ゴジラvsビオランテ
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白神英理加とは親友だった[出典 21]。父の財団のプロジェクトを巡って、桐島とは少々溝が開いてしまっていたが、次第に関係を取り戻していく。愛車は三菱・パジェロで、桐島と共用している。ゴジラを足止めする危険な任務に挑む未希を後見人のような立場で見守ろうと単身で関西国際空港建設基地に残留する勇敢な一面に、穏やかさを併せ持つ女性である。
黒木 翔(くろき しょう)[67]
防衛庁特殊戦略作戦室室長[出典 23]。三等特佐[61][62]。26歳[出典 24]。防衛大学を首席で卒業し、スーパーX2の運用ならびに陸・海・空・全自衛隊を指揮する[61][62]。若さゆえの粗もあるが、上官に対しても物怖じしない胆力や、三枝未希の超能力をも理解して作戦に活用するなど柔軟な頭脳を持つ理論家で、手段を選ばない大胆な戦術・戦略でゴジラを追い詰める[68][62]。終盤ではSSS9をM6000TCシステムで蒸発させるなどの機転も見せる。『ゴジラvsデストロイア』では、スーパーXIIIの機長として再登場する。ノベライズ版でも工作員が乗ったスパイ機をサンダービームで撃墜する。坂井孝行によるコミカライズ版では続く『ゴジラvsキングギドラ』から『ゴジラvsデストロイア』までの全ての作品に登場している。

脚本第3稿では、三佐と設定されていた[70]

脚本を担当した大森一樹は、執筆段階では配役に古尾谷雅人をイメージしていた[71]。黒木の衣装は、アメリカ映画『脱走特急』(1965年)に主演したフランク・シナトラの衣装をイメージしている[72]。警戒警報の情報操作は、映画『新幹線大爆破』(1975年)をイメージしている[73]

演じる高嶋政伸は、黒木がゲーム感覚でゴジラと戦っているとの説明を受けたが、自身ではコンピュータなどに触れていなかったため今ひとつ理解できていなかったという[74]。「ヤングエリート」という設定についてもあまりピンとこないまま演じていたが、後にIT業界などで若手実業家らの活躍が日常的になっていったことで現実的に感じられるようになったと述べている[74]。演技にあたっては、舞台出身のため大げさであった自身の演技を大森が抑えることでヤングエリートに見えるよう仕立ててもらったと述懐している[74]。白神博士に抗核バクテリアの効果を問いただすシーンの撮影では、脚本に「!」と記されていたことから勢いよくセリフを言ったら、白神役の高橋幸治が驚いてセットから飛び出してしまったこともあった[74]

海へ去るゴジラを見つめるシーンの撮影では、大森から「なにかできるか」と問われた高島は「耳を動かせる」と応え、その描写が撮影された[74]。結局はカットされ、高島自身も設定に合わないと考えていたが、そういったシーンでも進んで撮影することが従来の映画監督とは異なる大森のアクティブさを感じられたと語っている[74]

三枝 未希(さえぐさ みき)[20][75]
大河内明日香の勤める精神科学開発センターに研究対象の1人として所属する少女[出典 25]。17歳[76]。三原山上空からゴジラの活動を感知したり、大阪湾でゴジラの動きを一時的に足止めするなど、センターで最も強い超能力を持つ[20][61]。しかし、関西国際空港建設予定地でゴジラを精神感応で一時足止めする際にかなりのエネルギーを使い果たして失神してしまう。終盤では薔薇の声を白神新植物研究所で感じ、「助けて明日香」というビオランテの思念を感じてビオランテの出現を予測しそのことを桐島たちに伝えた[62]。本作品の後も続く『ゴジラvsキングギドラ』から『ゴジラvsデストロイア』までのVSシリーズのほか、『怪獣プラネットゴジラ』にも登場している。漫画版『ゴジラ1990』では、84年のゴジラ襲撃時に両親を失っていることが描かれている[77]

原作者の小林晋一郎は、本作品が植物を中心とした物語であることから登場人物の名前もそれにちなんだものとし、さらに毛利元就三本の矢の逸話もヒントにして、「知恵と勇気と愛の3本の枝が集まれば希望が生まれる」という意味を込めて命名した[78]。当初、小林は名前を「希(のぞみ)」としていたが[79]、脚本の時点で大森の娘の名前と同じ読みの「未希」に改められた[78]

小林による応募作品の時点では未希に相当する人物は登場しておらず、主人公である雑誌記者のさやかがビオランテの声を感じ取るという描写があるのみであった[80]。その後執筆されたストーリー案では、不知火研究所のアルバイトという設定で、エリカのものと思われる女性のすすり泣きを耳にするという展開であった[81][80]

大森による案では、大阪湾にて未希が超能力でゴジラを海上に浮き上がらせるという展開もあったが、田中により却下された[82]

演じる小高恵美は、監督の大森から参考資料として映画『キャリー』(1976年)を観るよう指示されたという[83][84]。また、眼の前に対象物がない状態で芝居をすることには、映画『竹取物語』(1987年)で盲目の役を演じていた経験が活かされた[50]。演技にあたっては、生活感を出さず神秘的に見えるよう心がけたと述べている[出典 26]。しかし、後年の作品ではそこから成長した未希と自身の成長過程とが重ならず難しかったと述べている[85]

大森によれば、本作品の後に企画されていた『モスラVSバガン』にゴジラシリーズとの接点として未希の登場が予定されており、企画は没になったがその名残として以降のVSシリーズに未希が登場することになったという[71]

SSS9(スリーエスナイン)[86]
サラジア共和国の工作員[86]。コードネームは「サラジア・シークレット・サービスの9番目」という意味。G細胞とANEBをめぐって暗躍するが、白神を殺害した後に桐島と格闘を繰り広げた末、黒木がM6000TCシステムで発生させた人工雷に遭い、蒸発する[62]
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