に乗せ、木目の入った台所用壁紙を巻いてタイトルを貼り付けただけの貧乏臭いデザインである。制作価格はわずか4ドル79セントほどと言われるが、近年は8mmフィルムが市場から姿を消しつつあるため手に入りにくく、価格は上昇傾向にある。 
選考

ラジー賞は米映画アカデミーの会員による投票・審査で受賞が決定されるアカデミー賞と同じく、「ゴールデンラズベリー賞財団」の会員による投票で受賞作品を決定する。ただし実績ある映画業界人によるアカデミーと違い、ラジー賞選考には一般の映画ファンが小額の会費(2013年現在、新規会員は40ドル)を払うだけで投票権を有する事もできる。また、2作品が同一部門で受賞する事もある。

主要部門は毎年変わらないが、その年だけの部門が作られているのも、ラジー賞の特徴である。

第35回(2014年度)には名誉挽回賞(The Razzie Redeemer Award)が新設された。これはラジー賞の常連や、ラジー賞を受賞したことで有名な俳優や監督を対象とし、その年にアカデミー賞ノミネートなどの功績を挙げて「名誉挽回」した者に贈られる特殊な賞である。新設された2014年度は事あるごとに酷評される『ジーリ』のベン・アフレックが、2015年度はラジー賞のチャンピオンとまで称されたシルヴェスター・スタローンが受賞した。

第36回(2015年度)には商業的にも批評的にも失敗した作品を対象とするバリー・L・バムステッド賞(Barry L. Bumstead Award)が新設された。これはゴールデングローブ賞におけるセシル・B・デミル賞のパロディである。

一方、第42回(2021年度)では、特別賞として「2021年公開映画で見せたブルース・ウィリスの最低演技賞」が設けられ、ウィリスを特別に腐す趣向が設けられたが、その4日後にウィリスが失語症を理由に俳優業からの引退を公表したことを受けて、これら賞の撤回を行っている[2][3]。同様に、第1回において最低主演女優賞にノミネートされたシェリー・デュヴァル(『シャイニング』)に対しても、現在ではスタンリー・キューブリックによって精神的に追い詰められていたことがわかっており、今回のウィリスへの対応に合わせて彼女へのノミネートも同様に撤回されることが公表された[4]
授賞式

例年、本家アカデミー賞の授賞式の前日に授賞式が開催されていたが、第32回のラジー賞はノミネート発表がアカデミー賞前日の2012年2月25日、授賞式はエイプリルフールの同年4月1日に行われた。第33回ラジー賞の授賞式は再びアカデミー賞の前日に戻り、ノミネート発表が2013年1月9日、授賞式が同年2月23日(現地時間)に行われた。

賞の意味合いからトロフィーを受け取りにくる者はほとんどいないが、第8回でラジー史上初めてトロフィーが受賞者の手に渡っている。当年、『ビル・コスビーのそれ行けレオナルド』で3部門受賞したビル・コスビーは、授賞式に出席はしなかったが作品の失敗を自ら認めており、のちに出演したテレビ番組の中でそのトロフィーを受け取った。第30回授賞式に出席したサンドラ・ブロック

授賞式でのトロフィー授与が初めて実現したのは第16回授賞式で、最低作品賞・監督賞など7部門を受賞した『ショーガール』のポール・バーホーベン監督が出席し、「蝶からサナギになった気分だ」とコメントした。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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