後に『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』や『ゴジラ×メカゴジラ』を手掛ける手塚昌明は、『さよならジュピター』で助監督を務めていたため橋本から本作品にも誘われていたが、『ビルマの竪琴』へ参加することになったため実現には至らなかった[201]。手塚がゴジラシリーズに参加するのは『ゴジラvsモスラ』からであった[201]。 キャスティングには田中健、沢口靖子、宅麻伸ら若手を中心に[105][注釈 49]、『三大怪獣 地球最大の決戦』以来20年ぶりに夏木陽介が東宝特撮映画に出演し、3人の脇を固める。ゴジラ出現に苦悩する首相には、監督の橋本と親交がある小林桂樹が起用された[47][78]。田中は、ゴジラが主役という認識であったため、後年に指摘されるまで自身が主人公であるという意識は持っていなかったという[75]。沢口は、東宝「シンデレラ」オーディションの初代グランプリであり[14]、以降の作品でも同オーディション出身者が多く起用されている[203]。宅麻は、出演した映画『誘拐報道』(1980年)を観た橋本による推薦であったが、当時の東宝社内に宅麻を知るものはいなかったという[105]。 その他、東宝特撮映画の常連の小泉博や田島義文をはじめ[11][105]、『白い巨塔』や市川崑監督作品の常連である小沢栄太郎、金子信雄、加藤武、佐藤慶、石坂浩二、『ナショナル劇場』の常連である内藤武敏、鈴木瑞穂、織本順吉、御木本伸介、森幹太、山本清、村井国夫、橋本功、潮哲也、江幡高志らが閣僚や学者役などで出演している。 東宝プロデューサーの田中友幸は、林田役にゴジラシリーズにゆかりのある平田昭彦を起用する予定だったが、彼の体調が思わしくなかったために起用を断念した[出典 71]。その後、デスク役に変更されたものの実現には至らなかった[204][78]。平田は前年に復活イベントに参加するなどしていたが、本作品の公開前に死去した[204][11]。夏木の起用は、製作発表の数日後に決定した[71]。夏木は、本来は自身の役ではなかったが、抵抗感はなくいい芝居ができたと述べている[190]。本作品の公開後、夏木は友人でもある俳優の小坂一也が親子で遊びに訪れた際、小学生であった小坂の息子から「本物の林田博士だ」と感激され、ゴジラシリーズの影響の大きさを実感したという[190]。 武上役には当初三橋達也が予定されており、制作発表時の資料などに記載されていた[204]。 ゴジラの復活を記念して、ゴジラファンを公言する多数の有名人がカメオ出演したことでも話題になった[11][105]。本作品以降、ゴジラシリーズでは著名人のカメオ出演が定番となる[175]。 石坂浩二は、井浜原発で最初にゴジラを目撃する男性職員を演じている。当初は出演する予定ではなかったが、当時東宝で撮影していた出演作『おはん』の合間に本作品の衣装合わせを覗きに衣装部屋を訪れるなどしており、監督の橋本に「金(ギャラ)なんかいらない、ワンカットでも出ることに意義があるんだ」と直談判し、端役での出演が決まった[47]。石坂の衣装には、テレビドラマ『怪奇大作戦』(1968年)に登場するSRIのエンブレムと『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(1966年)に登場する赤イ竹の階級章がつけられている[157]。 ニュースキャスター役の森本毅郎は、人気キャスターを出演させたいという橋本の要望により、TBSの協力で出演が実現した[47]。撮影もTBS内で行われ、セットも局側が用意した[195]。 ゴジラに持ち上げられる新幹線の乗客の1人を演じたかまやつひろしは、当時放映されていたテレビドラマ『ビートたけしの学問ノススメ』の釜田先生の衣装とアクションで登場し、他の乗客が悲鳴をあげるなか、唯一微笑んでいる。当時10代だったなべやかんも乗客の1人として出演している[40]。なべは、顔馴染みの宣伝部員から橋本を紹介され出演に至った[40]。 ゴジラから逃げ惑うエキストラとして、鳥山明・さくまあきら・堀井雄二が参加している[175]。しかし、映像内では判別不能とされる[175]。写真ポスターにおける群衆の最前列の中央には、鳥山が写っている[174][175]。 監督の橋本は、助監督として過去のゴジラシリーズにも携わっていたことから従来のパターンには飽きていたといい、本作品では過去のパターンを踏襲しつつも核問題や政治要素などを取り入れている[47]。 本編は、1984年7月9日にクランクイン[205][39]、9月27日にクランクアップした[206][39]。
配役
カメオ出演
演出
Size:586 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef