ゴジラvsスペースゴジラ
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山下は、ファミリー映画として親世代にも受け入れられるバラードにした旨を語っている[48][49]
ストーリー

メカゴジラがゴジラに敗れてから1年後、国連G対策センターではゴジラ対策として2つのプロジェクトが進行していた[50]。メカゴジラに代わる新たな対ゴジラ兵器の開発計画「Mプロジェクト」と、ゴジラをテレパシーで操作して無害化しようとする計画「Tプロジェクト」である。

南太平洋に浮かぶバース島では、ゴジラ打倒に執念を燃やすGフォースのはみだし隊員である結城晃が、ベビーゴジラの成長した姿であるリトルゴジラに懐かれつつも、ゴジラを倒すためのさまざまな罠を地道に準備していた[50]。Tプロジェクトを支援するためにバース島を訪れた新城功二と佐藤清志は、島の中央に林立している奇妙な結晶体群を発見する[51]。一方、サイキックセンター主任の三枝未希は、フェアリーモスラに化身した小美人コスモスから不吉なメッセージを受け取る[28][50]

Gフォースが新兵器MOGERAの完成に沸き立っているころ、宇宙の彼方からは地球へ巨大な宇宙怪獣が凄まじい速度で接近していた。その正体は、かつて宇宙へ飛散したG細胞から生まれた宇宙怪獣スペースゴジラだった。未希も到着したバース島ではTプロジェクトが開始されたが、原因不明のアクシデントにより失敗に終わる[50][51]

迎撃に出たMOGERAを電磁波で難なく破ってバース島に降り立ったスペースゴジラは、ゴジラを圧倒して結晶体にリトルを幽閉すると、日本各地を襲撃して福岡に上陸する[28][50]。そんな折、Tプロジェクトの責任者でありながら裏で企業マフィアと結託していた大久保博士の手引きで未希が拉致されてしまう[50][51]。日本に戻った新城たちは企業マフィアを一網打尽にし、未希を救出する[50]。その最中、未希はテレキネシスを発現する[50]

改修・強化されてスペースゴジラ迎撃に出撃したMOGERAと、鹿児島湾からの上陸を経て九州を北上してきたゴジラの三者が、福岡で相まみえる[28][50]。バトルフィールドで優勢に立つスペースゴジラであったが、ゴジラと2機に分離したMOGERAは宇宙エネルギーを吸収していた福岡タワーを破壊し、逆転する[50][51]

スペースゴジラを倒したゴジラはバース島へ帰り、未希はテレパシーで元気になったリトルの姿を見る[50]
登場キャラクター
ゴジラ
詳細は「
ゴジラ (平成VSシリーズ)#『ゴジラvsスペースゴジラ』」を参照
スペースゴジラ
詳細は「スペースゴジラ」を参照
リトルゴジラ
詳細は「ゴジラジュニア#リトルゴジラ」を参照
MOGERA
詳細は「モゲラ#『ゴジラvsスペースゴジラ』のモゲラ (MOGERA)」を参照
フェアリーモスラ
詳細は「モスラ (平成VSシリーズ)#フェアリーモスラ」を参照
コスモス
詳細は「小美人#コスモス」を参照

このほか、モスラ(成虫)、バトラ(成虫)、ビオランテ(食獣形態)がライブフィルムで登場している。
登場人物

※ここでは『東宝SF特撮映画シリーズVOL.9 ゴジラVSスペースゴジラ』で「主な登場人物」として掲載されている人物のみを挙げる[52]
新城 功二(しんじょう こうじ)[53][54]
Gフォース少尉[出典 13]。27歳[出典 13][注釈 5]。ゴジラとの戦いにロマンを追い求める硬派な熱血漢[56]。清志曰く「上司にも嫌われるほど世渡り下手な男」。本来はMOGERA要員としてMプロジェクトに参加するはずだったが、相棒の清志のミスでTプロジェクトに回され[56]、バース島へ赴くこととなる。企業マフィアに捕らわれた未希を救出した後にはスペースゴジラの撃退任務の際にMOGERA要員に復帰し、清志や結城と共にMOGERAに搭乗して同機の操縦士兼ガンナーを務め[56]、スペースゴジラに戦いを挑む。

新城と佐藤のコンビによるドラマは、脚本を手掛けた柏原寛司の代表作である『あぶない刑事』を彷彿とさせるバディものの体裁となっている[57][39]。柏原は、コンビで掛け合いをさせることで互いのキャラクターが出しやすくなると語っている[58]。監督の山下賢章は、女性を口説いたこともない遊び下手な新城が未希にアプローチするぎこちなさが持ち味であると語っている[47]

演じる橋爪淳は、新城について自身が今まで現代劇で演じてきた役柄とは異なる熱血漢で、実年齢よりも若かったことなどから戸惑いもあったが、演じるうちにはまってきたと述べている[59]。また、新城がゴジラを倒すことに情熱を燃やす理由も疑問に感じていたが、山下から男は戦うこと自体に熱いものを感じるのであり、根拠がないからこそ戦いの中でゴジラを理解していく立場であることを説明されたという[59]

当時、橋爪は時代劇への出演が多く、山下とも話し合い時代劇の芝居を外すことを心がけていたが[47][49]、未希役の小高恵美はナイフを使うシーンが日本刀の構え方のようであったと述べている[60]

銃撃戦のシーンでは、『ダイ・ハード』や『裸の銃を持つ男』のように前転しながら銃を撃つアクションを行ったが、様にならずNGとなった[59]

コクピットのシーンでは、一日中座りっぱなしであったことから睡魔に襲われ、演技で叫んでいても目が寝てしまっていたという[59]。小高はラッシュでこのシーンを見て笑いをこらえていたと述べている[60]

ラストシーンでの未希へのセリフに照れくささを感じ、そのセリフを言わずに演技することを考えていたが、小高から映画『男が女を愛する時』で自身が敬愛するアンディ・ガルシアが同様のセリフを言っていたことを聞かされ、台本通りに演じることを決心したという[59]


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