コンドーム
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また、下に下ろすまで、精液だまりを掴んだ手は離さない[15]

ロール状に巻いている部分が陰茎の根元まで伸びれば完了。

射精後は縛って捨てる。

陰茎が十分勃起していない状態ではうまく装着できない。コンドームを裏返しにすると装着できない。装着時に陰毛を挟み込まないようにする。挟み込んだまま使用すると、陰毛が引っ張られ痛みを伴う。
女性用コンドーム

女性の膣内に装着する女性用コンドームは、女性の外陰部と膣壁を覆い、精液の侵入を防ぐ。女性が主体的に利用できる避妊法として注目されたが、装着がやや難しいことや装着時の外観の問題、膣内で胴部がしわになって密着感がなく、違和感を覚えること、男性器に装着するコンドームと比較して割高であることなどの問題点があり、男性用コンドームと比べてあまり普及していない。

日本では、不二ラテックスが女性用コンドームを輸入・販売している。大鵬薬品も「マイフェミィ」の商品名で発売していたが、2004年4月30日に販売終了となった。

なお、女性用コンドームと男性用コンドームの同時併用は推奨されない。これは、男性用コンドームとの2枚重ねが、ゴム同士の摩擦による破損や位置のずれを起こしやすいのと同じ理由によるものである。

女性用コンドーム

女性用コンドームの装着位置

大鵬薬品工業から2004年4月30日まで発売されていた女性用コンドーム「マイフェミィ」

語源

コンドームの語源は、フランスの地名・コンドンにあるとする説と、医師・コンドームの名から来ているとする説があるが、そのような医師が実在したかどうかは不明である。
歴史

コンドームの起源は、紀元前3000年ごろの初期エジプト王朝にあると言われており、ブタヤギ盲腸膀胱を利用して作られていた。同種の動物内臓を用いた男性生殖器に装着する物品は世界各地で利用され、魚の浮き袋を利用した物も伝えられている。

1564年イタリアの解剖学者・ファロピウスが、性病予防の観点から、リネン鞘と呼ばれる陰茎サックを開発したが、実用性は疑問視されていた。

なお、今日のコンドームの原型となったのはチャールズ2世の殿医ドクター・コンドーム(人名)が1671年の腸膜を利用して作った物であるとされている。なお、読みについては"コンドン"と発音する場合もある。これはチャールズ2世が無類の好色で非嫡出子だけでも14名の子をもうけ、王位継承の混乱を避けるための措置だったと言われている。しかしドクター・コンドームという人物が実在した証拠はなく、またコンドームはチャールズ2世が王位につく100年以上前から使われていたようである[16]

ゴム製のものは1844年にゴム精製技術が改良されてから後のことだと言われているが、この辺りの事情ははっきりしていない。

日本では江戸時代に導入されており、その後1909年にゴム製の第1号が誕生した。ただし当時はまだ正しい使用法が知られておらず、使用後裏返して再使用した、使用後に洗って干して再利用したという話も多く伝わっている。当時の有名な日本製コンドームとしては「ハート美人」「敷島サック」、そして日本軍用の「突撃一番」「鉄兜」などがある。

第一次世界大戦では兵士と慰安婦との性交により性病が蔓延したため、参戦した各国の軍隊が支給品にコンドームを加えるようになり、広く普及する事となった。

現代のシームレスタイプのラテックスコンドームは、ポーランドで発明された。発明家で実業家のポーランド人ユリウス・フロムが新製法を確立、1916年に特許を取得し、1922年に大量生産を開始、新工場がドイツ、ポーランド、オランダデンマークなどに建てられ、「フロムス・アクト」の商品名でヨーロッパ各国で販売され大成功をおさめた。日本では1933年に国産開始。このためドイツでは「フロムス」がコンドームの代名詞となっている。しかし工場のほとんどは1938年ナチス・ドイツの脅迫によって二束三文の代価で乗っ取られ、ヘルマン・ゲーリング代母の一家の手に渡った。戦後、「フロムス」のコンドームは「マパ」と商品名を変え、現在でも販売されている。
製造
製造過程
原材料受入

配合

成形

加硫

検査

包装

出荷

現在では多くのコンドームが天然ゴムを基剤としている[17]ほか、ポリウレタン製など、非ゴム製のコンドームも製品化されている。世界市場占有率第2位のメーカー工場では、年間約5億個(1日あたり約140万個)を製造している。マレーシアから輸入した原料ラテックスをも検査し合格したものだけを使用するとしている。検査では、小さな穴が開いていないか全数を電気導通方式で検査し、不良品を出荷させないようにしている[18]。一方、同じような厳格な検査を謳っていた別の有名メーカーでは1998年、行政当局による抜き打ち検査で不良品が含まれていたことが判明し、出荷済みの約5,000万個を自主回収すると発表したことがあった[19]

日本のコンドーム製造工場

漏れ検査の様子

前述のように天然ゴムが原料であるため、ラテックスアレルギーを持つ人は、ポリウレタン製コンドームを使用すべきである。また、油性のローションを使用すると腐食し、性交中に破れる可能性がある。2枚重ねて使用することも見受けられるが、ゴム同士の摩擦によって破損するため、避けるべきである。
主なメーカー

デュレックス

オカモト

ベネトン(OEM)


不二ラテックス

相模ゴム工業

第一三共ヘルスケア(OEM)


ジェクス

ランプレヒト

中西ゴム工業(ジョニーハット)

ジャパンメディカル

トロージャン(Trojan)

ライフスタイルズ(LifeStyles)

カレックス(Karex)

欧州、日本、米国、中国などのメーカーで大多数を占める。それ以外の国・地域にもメーカーがあるが、低品質に留まることが多く、中にはジョークグッズや粗悪品と呼べる水準のものなど、明らかに避妊に適さない製品まで存在する。各国市場ごとに占有率が異なるが、全世界では英国・デュレックス(世界市場占有率26%)、日本・オカモト(同20%)の2強となっている。基本的にはドラッグストアで販売されているものを使えば、粗悪品をつかまされるリスクは限りなくゼロに近くなるのが現状である。
販売・規制
販売・配布

日本では薬店薬局調剤専門の薬局を除く)など、医薬品関係の販路を中心に、店前の自動販売機コンビニエンスストアスーパーマーケット100円ショップアダルトグッズ販売店などで販売されている。東京の渋谷原宿にはコンドーム専門店もある。タバコや酒類のような年齢確認商品ではないが、あまりにも若い人は店側の自主規制で販売を拒否される場合がある。(2023年7月の法改正で性的同意年齢が16歳以上に引き上げられたため、現行法では16歳未満との性行為は違法になる)

かつては街中でも自動販売機によって販売されていたが、コンドームの自動販売機は設置開始前の段階から「青少年の健全な育成に影響する」「街の景観が乱れる」と否定意見もあり、設置を渋る自治体もあったが、厚生労働省からの指導によって反対派の自治体も最終的に設置を認めざるを得なくなった。その後、購入場所の増加、当初より懸念されていた青少年への悪影響などの理由により、遅くとも平成末期では医薬品関係の店舗を除いて全くといって良いほどこの種の自販機は見掛けられなくなり、風前の灯火となった。

イギリスドイツ中華人民共和国など、公衆トイレに自動販売機が設置されている国々もある。インターネットショッピングサイトでも販売されている。

中学校や高等学校の「性教育」の一環で、生徒に無料配布する例もある。ブラジルでは公立中学校に無料配布機が設置されており[20]、これにより「望まない妊娠が半減」したとの調査結果を保健省が発表している。これについては「(若年層あるいは性知識の乏しい者による)望まない妊娠を防げる」とする反面、「若年層の性交(婚前交渉)を促進している」などとの反対意見もあり、社会的合意形成までには至ってない。

進め電波少年では「バウドーム」と称して松村邦洋出川哲朗が配布していた。

2008年ブラジル政府は“世界最大の公共パーティ”と呼ばれるリオのカーニバル期間中、1950万個ものコンドームを無料配布した[21]


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