コーンウォール半島はイングランド本土からケルト海へ南西に伸びており、北側はブリストル海峡、南側はイギリス海峡に挟まれている。イングランド本土とつながる半島の東側には、カントック丘陵(英語版)[5]とブラックダウン丘陵(英語版)[5]と呼ばれる高地がある[注 1][5]。
半島の中央部の高地はダートムーアと呼ばれ、高い地域では標高2000フィート(約600メートル)に達する[8]。その東側をエクセ川(英語版)[9][注 2]が北から南へ流れている。エクセ川はサウス・ウェスト・イングランド(南西イングランド)を地質的に東西に分ける境界となっている[11]。エクセ川流域の低地(デヴォン平野[10])にはデヴォン州の行政の中心都市エクセター(人口約12万)がある。
ダートムーアの西側を北から南へ流れるテイマー川(英語版)[10]は、デヴォン州とコーンウォール州の境になっている。河口部の港湾都市プリマス(デヴォン州、人口約25万)はコーンウォール半島最大の都市で、アルマダの海戦でスペイン艦隊を撃破したイングランド艦隊やアメリカへ移住したメイフラワー号の出発地として知られている[2]。
半島の先端部は南北に分かれており、南側のリザード岬(英語版)はイングランド本土の最南端、北側のランズエンド岬はイングランド本土の最西端[注 3]となっている。両岬に挟まれた入江はマウント湾(英語版)[12]と呼ばれる。湾に浮かぶセント・マイケルズ・マウント(聖ミカエル島)は引潮時のみ本土とつながることから「イギリス版モン・サン=ミシェル」と呼ばれる観光地になっている[13]。 コーンウォール半島は、大西洋から来る西寄りの強い風によって引き起こされた波浪により海岸が激しく浸食されており、沿岸の大部分はリアス式海岸になっている[14]。このため海岸線が1200キロメートル[15]と長く、陸地面積に対する海岸の比率はイングランドで最大となっている[5]。 海岸線が複雑に入り組み、険しい断崖と断崖の間の入江には浸食で生じた砂礫が堆積して砂浜ができて、天然の良港として利用されてきた[14]。プリマスやファルマスなどの港町がその好例である[14]。また、こうした複雑な海岸線は、歴史的に陸上交通路の発展を阻害し、この地方がイングランドの他の地域から孤立する要因にもなってきた[5]。川の最下流に位置する橋が河口からかなり内陸に入り込んだ場所に架けられている場合も目立ち、エクセターやトゥルーロなどはその橋の周りに町が形成されたものである[14]。近現代になってこうした河口部の入江に橋が建設されるようになっており、国道A38号 (A38 road
リアス式海岸
また、強い浸食作用の帰結として古生代(5億-2.5億年前)に遡る古い岩盤が露出しており、リザード岬はイギリス諸島で最古の岩である蛇紋岩の発見地としてよく知られている[5][16]。ダートムーアなど半島内の高地も、こうした浸食を耐えた火成岩から形成されており、一帯は花崗岩石材の供給地となってきた[5]。
海岸線が入り組んでいることから、デヴォン平野の一部を除いて全ての地域が海岸線から20マイル(約32キロメートル)以内の範囲にあり、この地方の気候や産業に大きな影響を及ぼしている[5]。