ゴジラ_(架空の怪獣)
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そのまま、横浜市川崎市などの神奈川県を縦断し、ふたたび東京都内に侵入する[注釈 12]。第1形態から第3形態にかけては2時間と短期間での進化を遂げていたのに対し、第3形態から第4形態にかけては約4日かけて進化を行っている[38]。変態を繰り返したことで体格と身長は以前の倍近い大きさとなり、体格が大きくなった分、増大した自重を支えられるように足は大きく太く発達し、巨大な下半身は重さに耐え切れず皮膚が垂れ下がった形となり、まだ前傾姿勢だった第3形態から、足が直立に適した骨格に変化したことで完全2足歩行する直立した恐竜然とした姿となった[41]。4本指の足には指の芽や小さな爪のようなものが生えており、踵を上げている[49]。また、尻尾も体高を上回るほど太く長大かつ強靭なものに成長し[49]、その先端の形も何らかの生物の背骨や歯などが埋め込まれたような不気味な形へと変化している[50]。さらにこの長大な尻尾が巨大な体格を支える役割を果たすようになったため、歩行にも覚束なさがなくなっている。体色も黒さが増し、全体的に「ゴジラ」としての容姿へと変化した。足の指は4本[40]。身長や体格が進化前の倍近くにまで成長したのに対し、眼球は成長せずに縮小し、顔の輪郭の肥大化に伴って相対的に小さくなっている。まぶたが存在しない代わりに銀色の金属的な瞬膜のような器官で頭部への危険を察知すると眼球を保護できるようになっており[49]、誘導爆弾の接触時や放射線流(後述)の発射時に使用する[50]。顔付きも第3形態より大きく変わり、顔が肥大化したことに伴い、首も太く発達してやや短くなり、かつて鰓があった部分はさらに縮小した形となる。牙もさらに増えたことで食べ物を噛めるようにはなっていないより乱雑な生え方に変わり、舌もなくなっている[49]。第3形態で生じた腕は以前より発達しているものの、大柄な体格と比較してあまり成長しておらず、常に固定されたように掌が上向きになっている[49]。身体の赤い発光も背びれだけでなく、黒い外皮と心臓部の生体原子炉のエネルギーで、各部が真っ赤に発光する内皮を持つようになる。休眠状態になると、この赤い発光は消える。皮膚は高い柔軟性と耐久力を持ち、多摩川で防衛線を張っていた自衛隊の機関砲ロケット弾対戦車ミサイル120mm滑腔砲誘導爆弾などの直撃を耐えたが[38]、背びれの辺りに米軍のB-2が投下した大型貫通爆弾「地中貫通型爆弾MOP II」の直撃では負傷している。負傷した際の対抗手段として「放射線流」と呼ばれる、体内のエネルギー転用による口腔からの熱線放射能力を発現させる[49][41]。放射の際は、背びれの部分を中心に内部からの赤い光が見える箇所が紫色の光を放ち、口を大きく裂けるように開いて下顎をヘビのように左右真っ二つに展開させ[49]、初期段階では黒煙を吐き出し、眼球が瞬膜に覆われると同時に火炎放射に変化する。この状態でも、東京の街を広範囲に渡って火の海に変えるほどの威力を有し、これの集束率が高くなると紫色の細い熱線状に変化し、ガスバーナーの要領で標的を焼き切る。この熱線の射程は非常に長く、たとえ自身からの距離が遠く離れている標的でも、易々と届かせることが可能で、以降は背鰭の間の赤く光っている箇所からもレーザー状の熱線を複数放射することが可能になる[38][49]。熱線は非常に強力である分、一度発射するとコントロールが効かずエネルギーが底を突くまで発射し続けるため、その後は約360時間の休眠状態に移行して完全に停止する。この際、エネルギー量が少なくなると、レーザービームの状態を維持できなくなり、火炎放射状態に戻る。先の米軍のB-2の攻撃以降は空からの攻撃に備え、たとえ休眠時であっても接近してくる飛行物体を身体からの熱線で自動迎撃できるようになる。米国の統合調査団は、フェーズドアレイレーダーに似た生体レーダー器官を持つと推測された。後に背びれからの無数の発射によって生じるエネルギーの過多な消耗を最小限に抑えるために、尻尾の先端部に発達した口からも熱線を放つ能力を得て[39]、自身の背後や高空などの口からの発射だけでは対処しにくい位置にいる敵への攻撃の命中精度の向上を実現させた。ヤシオリ作戦の際は差し向けられた米軍の無人爆撃機を迎撃し続けた結果、エネルギー量が低下して火炎放射状態に戻り、最終的には一時的に熱線の連続使用が不可能となるが、不完全ではあるものの短時間で再び熱線の発射が出来るようになっており、エネルギー回復の速度は初回の使用時よりも向上している模様。川崎市武蔵小杉駅周辺から多摩川の丸子橋付近にかけての自衛隊による総攻撃も受け付けず東京都に至り、米軍の爆撃に対応して発射した放射線流により港区中央区千代田区を火の海へと変え高濃度の放射性物質を散布して汚染したのち、東京駅にて休眠状態となる。多国籍軍による熱核攻撃を行う決議が出されるが、最終的にヤシオリ作戦によって無人機の攻撃に反応してエネルギーを使い果たしたところに血液凝固剤を飲まされて直立姿勢のまま凍結させられ[38]、本体と同形状の背びれを生やした無数の人型の分裂体を尻尾の先端から生成しかけた状態でその活動を停止する。その後、ゴジラが撒き散らした放射性元素の半減期は約20日と非常に短く、2、3年ほどでほぼ無害化することが判明する。

ファンの間での通称は鎌倉さん[46][47]

身長設定は、公開時点で歴代最大のものであった[40]

第5形態[出典 7]
極低温となって活動を停止した第4形態の尻尾先端より分裂、小型群体化した新形態[52][41]。劇中のラストに登場。背中にはこれまでの形態より引き継がれた同形の背びれと尻尾が生えているが、体格が第4形態と比べ大幅に小型化しているのに加え、背骨を持った人体に近い形状をしている[41]。頭部は眼球に相当する部分が存在せず、鋭い牙を有している。巨災対はゴジラが進化の過程で小型化したり盛んな細胞分裂によって新たな個体が形成されて無限増殖し、人型の群体に複数分化しかけ、飛翔能力を有すると予測し[52]、実際に複数の個体が発生を始めるが、第4形態の時点で完全に分離するまでに凍結させられたため、そのまま活動することなく静止したままとなる。
デザイン(シン・ゴジラ)

イメージデザインは前田真宏が担当。庵野が持っていた「原点回帰」というコンセプトと、庵野が描いた初代ゴジラの首が高く伸びて全体が屹立したスケッチなどを手掛かりにしたという[53]

前田は、ゴジラのキャラクターを最も際立たせているのは放射能を取り込んだ怪獣ということであり、放射能によって急激に遺伝子が壊れ、自分でも予想が付かない姿となり、原水爆にまつわるさまざまなイメージが混じった初代ゴジラは、終戦間もない時代でしか出せないものであると思っていたという。その時代から遠いところへ来て、公害をモチーフにしたヘドラなど、社会性を持ったさまざまな敵と闘ってきたが、その多くはエンタテインメントのようなアプローチでリアリティはなかった。だが、3.11によって、初代の時代に引き戻されたところがあり、それを体現したゴジラにすることとなった[53]

初代ゴジラは爬虫類が変化したもの、という説明があるが、本作品では急激な進化の行きつく先にあるものは何なのかという考え方から恐竜型には寄せておらず、海から上がってきたゴジラが急激に突然変異が起こって、みるみる変化していき、最終的に初代ゴジラのイメージに近くなったフォルムと解釈したという[53]

第1形態は、前田が考案した巨大なオタマジャクシのようなものとなった[53]

第2形態のラブカのような頭部は、陸に上がった両生類の感じであるという[53]

第4形態は、手は細くて筋張った小さなものにしており、せり出した胸骨は鳥類に近いが、鳥とは異なり、筋肉は付いておらず、首の屹立を強調するために、首と胸骨の間に段差を付けている[53]。尻尾はちゃんとした顔ではないがそこだけ毛や歯が生えていたり、あるべきものではない組織ができかかっているものとして、顔のようで顔ではないものが尻尾に付いていることとなった[53]


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