名前の「ゴジラ」とは、力強い「ゴリラ」と体の大きな「クジラ」を混合した造語である[出典 1]。企画時には「ゴジラー」と伸ばす案も存在した[10]。
英語名の「GODZILLA」は海外輸出の際に命名されたもので、大戸島(架空の島)の伝承に由来するという第1作の設定から、単なるローマ字表記ではなく「GOD(神)」を冠している[11]。 第1作の脚本にもとづき、「水棲爬虫類から陸上哺乳類に進化途中の巨大生物」と設定された。脚本内での描写は、「丸ビルくらいの大きさ」「アフリカ象のような大きな耳」「全身に鋼鉄のようなウロコ」「体をうねらせて這い出る」「全身から光を放って周囲を燃やす」というものであった[12][9]。 当初、頭部デザインは挿絵漫画家の阿部和助
デザイン
表皮の質感には「魚のうろこ状」「いぼのような半球状の突起物」などの試行錯誤のすえ、ワニをモチーフにしたうえで火傷によるケロイドをイメージさせる、「畝のあるごつごつ状」が採用された[出典 3]。「背びれ」は粘土原型の時点で、水爆によって骨化したイメージになっている。また、劇中に「服部時計店(銀座和光ビル)にある時計塔の鐘の音に怒り、破壊する」という描写があるため、本来の爬虫類にはない耳介がつけられた[26][27]。
『ゴジラ2000 ミレニアム』などでデザインを手掛けた西川伸司は、ウロコにも岩にも見える皮膚の表現がゴジラのデザインにおける最大の発明であると評しており、これによって生物か無生物かを曖昧にするとともに既存の生物と似ていない唯一無二の存在としていると述べている[28]。 体色はデザインの変遷やスーツの改修により、登場作品ごとに微妙に異なる。一方、アメリカでは緑色と認知されている[29]。 血色は基本赤色で統一している。 1954年公開の第1作『ゴジラ』では、作中に登場する古生物学者の山根恭平博士が「ジュラ紀から白亜紀にかけて生息していた海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物[注釈 6]の末裔が、ビキニ環礁の水素爆弾実験で安住の土地を追われ、出現したのではないのか」と説明する[30]。しかし、以後の作品の多くでは「ビキニ環礁の水爆実験で飛散した放射能を浴びて変貌した」と説明される。また、「平成ゴジラシリーズ」ではゴジラの元となった恐竜ゴジラザウルスが登場する(詳細は後述)。 「ゴジラ」の名は、物語上では大戸島の伝説の海神「呉爾羅」[注釈 7]に由来する。身長は50メートル。この設定は、1975年公開の第15作『メカゴジラの逆襲』まで用いられた。 1984年公開の第16作『ゴジラ』は第1作の直接的な続編として製作されたが、第1作当時と違って都会に高層ビルが多く建ったことを考慮し、ゴジラの身長は80メートルに変更された[32]。1991年公開の第18作『ゴジラvsキングギドラ』では、「南方の孤島・ラゴス島に生息し続けていた恐竜ゴジラザウルスが、ビキニ環礁の水爆実験で飛散した放射能を浴びて変貌した」と設定され、同作後半にてこの事実が明らかになったあと、実験当時のラゴス島に生息していたゴジラザウルスは未来人によってベーリング海へ移送され、ここまで語られたゴジラの存在自体が抹消される。その後、ベーリング海にて眠っていたゴジラザウルスは、放射性廃棄物や原子力潜水艦の核エネルギーを浴びて最強・最大である身長100メートルのゴジラに変貌する。以降は平成vsシリーズ最終作である1995年公開の第22作『ゴジラvsデストロイア』まで、そのゴジラが出現する[33]。 1999年公開の第23作『ゴジラ2000 ミレニアム』から2004年公開の第28作『ゴジラ FINAL WARS』までの新世紀シリーズでは第1作を踏襲しつつも、3式機龍が登場する第26作『ゴジラ×メカゴジラ』と第27作『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』が2部作となっていること以外、各作品が独立した設定となっている[34][33]。ただし、1954年の第1作でゴジラが日本に上陸した設定は踏襲され、作中で日本国民にゴジラの存在が認知されていたという事実は共通している[33]。『ゴジラ2000 ミレニアム』、第25作『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』、機龍二部作では第1作の初代ゴジラのあとに現れた別個体だが、第24作『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』では第1作の初代ゴジラが倒されずに生き延びたという設定である。
カラーリング
出自などの変遷