ゴジラの逆襲
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前作『ゴジラ』のヒットを受けて制作されたシリーズ第2作[出典 9]2代目ゴジラに加え、新怪獣アンギラスも登場する[出典 10]。ゴジラが別の怪獣と戦う最初の東宝特撮映画であり[出典 11]、「怪獣同士の対決」という日本の怪獣映画の流れを決定付けた作品である[出典 12][注釈 2]。一方、対決が物語中盤で決着してしまうなど、初作品ゆえの試行錯誤もみられる[23]

ストーリーは前作に比べて反核の要素が薄くなっており、ゴジラに立ち向かう人々や廃墟から立ち上がる人々の姿を描いている[出典 13][注釈 3]。結末も、科学技術でゴジラを倒した前作に対し、本作品では大自然の驚異によるものとなっている[7]

東宝チャンピオンまつりで再上映された作品を除き、歴代シリーズで本作品のみ、完全な形での予告編が現存していない[注釈 4]
ストーリー

海洋漁業KKの魚群探査機パイロットの月岡正一は、岩戸島に不時着した同僚の小林弘治の救助に向かうため、島へ着陸する。月岡と小林の頭上の断崖では第2のゴジラと未知の巨大怪獣が激しく戦っており、まもなく2体は戦いながら海に落ち、それを目撃した月岡たちは辛くも脱出する。

数日後、大阪市警視庁本部では古生物学者の山根恭平博士と、同僚の田所博士を招いての緊急会議が開かれる。月岡と小林の証言により、ゴジラと戦っていた怪獣は、ゴジラと同時代に生息した凶暴な肉食恐竜のアンキロサウルス、通称アンギラスであることが判明する。両者は水爆実験の影響で現代に蘇ったのだ。早速、このゴジラの東京襲撃を知る山根博士に対策案が求められるが、山根は「ゴジラを防ぐ方法は残念ながら、一つもありません」と答えるのみだった。ゴジラの猛威を伝える記録フィルムが上映され[注釈 5]、改めて関係者たちは息をのむ。山根はゴジラを葬り去った唯一の手段であるオキシジェン・デストロイヤーが開発者の芹沢大助の死によって封印された以上、水爆実験の記憶から光を憎悪して向かって行くゴジラの性質に基づき、徹底した灯火管制を敷いて可能な限り市街地から遠ざけるのが最良だと提言する。

ジェット戦闘機隊のレーダー探査により、紀伊水道のはるか南方[注釈 6]に潜むゴジラの姿が捉えられる。海上防衛隊のフリゲート艦が追撃に向かい、田所博士はゴジラが紀州および紀伊水道沿岸に上陸すると予想する。その海域は海洋漁業KKにとって最重要漁区であり、社長以下一同は心配するもゴジラが進路を変えたことから、大阪市は安堵に包まれる。月岡は婚約者である社長令嬢の秀美とダンスホールでつかの間の逢瀬を楽しむが、そこにゴジラが大阪湾内へ転進したという緊急警報が流れ、ダンスホールはパニックとなる。月岡と秀美は新大阪駅付近の社長宅へ避難するが、そこにはすでに小林が駆け付けていた。社長は工場へ行ったと聞かされた秀美を残し、月岡と小林は工場へ向かう。

ゴジラ襲来を受け、大阪市は厳重な灯火管制が敷かれる。その夜、大阪水上警察署を拠点に防衛隊が集結し、港区沿岸には特車部隊が砲門を揃える。その眼前の海面から現れたゴジラは、飛来したジェット戦闘機隊が投下した照明弾により、外海へ誘導されていく。しかし同じころ、護送車で移送中だった囚人たちが脱走したうえ、そのうち3人は近くにあったタンクローリーに乗って逃走し、警官や月岡らの追跡を受ける。その結果、タンクローリーはガソリン貯蔵所に迷い込み、石油タンクに突っ込んで大爆発を起こしてしまう。たちまち発生した大火災の光により、ゴジラは此花区へ上陸する。その後を追うように上陸したアンギラスとの激戦により、海洋漁業KKの本社工場は壊滅する。激戦を繰り広げた末、ゴジラは大阪城の付近でついにアンギラスを下すと、その遺骸を白熱光で大阪市街ごと焼き払い、大阪湾へ姿を消す。

海洋漁業KKは支社のある北海道を拠点とした活動を余儀なくされるが、小林は北海道で地元の女性と恋に落ち、「花婿」の愛称で親しまれる。業務は順調であり、月岡と秀美の北海道訪問を受けた宴会が料亭で開かれる。月岡はこの料亭で、戦時中に同じ旧日本海軍の飛行機隊にいた旧友の田島・池田両航空防衛隊員と再会する。しかし、一同のもとにゴジラが海洋漁業KKの漁船を撃沈したとの報が飛び込んでくる。

月岡は田島たちとともにゴジラの捜索に向かい、神子島に向かって泳ぐゴジラを発見する。これを受け、小林は燃料が尽きかけていた月岡に代わりを申し出て飛行機で飛び立つ。事務所に恋人の写真を残していた小林はゴジラの足止めを務めるが、攻撃隊の到着後に海へ逃れるゴジラを遮ろうとしたところで白熱光を浴びせられ、飛行機ごと島の雪山に激突して犠牲となる。これがきっかけで発生した雪崩を見た月岡たちは、小林が命と引き換えに残したヒントと捉え、爆撃で雪崩を起こしてゴジラを雪中に生き埋めにする作戦を考案する。そして、月岡も含めた戦闘機隊によって決行された作戦は成功し、ゴジラは生き埋めとなる。小林の無念を晴らした月岡は、感無量の思いで「小林、とうとうゴジラをやっつけたぞ」と呟くのだった。
登場人物
月岡 正一(つきおか しょういち)
[39]
本作品の主人公。海洋漁業KKパイロット[出典 14]。27歳[出典 15]。秀美とは婚約関係にある[40][39]。戦時中は海軍飛行隊のパイロットを務めていた[出典 14]。岩戸島でゴジラとアンギラスを目撃したことから事件に巻き込まれる[40][39]。大阪壊滅後は北海道支社に転勤するが、オホーツク海で再びゴジラを目撃する[39]。墜落した小林機の状況から雪崩作戦を立案し、自らも飛行部隊に参加する[出典 14]

演じた小泉博は、怪獣映画ではあってもファンタジックな芝居ではないため、普通に演じることができたと述懐している[43]

山路 秀美(やまじ ひでみ)[44]
海洋漁業KK無線係[45][44]。同社社長山路耕平の娘である[出典 16]。20歳[出典 17]。婚約者の月岡とは無線で私信も行っている[41]。父親のことは「パパ」と呼んでいる。
小林 弘治(こばやし こうじ)[46]
海洋漁業KKパイロット[出典 18]。26歳[出典 19]。陽気な人物[47][41]。同僚の月岡とともに岩戸島でゴジラとアンギラスを目撃する[47][46]。大阪壊滅後に転勤した北海道支社では、花嫁探しを宣言したことから「花婿さん」というあだ名を付けられる[46][41]。オホーツク海で再びゴジラに遭遇し、自機に熱線を浴びせられた結果、神子島の山腹に激突して死亡する[47][46]。しかし、このとき生じた雪崩をヒントに、雪崩作戦が立案されることとなる[47][46]
山根 恭平(やまね きょうへい)[48]
前作より引き続き登場[7][21]。古生物学者。ゴジラ対策のために大阪へ招かれるが、照明弾による誘導を提案するに留まった[出典 20]
田所博士(たどころはかせ)[50]
動物学者[出典 21]


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