コーンウォール
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その東側をエクセ川(英語版)[9][注 2]が北から南へ流れている。エクセ川はサウス・ウェスト・イングランド(南西イングランド)を地質的に東西に分ける境界となっている[11]。エクセ川流域の低地(デヴォン平野[10])にはデヴォン州の行政の中心都市エクセター(人口約12万)がある。

ダートムーアの西側を北から南へ流れるテイマー川(英語版)[10]は、デヴォン州とコーンウォール州の境になっている。河口部の港湾都市プリマス(デヴォン州、人口約25万)はコーンウォール半島最大の都市で、アルマダの海戦でスペイン艦隊を撃破したイングランド艦隊やアメリカへ移住したメイフラワー号の出発地として知られている[2]

半島の先端部は南北に分かれており、南側のリザード岬(英語版)はイングランド本土の最南端、北側のランズエンド岬はイングランド本土の最西端[注 3]となっている。両岬に挟まれた入江はマウント湾(英語版)[12]と呼ばれる。湾に浮かぶセント・マイケルズ・マウント(聖ミカエル島)は引潮時のみ本土とつながることから「イギリス版モン・サン=ミシェル」と呼ばれる観光地になっている[13]
リアス式海岸

コーンウォール半島は、大西洋から来る西寄りの強い風によって引き起こされた波浪により海岸が激しく浸食されており、沿岸の大部分はリアス式海岸になっている[14]。このため海岸線が1200キロメートル[15]と長く、陸地面積に対する海岸の比率はイングランドで最大となっている[5]

海岸線が複雑に入り組み、険しい断崖と断崖の間の入江には浸食で生じた砂礫が堆積して砂浜ができて、天然の良港として利用されてきた[14]プリマスファルマスなどの港町がその好例である[14]。また、こうした複雑な海岸線は、歴史的に陸上交通路の発展を阻害し、この地方がイングランドの他の地域から孤立する要因にもなってきた[5]。川の最下流に位置する橋が河口からかなり内陸に入り込んだ場所に架けられている場合も目立ち、エクセタートゥルーロなどはその橋の周りに町が形成されたものである[14]。近現代になってこうした河口部の入江に橋が建設されるようになっており、国道A38号 (A38 road) に設けられた Tamar Bridge がその代表例である[14]

また、強い浸食作用の帰結として古生代(5億-2.5億年前)に遡る古い岩盤が露出しており、リザード岬はイギリス諸島で最古の岩である蛇紋岩の発見地としてよく知られている[5][16]。ダートムーアなど半島内の高地も、こうした浸食を耐えた火成岩から形成されており、一帯は花崗岩石材の供給地となってきた[5]

海岸線が入り組んでいることから、デヴォン平野の一部を除いて全ての地域が海岸線から20マイル(約32キロメートル)以内の範囲にあり、この地方の気候や産業に大きな影響を及ぼしている[5]
ダートムーア

この節の加筆が望まれています。

ダートムーアとは原野や湿地からなる台地。面積945平方キロメートル、平均標高約520メートルで、最高点はトーと呼ばれる残丘の一つであるハイ・ウィルヘーズ峰。青銅器時代の遺跡が多く、中世には王室林やスズ産地として重要であったが、現在は樹木のない荒涼たる景観を示し、羊・小馬の放牧や花崗岩・陶土の採掘が行われる。また中央のプリンスタウンには1806年建設の刑務所があって、ナポレオン戦争時のフランス人捕虜などを収容した。
コーンウォール州の地形
沿岸部

北海岸と南海岸は異なる特徴を持っている。北海岸は大西洋の一部であるケルト海に面しており、厳しい自然にさらされている。一方、「コーニッシュ・リビエラ」とも呼ばれる南海岸は護られており、ファルマスやフォイ(英語版)のような安全な停泊地を提供する広い河口が存在する。
内陸部

コーンウォール州の内陸部を構成するのは、不毛で吹きさらしの高地からなる東西の尾根で、ボドミンムーア(英語版)のような一連の花崗岩の貫入を伴う。ボドミンムーアはコーンウォールで最も標高の高い土地である。ボドミンムーア、St Austell の北の Hensbarrow、Camborne の南の Carnmenellis、Penwith あるいはランズエンド半島、とおおよそ東から西に向かって標高が下がってゆく。これらの貫入は南西ブリテンの Cornubian バソリスの露出部分を成す花崗岩の露頭群の中央部にあたる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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