コールサイン
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宇宙船のためのコールサインで唯一国際的に関連性を持たせているのは、多くの国が、国際宇宙ステーション(ISS)に設置されるアマチュア無線局に「ISS」のサフィックスのコールサインを発行していることである。ISSに最初に割り当てられたアマチュア無線局のコールサインは米国のNA1SSだった。その後、OR4ISS(ベルギー)、DP0̸ISS(ドイツ)、RS0̸ISS(ロシア)が割り当てられた。
軍用詳細は「en:Military call signs」を参照

戦時中、敵方の通信を監視することは、貴重な情報の入手手段である。一貫したコールサインを使用していると敵方の情報入手を容易にしてしまうので、戦時では軍事部隊は戦術的コールサインを使用し、それを定期的に変更する。平時には、いくつかの軍事基地は、国際的な割り当てに従った固定のコールサインを使用する。

米陸軍は、米軍司令部のWARのように「W」で始まる固定のコールサインを使用する。米空軍の基地の固定コールサインは、USAF本部のAIRのように「A」で始まる。米海軍、海兵隊、沿岸警備隊は、戦術的コールサインと「N」で始まる国際コールサインを合わせて使用する。

英国の軍隊では、戦術的な音声通信は、アルファベット1字の後に数字2字の形式のコールサインを使用している。 標準的な歩兵大隊では、これらの文字はそれぞれ大隊、小隊、分隊を表しており、例えばF13はF大隊第1小隊第3分隊を意味する。さらにもう1文字加えて、分隊内の特定の個人または班を表す。例えばF13CはF大隊第1小隊第3分隊のC班となる。
コールサインを必要としない無線局

10kHz未満の周波数は国際規制の対象外であるため、長距離航行システム(デッカアルファオメガ)の送信機など10kHz未満の周波数の送信機にはコールサインは発行されない。いくつかの国では、合法的な免許不要の低出力無線機(市民バンドISMバンドなど)が許可されているが、免許がないためコールサインも発行されない。また、Wi-Fiを使用しているルータやモバイルデバイス、コンピュータもまた、免許がないためコールサインがない。市民バンドなどでは、個人の識別のために「ハンドル」と呼ばれる擬似的なコールサインを名乗ることがマナーとされている。一部のワイヤレスネットワークプロトコルでは、SSIDMACアドレスを識別子として設定することもできるが、これが一意であるという保証はない。

国際規制では、放送局のコールサインは不要になった。しかし、米国などの多くの国では社名ではなくコールサインを放送局の識別に使用しているため、依然としてコールサインが必要とされている。

携帯電話サービスでは、電話機とその利用者には免許が交付されていないためコールサインは使用しない。その代わりに、携帯電話事業者が免許を一括で保持している。しかし、米国は依然として携帯電話の周波数ごとの免許にコールサインを割り当てている。
コールブックDepartment of Commerce callbook, 1919

無線局のコールサインの一覧表をコールブックという。コールブックは、元々は電話帳に似た形式で、特定の管轄区域(国)から免許された無線局の名前と住所が記載されていた。モダン・エレクトリック社は、1909年に米国で最初のコールブックを出版した[5]

今日、コールブックの第1の目的は、アマチュア無線家が通信した相手にQSLカードと呼ばれる交信確認書を送ることことである。コールブックは、インターネットを介してアクセス可能なオンラインデータベースに進化し、他のアマチュア無線家またはそのQSLマネージャの住所を即座に取得する。最もよく知られ、使用されているオンラインQSLデータベースには、QRZ.COM[6]、IK3QAR[7]、HamCall[8]、F6CYV[9]、DXInfo[10]、OZ7C[11]、QSLInfo[12]などがある。
関連項目

識別信号

日本の呼出符号

フォネティックコード

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 1934年(昭和9年)発足。それまでは1908年(明治41年)発足の「国際無線電信連合」だった。
^ 従前は「無線通信主管庁会議」(ARC)、「世界無線通信主管庁会議」(WARC)。
^ 1943年(昭和18年)9月8日に休戦。同10月13日に対ドイツ宣戦布告。1945年(昭和20年)7月14日に対日本宣戦布告。

出典^ “Radio Call Letters” (英語). U.S. Department of Commerece, Bureau of Navigation (1913年5月9日). 2021年10月4日閲覧。
^ “Table of International Call Sign Series (Appendix 42 to the RR)” (英語). ITU. 2021年10月4日閲覧。
^ “GB90MGY - A Special event station to honour the memory of Jack Phillips” (英語). Titanic Wireless Commemorative Group, Godalming, Surrey. 2008年9月8日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2008年9月8日閲覧。
^ “エアバンドを聞いてみよう - 航空管制官”. 航空:航空管制官 公式. 国土交通省. 2020年10月11日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2020年10月11日閲覧。
^ Gernsback, H (1909-5) (英語) (PDF). First Annual Official Wireless Blue Book of the Wireless Association of America. New York: Modern Electrics Publication. オリジナルの2018-12-11時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20181211130628/https://www.seas.upenn.edu/~uparc/documents/First%20Annual%20Official%20Wireless%20Blue%20Book%20-%201909.pdf 2018年8月14日閲覧。 
^ “Callsign Database” (英語). QRZ.COM. 2021年10月4日閲覧。
^ “Qsl Manager - Qsl Info on-line”. 2021年10月4日閲覧。
^ “ ⇒World Wide HamCall Callsign Server”. 2021年10月4日閲覧。
^ “QSL INFORMATION by F6CYV” (英語). 2019年6月29日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2010年11月24日閲覧。
^ “DXInfo, your DX web resource”. 2010年11月11日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2010年11月24日閲覧。
^ “ ⇒QSL Search machine by OZ7C” (英語). 2021年10月4日閲覧。
^ “ ⇒QSLInfo” (英語). 2021年10月4日閲覧。

参考文献

“Chapter 4, Section 2. Radio Communications Phraseology and Techniques
” (英語). Aeronautical Information Manual, Official Guide to Basic Flight Information and ATC Procedures. United States Federal Aviation Administration (2004年). 2006年12月14日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2006年12月14日閲覧。

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