コードレス電話
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連続送信できる同時通話形の無線電話用特定小電力無線局の出力は1mWなので、より安定した通信が期待できる。
微弱電力コードレス電話

微弱無線局の一種で出力は電波法令に定める微弱電力の範囲内、周波数は機種ごとに異なり技術基準適合証明も要さない[24]

小電力コードレス電話に比べ、通話可能な親機と子機との距離が短く音質が悪い。自由化初期に低価格製品として販売されたが、微弱電波のために通信が不安定で、1990年代の小電力コードレス電話の価格低下に伴い製造されなくなった。
デジタルコードレス電話
第二世代デジタルコードレス電話「PHS」も参照

公衆サービスのPHS(公衆PHS)と、同方式で1.9GHz帯を共用する。自営PHSとも呼ばれる。この方式にも総務大臣からIDが指定される。

PHS端末を親機に登録すれば子機として用いることができる。PHS自営モードを用いた医療機関、工場等の構内PHSシステムとしての使用が主たる用途となっている。

高度化PHSも1.9GHz帯[25]を使用するが、コードレス電話としての製品は確認されていない[26]。なお、電気通信事業としてのPHSは一部を除き2021年2021年1月31日にサービス終了した[注釈 1][27][28]が、自営PHSとしての使用は電気通信事業にあたらないため、事業終了後も利用可能である[注釈 2][注釈 3]

DECTによるレトロニムとして、(2G相当の)自営PHSを「狭帯域デジタルコードレス電話」と呼ぶ場合もある[29]
子機間通話
第二世代コードレス電話は同じ親機に登録された子機同士であれば、親機を介さずトランシーバーとして交互通信できるよう設計されている[30]。また、親機を介せば同時通信できる機種もある。
2.4GHz帯デジタルコードレス電話

FHSS-WDCT (Frequency Hopping Spread Spectrum - Worldwide Digital Cordless Telephone) に準拠する。PHSと互換性はない。デジタル方式であることと周波数ホッピングであることにより、傍受されにくい(市販の受信機では傍受困難)。

電波法令上は、小電力データ通信システムの無線局として無線LAN (Wi-Fi) などと同等の扱いである。

種々の機器と共用している周波数であり、混信等の妨害は不可避であるのでその旨の表示がされている。ISMバンドを用いる高周波利用設備からは、有害な混信を容認しなければならない[31]とされ、特に電子レンジの動作中には大きな妨害を受ける。

また、免許・登録を受けて運用する無線局から、有害な混信等も容認しなければならず、逆に無線局から使用中止を要求されたら、それに従わねばならない。更に、同等の機器に対しては、先に使用しているものが優先するが、実際には混信等を完全に回避できるものではない。「ISMバンド」も参照
デジタルコードレス電話の新方式

日本国内において、前述の自営PHS用の帯域(1.9GHz帯)で高速データ通信を可能にする新方式として、前述の「DECT」と、XGP (eXtended Global Platform) の流れをくむ『sPHS方式』の2方式が規格として検討された[32]。2者のうち実用化されたのは(日本型)DECTで、sPHSはされなかった。

sPHS方式に代わり、TD-LTE基盤として公衆用端末とも互換性の高い、sXGP (shared XGP) 方式が2016年から検討されている(「LTE方式のデジタルコードレス電話に係る技術的条件」)[33]

DECT

ETSIが策定したデジタルコードレス電話規格。PHS、2.4GHz帯FHSS-WDCTのいずれとも互換性はない。ただし、日本国内では、公衆・自営PHS共用帯域(第2世代デジタルコードレス)[34]と帯域を共用する。さらに、これら既存PHSと協調動作ができる仕様の機器に限り認可されている。3G相当である事から日本向けDECTを「広帯域デジタルコードレス電話」と呼ぶ事もある[29]


sPHS

XGP (eXtended Global Platform) をベースに自営用PHS端末の代替向けに開発が検討されたが、規格考案および帯域割当てだけに止まり、実用化されなかった。次のVoLTE/sXGPに取って代わられた。


VoLTE/sXGP

日本国内において、DECT方式デジタルコードレス電話と同じ帯域を共用する。方式はTD-LTE (Band39) と同様であり、日本向けに周波数帯域幅の限定、既存機器との協調動作(キャリアセンス)、および構内コードレス向けの出力抑制仕様となる[33]。さらに公衆用TD-LTE端末(所謂一般的スマートフォン等)とシームレスな共用を意図している[29]


表示

#歴史に述べたとおり、コードレス電話には技術基準適合証明と技術基準適合認定の両者の認証を要する。表示を要する事項とコードレス電話に関する内容は、次のとおりである。

2014年(平成26年)10月1日[35]現在

技術基準適合証明と技術基準適合認定に係る表示種類記号、種別備考
技適マークCの内部に稲妻と直径3mm以上
技術基準適合証明小電力L技術基準適合証明番号は4字目または4-5字目

工事設計認証番号には種別表示は無い
(4字目はハイフン(-))
自己確認番号は7字目または7-8字目
デジタルIZ
デジタル (DECT)AT
デジタル (sPHS)BT
2.4GHz帯WW
技術基準適合認定電話用設備A技術基準適合認定番号または設計認証番号は1字目

自己確認番号は7字目
太字が改正事項

従前のものは認証の時期によりマークや番号の表記が異なるものがあり、
1998年(平成10年)まではIDに関する表示も要した[12]

出荷台数

種類平成14年度平成15年度平成16年度出典
小電力コードレス電話(子機)4,500,9074,325,0104,021,102第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)
[36]
小電力コードレス電話(親機)4,259,1554,262,4963,957,069
種類平成17年度平成18年度平成19年度出典
小電力コードレス電話(子機)4,117,2382,334,922609,245第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[37]
小電力コードレス電話(親機)3,433,8401,942,712492,086
種類平成20年度平成21年度平成22年度出典
小電力コードレス電話(子機)33,67136,82236,613第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[38]
小電力コードレス電話(親機)40,38640,10937,429
種類平成23年度平成24年度平成25年度出典
小電力コードレス電話(子機)25,93126,77323,869第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[39]
小電力コードレス電話(親機)26,73227,56926,731
種類平成26年度平成27年度平成28年度出典
小電力コードレス電話(子機)19,24913,0923,361第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[40]
小電力コードレス電話(親機)19,28313,1533,374
種類平成13年度平成14年度平成15年度出典
デジタルコードレス電話909,546959,745626,778第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[41]
種類平成16年度平成17年度平成18年度出典
デジタルコードレス電話295,451349,213296,586第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[42]
種類平成19年度平成20年度平成21年度出典
デジタルコードレス電話190,867195,119518,795第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[43]
種類平成22年度平成23年度平成24年度出典
デジタルコードレス電話190,867195,119518,795第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[44]
デジタルコードレス電話 (広帯域TDMA)434,621462,732328,157
種類平成25年度平成26年度平成27年度出典
デジタルコードレス電話303,395476,809609,280第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[45]
デジタルコードレス電話 (広帯域TDMA)3,656,7114,714,8665,258,293
注1 2.4GHz帯は小電力データ通信システムに集計され、上記には集計されない。

注2 デジタルコードレス電話 (広帯域TDMA)には、J-DECTの機器(トランシーバー、ラジオマイク等)を含む。

旧技術基準による機器の使用期限


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