ゴジラ_(1984年の映画)
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第1作『ゴジラ』(1954年)などと区別する際には、『新ゴジラ(新ゴジ)[33]』『ゴジラ(新)[34]』『ゴジラ(84)[35]』『84ゴジラ[36][37]』などと通称される。
概要

本作品は1975年公開の『メカゴジラの逆襲』以来9年ぶりに製作され[出典 11]、1995年公開の『ゴジラvsデストロイア』まで続く新しいゴジラシリーズのスタート作品ともなった[39]

劇中では、「1954年のゴジラ出現から30年ぶりにゴジラが現れた」という設定であり、俗に昭和ゴジラシリーズと呼ばれるシリーズ第2作から第15作とはストーリーがつながっていない[出典 12]。そのため、本作品以降のゴジラは再び凶暴な人類の敵として描かれている[出典 13]。タイトルが同一であるほか、東京を襲撃するゴジラなど第1作『ゴジラ』を踏襲した部分も多いが[30][40]、リメイク作品ではない[41]

次作『ゴジラvsビオランテ』以降は平成期の作品であるため、本作品は昭和期に公開された最後のゴジラ映画である。昭和の作品だが、後作との世界観の繋がりから平成シリーズとして紹介されることが多い[17]

タイトルは、公開前には『GODZILLA』と発表されていたが、最終的に第1作と同じ『ゴジラ』となった[42][注釈 3]

ビスタサイズ、ドルビーステレオ音響がゴジラ映画としては初めて使用されている。
ストーリー

伊豆諸島の大黒島噴火から3か月後、付近をヨットで航行していた新聞記者の牧吾郎は、噴火によって行方不明となっていた漁船「第五八幡丸」を発見し、船内でミイラ化した乗組員の死体と、体長1メートルほどもある巨大なフナムシに遭遇する[出典 14]。牧に救出された船の唯一の生存者である奥村宏は、遭難の際に怪光を発して噴火する大黒島の中から咆哮(ほうこう)と共に現れた巨大生物を見たと証言する。奥村の恩師である林田信は、巨大生物が大黒島噴火で目覚めたゴジラであることを確信した[43]

謎の巨大生物の特ダネをものにしようとしていた牧はパニックを恐れた日本国政府の報道管制によって出鼻をくじかれるが、代わりに林田との独占的な接触が許された。林田の研究室で手伝いをしていた奥村の妹・尚子に好意を感じた牧は、奥村がすでに救助されていながらゴジラの情報隠蔽のために軟禁されている事実を流すが、病院での兄妹の再会を「取材」してしまったため、尚子の反感を買う[44]

そのころ、日本近海を航行していたソ連海軍の原子力潜水艦が撃沈されるという事件が発生する[44][14]。アメリカは関与を否定したが、ソ連はアメリカの攻撃と断定し、両国軍は臨戦状態に突入する[43][44]。東西関係に緊張が走る中、自衛隊P-3C哨戒機が捉えていたソ連原潜の撃沈された際の海面写真を分析した結果、原潜の撃沈はゴジラの襲撃によることが判明する[44]。このことを受けた日本政府は東西陣営の衝突を防ぐため、ついにゴジラ報道の全面解禁に踏み切る[44]

その直後、静岡県の井浜原子力発電所にゴジラが出現する[出典 14]。ゴジラはヘリコプターで現地へ赴いていた林田の目の前で原発施設を破壊し、原子炉炉心を取り出して放射線をすべて吸収すると、頭上を飛んでいた渡り鳥に吸い寄せられるように海へ去っていく[44][14]。林田は渡り鳥の発する超音波にゴジラの体内の磁性体が反応して帰巣本能を刺激されたと考え、合成した超音波によってゴジラを三原山へ誘導した後に人工的に火山爆発させた火山火口へ落とすという作戦を日本政府に発案する[44][14]

一方、アメリカとソ連は日本政府に対し、ゴジラへの戦術核兵器の使用を強く要請する[44]。特にソ連は原潜撃沈の報復を主張し、アメリカもソ連に同調していたものの、三田村首相は非核三原則の立場からそれをかたくなに拒み続ける[44][14]。首相の尽力で米ソによる対ゴジラ核攻撃の危機は回避されるが、日増しにゴジラ東京上陸の可能性が強まる中、政府も新兵器の首都防衛戦闘機「スーパーX」をはじめとする対ゴジラ兵器や、林田の提案したゴジラ誘導作戦の準備にかかっていた。

やがて自衛隊の厳重な警戒下、ついにゴジラが東京港へ出現する[出典 14]。自衛隊は総力を挙げてゴジラ迎撃に当たるが、航空攻撃も陸上部隊による攻撃も効果がなく、埠頭[注釈 4]に展開していた陸上自衛隊部隊はゴジラの放射熱線によって壊滅、ゴジラの東京上陸を許してしまった[44]。さらにその戦闘の最中、東京湾に停泊していたソ連の貨物船に搭載されていた地上攻撃用核衛星の核ミサイルコントロール装置がゴジラの移動の余波によって誤作動し、核ミサイル発射のカウントダウンが始まっていた[44][14]

30年前の悪夢をたどるかのごとく、ゴジラは街を破壊していく[14]。新宿の研究所でゴジラを誘導する超音波発生装置をようやく完成させ、伊豆大島へ向かおうとした林田らは、ゴジラと自衛隊の戦闘の巻き添えによってビル内に閉じ込められてしまう[44]

そして、ついに出撃してゴジラの放射熱線に耐えたスーパーXは、核反応を抑制するカドミウム弾を使用してゴジラを新宿で昏倒させる[43][44]。林田もこの隙に伊豆大島へたどり着ければと安堵するが、前述の指令機器の誤作動によってカウントダウンの進んでいたソ連の衛星が、ゴジラに向けて核ミサイルを発射してしまう[44]。ソ連から自国の能力では対処不可能との連絡を受けた日本政府は、アメリカに核ミサイルの緊急迎撃を要請する[44][14]

新宿では奥村が自衛隊のヘリコプターで林田らを迎えに来るが、不安定な新宿の高層ビル街の乱気流により、林田と超音波発信装置を引き上げるのがやっとだった[44]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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