ゴッドファーザー_PART_II
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公聴会でウィリー・チッチ、マイケル・コルレオーネ、フランク・ペンタンジェリを尋問する委員の中には、映画プロデューサーのロジャー・コーマンやフィル・フェルドマン、SF作家のリチャード・マシスンの姿がある[8]

終盤、マイケル達の母親カルメラ・コルレオーネが亡くなり棺桶に入っているシーンでは、それまで演じていたモーガナ・キング(英語版)ではなく、コッポラ及びタリア・シャイアの母親が演じた。モーガナ・キングは、シチリア人にとって死後以外に棺桶に入ることは縁起が悪いこととされているので、拒否したという。

前作でソニーを演じたジェームズ・カーンはソニー役で誕生日の回想シーンのみに出演することに同意したが、その条件とは、前作と同額のギャラを受け取るというものであった[8]

ブルーノ・カービー(クレジットでは「B・カービー・Jr.」)は若い頃のクレメンザを演じたが、前作で年老いたクレメンザを演じたのはリチャード・S・カステラーノだった。テレビシリーズの『The Super』では、カービーはカステラーノと親子を演じている[8]。カービーは他にも「ドン・サヴァティーニ」(90年)で、マーロン・ブランド演じるヴィトー・コルレオーネを彷彿させるマフィアのドンの甥を演じた。当初、現在のクレメンザも出演する構想であったがカステラーノが台詞をすべて妻に書かせることを要求したために出演を断念し、死んだ設定となった[12]
撮影

映画は1973年10月1日から1974年6月19日の間に撮影された。本作では予算が潤沢であったこともあり、1918年のシーンを撮るためニューヨーク市内東6番街の1ブロックがまるごと当時の街並みに改築され撮影が行われた。

なお、『ゴッドファーザー』と本作との間に、コッポラは『カンバセーション…盗聴…』を監督している(撮影期間は1972年11月26日から1973年3月まで)。
解説「ゴッドファーザー#史実との関係」も参照1900年頃のリトル・イタリーの中心、マルベリー・ストリートキューバ革命

根本的なテーマは第1作に忠実であるが、本作では、父ヴィトーを取り巻く旧世界的価値観と息子マイケルを取り巻く新世界的価値観を明確に対比させ、前者の栄光と後者の悲劇の模様を「時代の変化」に焦点を当てながら残酷な形で浮き彫りにしている[13]

ヴィトーのパートでは、マフィアのドン・ヴィトー誕生の経緯を描くことで、アメリカン・ドリームを追求するために合法的な活動と非合法な活動を分けることが可能かどうかについて疑問を投げかけている[13]。ヴィトーは、旧世界の掟から逃れるために新世界に降り立ったが、結局彼ら移民はアメリカの主流に完全には受け入れられず、その周縁である旧世界地域リトル・イタリーで、合法的なビジネスチャンスを得られずに生き残ることを余儀なくされる[13]。さらに、故郷のコルレオーネ村と同様再び独裁的な権力者に生活の道を絶たれ、それによって犯罪に誘惑され、家族や同胞を守るべくそのダークサイドに引き込まれていく様子が描かれる[13]禁酒法時代は、政府により合法と非合法が恣意的に決定された時代である[13]。彼らマフィアの貿易活動は、旧世界の技術と経験を新世界に持ち込み、大衆が望むものを与えているのであり、彼らの活動が犯罪であるとすれば、それは政府が違法と宣言したからにほかならなかった[13]。事務所にオリーブオイル輸入商「GENCO」(ジェンコ)の看板が掲げられるのをヴィトーが見つめる場面は、まさにアメリカン・ドリーム、起業家が誇らしげに自分の店を開いて商売を始める瞬間の光景であった[13]

マイケルのパートでは、過激な資本主義が前作以上に公権力や政界にまで深く及び、腐敗していることを描いている[14]。企業国家アメリカの肥大化、すなわち過激な資本主義社会の地理的拡大のピークとしてキューバが取り上げられ、その結末としての「キューバ革命」を描くことで、三部作共通のテーマである反資本主義を明示している[14]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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