コーカソイド
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Felix von Luschan による肌の色のカラーチャート各地域における先住民の肌色(フェリックス・ルスチャン)金髪碧眼のコーカソイドの女性

モンゴロイドネグロイドにも言えるが、コーカソイドもまた非常に広い範囲に分布しているため、人種的特徴は一概に言えない。


は二重の割合が98%である。その為平均的にモンゴロイドよりも顔の中で目の占める面積が大きい(目が大きい)[4]

虹彩の色が多種多様で最も暗い茶色から最も明るい青色まで幅広く存在する。



鼻が顔の中央にあり縦方向に大きいが横方向には狭い。このため、モンゴロイドと比べ平均的に正面から見た時に顔を占める鼻の面積が狭くなる(鼻幅が狭い)
[5]

おでこ(眉間上部)より立体的に鼻が垂れ下がっている者が存在する。そのため目元がくぼんで見える。

頭部

個体差が大きい。

正面から見た時の大きさは小さい(いわゆる小顔)
[5]

前額部が突出している。

類人猿にみられる眼窩上隆起の名残である眉上弓は盛り上がっており目に影がかかって窪んでいるように見える、いわゆる「彫りが深い」。

頭髪の色が多種多様。メラニン色素形成は年齢によって変わるが、最も明るい金髪や赤毛から暗い黒髪まで存在する。また髪と虹彩の明るさは必ずしも関連しない[6]

毛髪は丸くて細い。そのためウェーブ(天然パーマ・クセ毛)が多く、他人種と比べ白人男性は禿げやすい。

皮膚

体毛が多いといった、ホモ・サピエンスの原型であるネグロイドよりかけ離れた遺伝的特徴を持つ。

肌の色は「白人」の名称の由来の一つではあるが、薄褐色?褐色の個体が最多数派を形成する。

もともと人類の皮膚色は濃かったのにもかかわらず(熱帯で産まれた人類は毛皮のかわりに紫外線から身体を保護するためにメラニン色素を沈着した)、白人がなぜ薄い皮膚色をしているのかについては諸説あるが、分子人類学者の尾本恵一の説によれば、コーカソイドの祖先集団は約一万五千年前の後氷期にインドから北西へ向かったが、当時の気候は氷河の溶ける水分蒸発により曇り空が多く、太陽光線は弱かった。そのため過剰な紫外線から体を保護するメラニン色素の厚い層は不要になった。一方、紫外線を浴びることが少ないと人類はビタミンDの不足に陥るため、紫外線の少ない環境下では、メラニン色素の産出にあずかる遺伝子の突然変異によって皮膚色が薄くなった個体・集団が有利となった。図にもあるようにヨーロッパにおける淡色頭髪の出現頻度が最も高い地域はスウェーデンフィンランドなどの北欧地域である[7]


アポクリン腺が多く、体臭が強い。

体格

肩の位置が胸より後ろにあるために、大胸筋が前方へ突出しているように見える。

体格は個体差が大きい。

これも地域によって差があるが、概ねモンゴロイド系に属する諸民族の平均身長よりも高く、世界の平均身長上位30位は全て欧米で埋まっている
[8]。しかし、中世東欧人の平均身長は150cm程度と低い、北部がコーカソイドであるインドの平均身長は低く、欧米の豊かな栄養状態など後天的な要素が大きいともいわれる(ただ、北インドの中部・南部の住民は小柄だが、これらの地域のインド人はドラヴィダ人などと混血している。インド半島中南部のドラヴィダ系が多く住む地域から遠く、他の人種・民族との混血の度合いが低いインド・パキスタン北部のパンジャブ人などは比較的長身である)。

分布の歴史

アフリカ大陸で誕生した現生人類は、アラビア半島経由でユーラシア大陸に進出し、大陸全域に居住地域を拡大する。このうちコーカソイドはユーラシア大陸のイラン付近から中東、ヨーロッパに移動していた人々の末裔である。クロマニョン人はコーカソイドの直接の祖先と考えられる。

15世紀以降は特にヨーロッパ系コーカソイドが征服地への入植により大きく居住地域を拡大し、世界的に拡散した。
遺伝的傾向

白人(コーカソイド)とアジア人(モンゴロイド)が混血した場合、顔の外見(形質)は白人(コーカソイド)の特徴が優性して遺伝する[5]。しかし、南アジア系の遺伝子が混ざると南アジア的要素が強く優先的にでやすい。
遺伝子Y染色体ハプログループの拡散と人種

コーカソイドは出アフリカ後にイラン付近から中東ヨーロッパに至る「西ルート」をとった集団である。コーカソイド人種を特徴づけるY染色体ハプログループとしてGIJRなどが挙げられる[9]

ハプログループGコーカサスで高頻度でみられる。1991年イタリアオーストリア国境のエッツ渓谷で発見された約5,300年前の凍結ミイラアイスマンY染色体ハプログループは、G2a2a1b(G-L91)であることが判明した[10]


ハプログループIヨーロッパ大陸最古層の系統であると考えられ、クロマニョン人もハプログループI2aであることが判明している。

I1系統は北欧で高頻度、西欧ブリテン島で中頻度。I1系統の分布率と金髪碧眼の分布率は相関しており、ゲルマン系民族と関連深い。

I2系統はバルカン半島で高頻度。



ハプログループJアラビア半島で高頻度、南欧地中海地域中央アジアで中頻度。アラブ系民族に多く見られる。


ハプログループRはコーカソイドのほぼ全てで見られる。系統別に見ると、東アジア系のハプログループOと並んで現代人類において最も帰属人口の多い系統である。

R1a系統東欧ペルシャ系民族で高頻度。北欧で中頻度。インドから中央アジア、ヨーロッパまでの西ユーラシア全域で一般的に見られるため、R1a系統が印欧語族の担い手であると考えられる。

R1b系統は西欧やブリテン島イベリア半島で高頻度、北欧で中頻度。その他ヨーロッパ大陸全域で一般的な系統であるが、R1a系統とは異なりヨーロッパ以外のコーカソイドにはあまり見られない。バスク人ケルト系民族で特に多く見られる。R1b系統の分布と赤毛の分布は相関している[11]


伝統的な下位分類

北方人種北ヨーロッパに居住。明色の体表、中頭、長身。ハプログループI1と関連。

ラップ人種:北ヨーロッパに居住。背が小さく、腕脚も短い。ハプログループNと関連。


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