『ゴモラ』(原題: Gomorra)は2008年に公開されたイタリアの犯罪映画。監督はマッテオ・ガローネ、出演はトニ・セルヴィッロとジャンフェリーチェ・インパラート(イタリア語版)など。
ロベルト・サヴィアーノの著書『死都ゴモラ』を原作としている。イタリア・ナポリの犯罪組織カモッラを題材に描いた作品。サヴィアーノはこの作品を執筆したことにより2006年にマフィアから殺害予告を受けており、常に警察の保護下での生活を余儀なくされている。また2008年10月には度重なる脅迫により遂にイタリアを出国、海外移住を希望せざるを得ない状況に追い込まれている[3][4]。
第61回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリ受賞。ヨーロッパ映画賞でも作品賞を含む5部門で受賞した[5]。作品には元マフィアも出演しており、作品公開後に出演俳優の一人が指名手配中のカモッラの一員であることが判明し、逮捕に至るという事件も起きた[6]。
日本では2008年10月20日に第21回東京国際映画祭(WORLD CINEMA部門)、2009年5月5日にイタリア映画祭で上映されたのち、2011年10月に劇場公開された。 実際にあった出来事をもとにした架空のエピソード5つが並行して描かれる。 組織間の抗争が絶えない地域で育った少年トト(サルヴァトーレ・アブルツェーゼ)は、親の経営する雑貨屋の配達を手伝う仕事をしていたが、「大人になる」ための度胸試しの儀式を経て組織の一員となる。ある日、組織を裏切って敵対組織のメンバーとなったシモーネ(シモーネ・サケッティーノ)に対する見せしめとして彼の母親マリア(マリア・ナツィオナーレ 組織のメンバーの家族や遺族に「給料」として金を渡す役目をしているドン・チーロ(ジャンフェリーチェ・インパラート フランコ(トニ・セルヴィッロ)が経営する産業廃棄物処理会社で働くことになった青年ロベルト(カルミネ・パテルノステル)は、安定した高収入の仕事にやりがいを感じていた。しかし、会社による有害物質の不法投棄や現場で強いられている過酷な労働環境に愕然とする。理想と現実の間で悩んだロベルトはついにフランコと決別する。 腕のいい仕立て職人のパスクワーレ(サルヴァトーレ・カンタルーポ マルコ(マルコ・マコール)とチーロ(チーロ・ペトローネ Rotten Tomatoesによれば、157件の評論のうち高評価は91%にあたる143件で、平均点は10点満点中7.7点、批評家の一致した見解は「組織犯罪を毅然としたリアリズムで描いており、この冷徹で焼け付くようなイタリアの犯罪映画の傑作は手加減を全くしない。」となっている[7]。Metacriticによれば、30件の評論のうち、高評価は28件、賛否混在は1件、低評価は1件で、平均点は100点満点中87点となっている[8]。
ストーリー
トトの物語
ドン・チーロとマリアの物語
フランコとロベルトの物語
パスクワーレの物語
マルコとチーロの物語
作品の評価
出典^ a b “Gomorra
^ “Gomorrah” (英語). Box Office Mojo. 2022年5月21日閲覧。
^ “暗殺予告受けた『死都ゴモラ』の著者、イタリア出国へ”. AFPBB News. (2008年10月16日). https://www.afpbb.com/articles/-/2529102 2009年5月15日閲覧。
^ “伊ベストセラー作家、マフィアが暗殺計画”. 日刊スポーツ. (2008年10月21日). ⇒オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。