通称はトラゴジ[105]。
制作はタトプロス・デザインズによって行われ、アニマトロニクスのほかに成体の着ぐるみが24分の1サイズで3体作られた[106]。
着ぐるみは硬いフォームラバーとゴム紐の上に薄いフォームラテックスの皮膚をかぶせ、筋肉が皮膚の下で動く感じを出している[106]。逆関節の脚には人が入って歩けるように継ぎ足しを付けている[106]。ゴジラの首の中に俳優の頭があり、日本の着ぐるみと同様に、視界を得るための小さな穴が開けられた[106]。頭部はファイバーグラス製で、電動サーボモータが8つ入っており、目、目蓋、半透明の瞬膜、小鼻、舌の動きを外からコントロールすることが可能となっている[106]。ただし、眉を動かす、口をゆがめるといった人間的な表情は極力排除されている[106]。
アニマトロニクスは油圧式で動き、6分の1サイズで高さ6メートルの上半身のみが作られた[106]。油圧で首、手首、肘、肩などの動きを完全に制御し、コンピューターにその動きを記憶・再現させることも可能[106]。ロサンゼルスにあるヒューズ社の飛行機格納庫に上半身が運び込まれ、撮影時には『トゥルーライズ』でハリアー機を乗せるのに用いられた油圧式の台座に据え付けられた[106]。
上記のほか、巨大な口の内部、巨大な4本の鉤爪、足指の間の部分は、俳優の演技と絡むショットの際に用いられる実物大のものが作られた[106]。
タトプロスは反応の仕方や仕草はワニにインスピレーションを与えられたといい、原典のように物を手で掴んだり投げたりするのは、あまりにも人間的であると思ったため、手の代わりに口や首を使った動きを強調するようなデザインとなった[106]。尻尾も原典では根元から先までほとんど同じ太さであったが、本作品では先の方を極端に細くスリムにして、鞭のように使っても納得がいくようにしている[106]。脚も原典のように2つではなく、3つの関節がある恐竜の脚のようになったのは、ジャンプしたり、ビルに登ったりしそうに見えるからであるという[106]。背ビレも実在の動物では大抵後ろ向きだが、攻撃的に見えるように前向きにしており、形も尖ったものにしている[106]。
ミニチュアの橋や建物を壊しながら進むシーンでは、通常の2倍から10倍以上の高速度で撮影しなければならないが、秒速200コマの撮影では着ぐるみはスローモーションに動いているようにしか見えないため、ゴジラの頭、手、足、尾の形にベニヤ板を切り抜いて緑色に塗装したものを、ミニチュアの爆破に合わせて動かして撮影され、後にCGのゴジラに置き換えられた[107]。
日本での扱い
『ゴジラ2000 ミレニアム』に登場するオルガは、本作品のゴジラがモチーフになっている[108]。
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)
「アメリカにもゴジラに酷似した巨大生物が出現し、『ゴジラ』と名付けられたが、日本の学者は同類とは認めていない」と冒頭の防衛軍の隊員の台詞で言及される[109]。
『ゴジラ FINAL WARS』(2004年)
ジラ (Zilla
怪獣映画を中心とした作品群モンスター・ヴァース(2014年 - 、アメリカ)に登場。同一個体が継続して登場している。
『GODZILLA ゴジラ』(2014年)