コンピュータ
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日本では「コンピュータ」や「コンピューター」という表記が多く使われている[注釈 1]

日本の法律用語、たとえば刑法著作権法等では「電子計算機(でんしけいさんき)」と表現される(英語のelectronic computerに相当)。これは電算機(でんさんき)と略される。なお「電算業務」「電算処理」「電算室」などの語には、「コンピュータの」という意味合いで「電算」という表現が織り込まれている。これについて、情報処理学会が日本における計算機の歴史について調査した際に、学会誌『情報処理』に掲載された富士通における歴史を述べた記事[5] によれば、電子計算機以前の頃、リレーによる計算機によりサービスを開始した同社が(「電子」じゃないけど、ということで)使い始めた言葉であろう、と書かれている。

中華人民共和国台湾などでは「電脳」が使われ、日本でも趣味的な分野では「電脳(でんのう)」が使われることがある。

1950年代では「人工頭脳」(じんこうずのう)[6] や「電子頭脳」(でんしずのう)とも表現した。
語源

英語の「computer」は算術演算を行う主体であるが、元々は計算する人を指した。この用法は今でも有効である。オックスフォード英語辞典第2版では、この語が計算する機械をも指すようになった最初の年を1286年と記している。同辞典では、1946年までに、「computer」の前に修飾語を付けることで異なる方式の計算機を区別するようになったとする。たとえば「analogue computer」「digital computer」「electronic computer」といった表現である。「デジタル#概要」および「ジョージ・スティビッツ」も参照

計算手は、電子計算機と区別する場合はレトロニムで「human computer」とも呼ばれる。
概要

現在のコンピューターの主な構成要素は通常以下のように分類できる。「コンピュータ・アーキテクチャ」を参照
ハードウェア5大装置。制御装置と演算装置(ALU)はCPU(茶色の部分)に収められている。中央下が記憶装置。左が入力装置で右が出力装置

現在のコンピューターの基本はノイマン型で、そのハードウェアコンピュータの5大装置とも呼ばれる装置(または機能)、すなわち制御装置演算装置記憶装置入力装置出力装置に分類できる[7][8][9][10][8]。このうち制御装置と演算装置の2つは通常は中央処理装置(CPU) に含まれる[7][8]。またメモリマップドI/Oでは記憶装置・入力装置・出力装置、タッチパネルでは入力装置・出力装置は一体化されている。これは大型コンピュータから小さなコンピュータまで共通で[8]、スマートフォンなども同様である[7]

制御装置は実行に必要な情報を記憶装置から読み出し、実行結果を記憶装置の中の正しい場所に収める。

演算装置は、加算・減算などの算術演算、AND・OR・NOTなどの論理演算、比較(2つの値が等しいかどうかなど)、ビットシフト等を行う装置である。

記憶装置(メモリ)はアドレスを附与された領域の列であり、各領域には命令又はデータが格納される。領域に格納された情報は書換可能か否か、揮発性(動力の供給を止めることで情報が失くなるという性質)を有つか否かは、記憶装置の実装方法に依存するため、通常はCPUが直接操作(アドレッシング)できて高速なDRAMなどの主記憶装置と、大量データを保存できるが低速な磁気ディスク装置ディスクドライブなどの補助記憶装置に分類できる。

入力装置と出力装置は、合わせて入出力装置とも呼ばれ、コンピュータが外部であるユーザーや他の機器との間の情報のやりとりを行う。現代のコンピュータで代表的な入力装置にはキーボードマウスマイクロフォンスキャナなどがあり、出力装置にはディスプレイスピーカープリンターなどがある。また入力装置と出力装置を兼ね備えたものには上述のタッチスクリーンの他にネットワークカードなどがある。
ソフトウェア

コンピュータのソフトウェアは多種類あり、大別する方法もいくつかあり、まずシステムソフトウェアアプリケーションソフト(応用ソフトウェア)の2つに分類しておいて前者のシステムソフトウェアを更に基本ソフトウェアとミドルウェアに分類する方法[11]と、最初から基本ソフトウェア・ミドルウェア・応用ソフトの3つに分類する方法[12]がある。基本ソフトウェアは「広義のOS」とも呼ばれ、更に「狭義のOS」とも呼ばれる制御プログラムと、サービスプログラム言語処理プログラムに分類できる[11]
ソフトウェアと機械語・アセンブラ・高級言語 

コンピュータの中枢部であるCPUが理解し実行できる形式は機械語だけだが、ソフトウェア開発をする人は通常はプログラミング言語でソフトウェアを記述しそれをコンパイラを使って機械語に翻訳し、その機械語を実行させる。プログラミング言語は低水準言語とも呼ばれる機械語に近いアセンブリ言語と、人間が理解しやすい自然言語に近い形式で記述する高水準言語[13]に大別できる。

機械語は「0」か「1」を並べたビット列命令(二進コード、バイナリコード)で表現される。「機械語」も参照

アセンブリ言語はCPUの命令セットにほぼ対応した記述ができるプログラミング言語で、開発難易度は高くCPUの種類(命令セット)に依存するが、コンピューターを細かく制御でき、高速性が必要な制御系などで使用されている。「アセンブリ言語」も参照

高水準言語は時代・用途・特性などにより多種類あり、特に有名な言語を挙げるだけでも、1957年に誕生し「最初の高水準言語」とされる科学技術計算用のFORTRAN、1959年に誕生し金融系の事務計算を得意とし2020年代の現在でも大企業のメインフレームで使われ続けているCOBOL、1964年に大学の教育用に誕生し1970年代後半から1980年代のマイクロコンピュータパーソナルコンピュータで普及したBASIC、1958年に登場しリスト処理に優れ1950年代や60年代の方式の人工知能[注釈 2]用に発展したLISPなどが使われたが、最初に挙げた3言語は行番号(文番号)やgoto文を多用する言語であったので記述に混乱が生じがちで開発時のデバッグや運用開始後の改良作業も困難になりがちだったので[注釈 3]、1972年にはその欠点を克服する構造化プログラミングが可能なC言語が登場し現在に至るまで広く使われるようになり、1983年にはそのC言語をオブジェクト指向に対応させたC++が登場し 組み込みシステムのソフト開発や 動作の高速性を求められるコンピューターゲームの開発 等々で現在も重要な役割を果たしており[14]、更に1995年にはCとC++の系統に属し「Write once, run anywhere」というスローガンを掲げコードを1回書けばどのプラットフォームでも走り ネットの分散コンピューティングにも向いており おまけに様々な要素を言語仕様自体として最初から含んでいるという長所がある[15]Javaが登場し、2020年代の現在でも常に人気最上位にランクインする状態となっている[16]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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