ゴジラ
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だが、東宝系の劇場や営業の方からモスラでは興行成績が厳しいという意見が起き、ゴジラ復活の要望が起こる[26][27]

そうした声に押される形で、1999年のシリーズ第23作『ゴジラ2000 ミレニアム』でシリーズが再開された。この作品で2度目の世界観のリセットが行われる。第1作以外の過去のエピソードは一切語られず、ゴジラは地震台風などの自然災害と同じように文明への脅威の存在として設定された。

本シリーズの一部は第1作とその他の東宝特撮作品の世界観を反映した。しかし200万人から400万人と比較的高い観客動員数を維持した平成ゴジラシリーズと比べ、本シリーズは100万人から200万人ほどと大幅に減少した。そのため平成ゴジラシリーズと同じく、モスラキングギドラメカゴジラなどの人気怪獣の再登場路線となった。2001年から2003年までは『とっとこハム太郎』と併映されることになり、その影響で第26作『ゴジラ×メカゴジラ』、第27作『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の2作は例年より15分ほど、上映時間が短縮化されている。

2003年の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』は110万人と当時のワースト3位を記録(現在はワースト4位)。制作サイドの目指す本当に新しい「ゴジラ映画」を制作することが当時の技術では困難として[28]、ゴジラ50周年の節目である2004年にシリーズ集大成となる最高の「ゴジラ映画」を作り上げて締めくくろうということになり[29]、同年公開の第28作『ゴジラ FINAL WARS』にてゴジラシリーズは再度終了となり、東宝が製作するゴジラシリーズは10年以上途絶えることとなる[注釈 3]。ゴジラシリーズに数多く出演した水野久美佐原健二らは『FINAL WARS』のパンフレットで「まだゴジラシリーズに出演したい」というような趣旨のコメントを寄せた。
シリーズの特徴(ミレニアムシリーズ)

ミレニアムシリーズは平成ゴジラシリーズ同様、毎年正月映画として公開される。『ゴジラ×メカゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の関係を例外として、前年の作品とはストーリーや世界観に連続性がない。

ミレニアムシリーズの特徴として、CGの多用が挙げられる。ただし平成ゴジラシリーズのように怪獣が光線技を多用する描写は少なくなっており、特撮カットはスーツアクターによるアクションやワイヤーアクションに重点が置かれた。怪獣のサイズがVSシリーズの100メートル級から昭和シリーズに近い50から60メートル級に縮小された(『ゴジラ FINAL WARS』のみ100メートル級に戻された)。ミニチュアのスケールも1/50から1/25に大型化したことでその作り込みがより精密になった。本シリーズは『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』『ゴジラ×メカゴジラ』『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の3作品で、優れた戦闘能力とリーダーシップを持つ女性自衛官が主役または準主役でゴジラと直接戦う設定を取り入れている。『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』以降のシリーズでは、『ゴジラの逆襲』以降の東宝特撮映画では通例となっていた特技監督の肩書きが「特殊技術」となった。
2010年代 -
シリーズの経緯(2010年代 - )

ハリウッド版(後述)の世界的ヒットを受けて、2014年12月8日、東宝製作によるシリーズ新作が約12年ぶりに全国公開されることが明らかになった[30][31]2015年4月1日、脚本と総監督を庵野秀明、監督と特技監督を樋口真嗣が務めることが発表され[32]、同年秋から撮影が開始された後、2016年7月29日に『シン・ゴジラ』のタイトルで公開された。

2016年8月19日、初のアニメーション映画作品となる『GODZILLA』の製作が発表された。監督を静野孔文瀬下寛之、ストーリー原案・脚本を虚淵玄が務める[33]。2017年1月19日には新たなコンセプトアートと声優陣が[34]、同年3月26日には3部作になることがそれぞれ発表された後、同年11月17日には第1部『怪獣惑星』が、2018年5月18日には第2部『決戦機動増殖都市』がそれぞれ公開され[35]、同年11月9日には第3部『星を喰う者』が公開された。

2020年10月7日、劇場3部作とは世界観を一新した完全新作アニメーション『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』が翌2021年4月よりテレビ放送およびNetflixにて先行配信されることが発表された[36]

2022年11月3日、国産実写映画としては7年振りとなる新作ゴジラを2023年11月3日に公開することが発表された。タイトルは『ゴジラ-1.0』で、監督・脚本・VFXは山崎貴が務める[37][38]
シリーズの特徴(2010年代 - )

2010年代以降のゴジラの特徴としては、「第1作も含めた過去作品全てと世界観がつながっていない」という設定が挙げられる。過去のシリーズでは、それ以降の時間軸は異なりつつも、1954年(第1作)に人類の前に初めて姿を現したという設定だけは共通していた。

しかし、『シン・ゴジラ』ではゴジラが初めて人類の前に姿を現したという設定になっており、第1作との世界観のつながりが存在しない。このことを裏付けるかのように劇中では「怪獣」という概念や文言自体がなく、当初はゴジラを「巨大不明生物」と呼称している。また、アニメーション3部作でもゴジラは2030年に初めて人類の前に姿を現したという設定になっており、やはり過去作品との世界観のつながりが存在しない。『-1.0』では第1作よりもさらに昔の第二次世界大戦後間もない日本が舞台となっている。
海外製作作品(レジェンダリー版)

2014年には、ワーナー・ブラザースの提供、レジェンダリー・ピクチャーズの製作による『GODZILLA ゴジラ』が公開された。ゴジラのデザインはトライスター版と異なって原典を踏襲したものとなったほか、内容には自身もゴジラファンである監督のギャレス・エドワーズによる「SF要素を排し、徹底して現実的な路線で制作している」との方針が示されている。

2019年公開の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ではゴジラに加えてラドン、モスラ、キングギドラが登場した[39]ほか、2021年公開の『ゴジラvsコング』では、有名モンスター同士を対決させるモンスター・ヴァースの一環としてキングコングが登場した[40]
映画一覧ゴジラの逆襲(1955年)
国内歴代シリーズ「ゴジラ映画作品の一覧」を参照
日本国外版

括弧内は原題。
『怪獣王ゴジラ(Godzilla, King of the Monsters!
)』(1956年)

『ゴジラ』(1954年)の日本国外版。レイモンド・バーの出演シーンを追加。


『炎の怪獣ジャイガンティス(Gigantis, the Fire Monster)』(1957年)

『ゴジラの逆襲』の日本国外版。『怪獣王ゴジラ』同様アメリカで再編集され公開された。

当初は『ゴジラの逆襲』と主要なストーリーは同様ながら、ゴジラではなく「ジャイガンティス」と名づけられた新怪獣[注釈 4]とアンギラス(海外版では“アンジラ”)が戦う、という形で日本オリジナル版のシナリオに若干の変更を加えた作品が企画されており、変更・追加される特撮シーンをアメリカにて撮影する、という予定であった。しかし、アメリカ人アクターが着ぐるみでの演技に慣れておらず、ゴジラの動きをうまく再現できないことに加え、予算面の問題が発生したなどの諸事情から新撮を断念し、日本オリジナル版を再編集のみ行ったものが上記のタイトルで公開された。

ジャイガンティスについては、『ゴジラの逆襲』で使用されたものではなく新規に製作された着ぐるみまで完成していたが、新撮の断念を経てまったく使用されず、他の作品で使用されることもないまま後に処分され、数枚の写真のみが現存する幻の存在となった。


『ゴジラvsザ・シング(Godzilla vs. the Thing)』(1964年)

『モスラ対ゴジラ』の日本国外版。シリーズ史上唯一、東宝側が日本国外バージョンの特別シーンを制作、追加。


ゴジラ1985(Godzilla 1985)』(1985年)

『ゴジラ』(1984年)の日本国外版。レイモンド・バーらの出演シーンを追加。


GODZILLA』(1998年)

ハリウッドのトライスター・ピクチャーズで制作された新作ゴジラ。ローランド・エメリッヒ監督。同年のゴールデンラズベリー賞最低リメイク賞を受賞。続編のテレビアニメ『ゴジラ ザ・シリーズ』(Godzilla: The Series)が作られた。


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