コンパクトディスク
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Eight-to-fourteen modulationが定めた[19]規格上は97分[注 11][20][21]まで可能であるが、YAMAHAほかのメーカーのドライブはすでに99分59秒まで対応し、100分収録を謳うCD-R商品もすでに発売されている[22][23]2019年現在までに990 MBのCD-Rまで開発されたので理論上は110分強がコンパクトディスクの最大収容量になるが、商用録音でこの収録時間はまだ出ていない。一時期にはソフトウェアにオーバーバーンモードまで設け、990 MBまで対応することを謳ったCD-Rドライブもあった。

現在市販されている最大の音楽用コンパクトディスクは台湾ポーランドシンガポールで販売された99Min 870 MB[24][25][26][27]とドイツで販売された100Min 900 MB[28]であるが、両方とも頒布国が限定されているうえドライブ未対応といった問題が残っており、普及率は低い。CDを焼くソフトウェアはすでに90Min 800MBへ対応している。

2020年代は、90分CDがほぼ商用面で実用化しており、DECCA[29]やNAXOS[30]に90分CDを使用したクラシック音楽のためのコンパクトディスクがある。
転送速度

音楽CD(CD-DA形式)の再生時のデータの転送速度は1倍速で約176 KB/s(150 KiB/s) であり、これを基準として最大記録時間は640 MiBのディスクで約72分強、650 MiBのディスクで約74分強、700 MiBのディスクで約80分強、最新の800 MiBのディスクで約90分強[31]、非公式の900 MiBのディスクで約100分強、非公式の990 MiBのディスクで約110分強となる。この音楽CDの1倍速を基準として、ディスクのデータ転送速度を表すのに「○倍速」という言い方をする。
規格

当初から音声・映像記録媒体として開発された。物理フォーマットは先に決まっており、音声記録ディスクの論理仕様が先行して策定された。少し遅れてビデオ記録用としてCDビデオが策定されたが、普及しなかった。後にデータ記録用としてCD-ROMビデオ記録用としてビデオCDなどの論理仕様が策定された。これらと対比して音声記録ディスクをCD-DAという。

また音声とデータを両方収録できるようにしたCD EXTRAおよびミックスモードCDCD-ROM XAがある。

さらに記録にピットを用いずに、レーザーによる媒体の物理的変化を利用して同等なデジタルデータの書き込みを行う方式が開発された。CD-Rはエンドユーザがデータの追加記録ができる。また、記録してしまった領域を取り戻し、空き領域として記憶領域を再利用することができないCD-Rに対して、CD-RWはデータの消去を可能にし、書き換えができる。

コンパクトディスクの仕様・規格は対象とする範囲や目的によって複数の規格に分かれており、各規格基準書の表紙の色によってそれぞれが呼び分けられている[32]。これら全てを総称してレインボーブック(英語版)と呼ぶ。
レッドブック
CD-DA, CDビデオ, CD+G, CD+EG, CD-MIDI, CD-TEXT物理仕様を規定。音楽用CDであるが、アナログ映像を格納でき、また音楽データを格納しないサブチャンネル領域に画像や文字データも格納できる。
イエローブック
CD-ROM主にコンピュータ・データ用のCD
グリーンブック
CD-i家庭用マルチメディア媒体
イエローブックMode2
CD-ROM XACD-ROMをマルチメディアデータにより特化したCD
ブルーブック
CD EXTRACD-DA(音楽)とデータを共存させているマルチセッションCD
ホワイトブック
ビデオCDCD-ROMに動画や音声などを記録
ベージュブック
フォトCDコダック独自の符号化方式でデジタル化された画像のCD
オレンジブック
CD-WO, CD-MO, CD-R, CD-RW記録型CD
後継規格

1990年代後半からはCDよりも容量の大きいディスクが開発された。データ分野ではDDCD、オーディオ分野ではSuper Audio CDが実用化されたが、いずれもCDを代替するまでの普及には至っていない。これら光ディスクはいずれも直径12 cmでCDの大きさを踏襲している。

以下の規格はいずれもCDとの互換はなく、再生には専用の光学ドライブおよびプレーヤーが必要である。
パープルブック
DDCD一般的なCDの2倍に当たる1.3GBの容量を持つディスク
スカーレットブック
Super Audio CD(SACD)CDの技術を踏まえて音質の向上、著作権管理機能が強化されたディスク。「次世代CD」と呼ばれることがある[33]
関連規格
コピーコントロールCD(CCCD)
特定規格の名ではなく、同様の特徴を持つディスクの総称である。無保証ながらも通常のCDプレーヤーで再生できることが多いため、流通などではしばしばCDとして扱われた。
DualDisc
片面に音楽CD、もう片面にDVDを貼り合わせた両面の再生専用ディスクで、2004年に米国の大手レコード会社が発売した(DVDフォーラムが定めた規格ではない)[34]。CD面は正式な音楽CD規格(レッドブック)に準拠していないためCDロゴは付いておらず、メーカーは「音楽専用面」「非DVD面」など遠回しな呼び方をしている[35]。一部機器では正常に再生できないなどの問題が生じている[35]
寿命関連の課題

発売当初は劣化しないと言われていた[36]。実際には、保存方法が悪いとメディアが劣化を起こす。具体的には、基盤(樹脂層)のポリカーボネートの変化、蒸着した反射膜の変化、そしてCD-Rの場合には色素の変化が劣化の要因となる。いずれでも直射日光や高温・多湿を嫌う。
基盤

基盤(樹脂層)のポリカーボネート湿気に晒されると加水分解し徐々に白濁する欠点がある。これにより情報を読み取るレーザーが通らなくなり、情報を読めなくなる。

なお、この性質を利用しあえて開封後数週間程度で白濁するように製造された媒体もある。これにより、音楽や映像のソフトウェアを再生できる日数を制限する。

温度や湿度変化の影響が比較的少ないガラス製のCDが開発・発売され、寿命の改善が期待されている。2008年には液晶パネル用のポリカーボネートを使用したスーパー・ハイ・マテリアルCD(SHM-CD)とハイ・クオリティCD(HQCD)が開発・発売。さらにブルーレイディスクの技術を応用したブルースペックCDも開発・発売されている。
反射膜

現在、スパッタリング法によってアルミニウムの反射膜を形成する方法が主流となっているが、アルミニウムを用いるCDは環境にもよるが、20年から30年が限度と見積られており、現在長期的な保存を可能とした製品の開発が急務となっている。その一方で、メーカー側などでは80年前後保存が可能とする指摘もある[37]。なお反射膜にを用いた場合、100年前後保存が可能と見積られているが、コストの問題など解決しなければならない課題がある。安価なものは印刷・反射層が端からはがれてきたり、水分が反射膜に浸透してアルミニウムが錆びてしまい反射の機能を失うなど、短寿命のものが多い。

また記録層の部分は印刷面から10 μm (0.01 mm)、樹脂層から約1.2 mmの所にある[注 12]。そのため、印刷面からの衝撃に弱く鉛筆やボールペンなど、フェルト以外の油性マーカーで記入を行うと記録層にダメージが加わり音飛びなどの症状が出ることもあり、最悪の場合読み込めなくなる可能性も考えられる。印刷層側に深い傷が入ったり湿度の高い場所に放置すると、反射層までがはがれることがある。
色素

CD-Rでは記録面に直射日光を当て続けると色素が変化し読み込めなくなったり、質の悪い媒体の場合には蛍光灯に含まれる紫外線で変化するものもある。また高温・多湿の環境に置くと、ごく短時間でも印刷・反射層が端からはがれてくる事がある。
都市伝説

一部のマスメディアにおいて、コンパクトディスクを冷やすと音質が良くなる[38]と言われているが、CDに記録されている情報はデジタルであるため、ビットエラーがない限り記録内容が変質することはない。CDにおいて、ディスクの熱の影響により符号誤り率が増加することは考えにくいため、冷やしても音質には影響しない。もともと1993年にロンドンの新聞「サンデー・タイムズ」に紹介され、後に日本のテレビ番組にも紹介されそこから噂が広がってしまったのではないかとされている。
年表「CDプレーヤー#歴史」も参照

1965年、アメリカの発明家ジェームス・ラッセルが音楽用光学メディア・テクノロジーを発明。

1970年代前半、フィリップスMCAレーザーディスクを開発。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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