ゴッドファーザー_(映画)
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彼らはブランドが当時47歳という若さであったことからもヴィトー役を演じることに不安を抱いていたが、ブランドが別人になる様子を見て感嘆の声をあげ、配役を正式に許可した[32]。ヴィトーの陰鬱なキャラクター性は、ソロッツォ役に起用されたアルフレッド・レッティエリを通じて多くを吸収した(ブランドとレッティエリは1950年代から親交があった)[32]。レッティエリは、義兄がジェノヴェーゼ・ファミリーの代理ボスを務めたトーマス・エボリの兄弟であり、マフィアの事情には精通していた[32]。また、特徴的なしゃがれ声は、ブランドの独特な声質が基礎としてあるが、参考資料として製作陣が集めていたキーフォーヴァー委員会におけるフランク・コステロの音声テープからも影響を受けた[121]。「権力者は叫ぶ必要がない」と、彼は後に説明した[32]。年齢を重ねた顔は、メイクアップアーティストのディック・スミスによって手がけられ、スクリーン・テストの際にブランドが口の中に綿を入れて表現した「ブルドッグ」のイメージは、特別なマウスピースを作成することで対応した[122]。撮影現場では、いくら落ち目とはいえブランドが大物俳優であったことに変わりはなく、彼はさながら俳優たちのゴッドファーザーのような存在であったという[32]。
マイケル / ソニー・コルレオーネ役
主要人物の中で最後まで決まらなかったのがマイケル役であった[123]。パラマウントの幹部はウォーレン・ベイティかロバート・レッドフォードという、人気俳優を求めていた[124][113][125]。ロバート・エヴァンスは、『ある愛の詩』(1970年)の成功を見ていたこともあり、ライアン・オニールにこの役を任せようとした[125][126]。コッポラは、シチリアの田舎をうろつているイメージができる、イタリア系アメリカ人らしさのある無名の俳優を求めていたため、『哀しみの街かど』(1971年)で初主演を飾ったばかりの新人、アル・パチーノがお気に入りであった[60][62]。パチーノは、母方の祖父母がシチリアのコルレオーネ村出身という、マイケルの設定と似た境遇の人物であった。しかし、パラマウントの幹部は、パチーノが未来のドンとなるマイケルを演じるには背が低すぎ、また全体的なルックスもイメージに合わないと判断した[40][32][93]。マイケル役にはダスティン・ホフマン、マーティン・シーンもオーディションを受けた[127]。バート・レイノルズもマイケル役を申し出たが、マーロン・ブランドがレイノルズが雇われれば辞めると脅したため、レイノルズは役を辞退した[128]。また、ジャック・ニコルソンもオファーを受けたが、イタリア系アメリカ人の俳優が演じるべきだと考えて断った[129][130]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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