2006年、ジョン万次郎銅像事件の控訴審判決で知的財産高等裁判所は、著作者名を他人名義にする合意は著作権法121条に触れることを根拠に無効と判断した[41][42][43]。
著作権法第十九条:著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。
ゴーストライターの例
池島信平 - 菊池寛の『日本武将譚』などの代作をした。
伊藤整 - 川端康成の『小説の研究』の一部を代作をした。
糸井重里 - 矢沢永吉『成りあがり』の代作をした[44]。
植草甚一 - 東宝社長の吉岡重三郎の『映画』をゴーストライターとして代筆。
内田憲太郎- 川端康成の「空の片仮名」が内田の代作だと龍胆寺雄が主張した[45]。川端全集に収められた内田の書簡から、ほぼ間違いないと推定されている[46]。
大森光章 - 中河与一の「幻聴を聴く女」を全部代作し、同じく「漂泊者」も一部代作した[47]。
海江田万里 - 野末陳平の著書の代作をしていた。
川端康成 - 菊池寛『不壊の白珠』の代作をした[48]。
北畠八穂 - 夫の深田久弥のために『あすならう』『オロッコの娘』『津軽の野づら』『贋修道院』『鎌倉夫人』など数々の小説を代作(下書き)した。戦後、初恋の女性と再婚するために深田から離縁されたことをきっかけに暴露する。
木村和久 - 学生時代にビートきよしの代作をした[49][50]。
神山典士 - 盲目のピアニスト辻井伸行の母の書籍など、四半世紀で50冊以上手掛けたと述べている。
小島政二郎 - 徳田秋声の童話のほか、『赤い鳥』で主催の鈴木三重吉ほか、多くの童話を代作した。
堺屋太一 - 趣味が高じてプロレス本『プロレス式 最強の経営 「好き」と「気迫」が組織を変える』を執筆。自分の名義ではなく『週刊プロレス』編集長のターザン山本を著者として立てて出版し、印税も受け取らなかった[51]。
佐々木俊尚 - 堀江貴文のビジネス本の代筆をしたことを公表している[52]。
佐藤碧子 - 菊池寛の『新道』などの代作、川端康成の『東京の人』『女であること』などを代作した[53]。
重松清 - 岡田有希子をはじめ数多くの芸能人本・小説やドラマのノベライズを手掛け、『ゴーストの帝王』と呼ばれていた。
清水義範 - 下積みの頃にアルバイトでアン・ルイスなどのゴーストライターを行った[54]。
瀬沼茂樹 - 川端康成の『小説の研究』の一部を代作をした。
津田信 - 小野田寛郎の手記のゴーストだったことを明かし、『週刊ポスト』で小野田を幻想の英雄だとする告発手記を発表して話題になった。『幻想の英雄』(図書出版)として書籍化もされた[55]。
豊田行二 - 糸山英太郎の『怪物商法』『太陽への挑戦』のゴーストだったことを明かした[56]。
立花隆 - 香月泰男の『私のシベリア』のゴーストライターであったことをのちに公表。出版から34年後に自著『シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界』で立花名義で復刻した。
内藤三津子 - 神彰『怪物魂』のゴーストライター[57]。
永江朗 - ミュージシャン、女優、学者、漫画家などの作品を構成・執筆。
中里恒子 - 川端康成の『花日記』を代作した。『乙女の港』は共同執筆とされている[58][59][60]。