物語の終幕には、感染源の根源が回想シーンで描かれる。中国でベスが感染する何日も前に、ベスが取締役を務める会社のブルドーザーが木をなぎ倒しコウモリが飛んで逃げていく。その1匹が豚小屋に飛び込んでバナナのかけらを落とし、そのバナナをブタが食べてウィルスの宿主となる。そのブタは香港に運ばれて屠殺され、それを調理したコックが手を洗わずにカジノでベスと握手をした結果、ウイルスが彼女に感染していたことを明らかにしつつ幕となる。 ※括弧内は日本語吹替 2010年2月に企画が発表され、1999年の『リプリー』以来となるマット・デイモンとジュード・ロウの共演が明らかになった[4]。同月、ケイト・ウィンスレットとマリオン・コティヤールの出演が決まった[5]。製作者たちはアメリカ疾病予防管理センター (CDC) や他の感染症の専門家から情報や助言を得た[6]。撮影は2010年9月に香港で始まり[7]、当初はアトランタ、シカゴ、ミネアポリス、ドバイ、日本、スイス、イギリス、ブラジル、ロシア、マレーシアで2011年1月11日までに行われる予定だった[8]。2011年2月にはサンフランシスコで追加撮影が行われた[9]。当初3Dカメラによる撮影が計画されていたが、テストの結果中止された[10]。 映画は2011年9月3日、第68回ヴェネツィア国際映画祭で初上映された後、アメリカとカナダでは2011年9月9日にIMAXの劇場254館を含む3,222館で公開され、週末3日間で約2,240万ドルを売り上げてランキング1位となった[2]。公開は当初2011年10月21日に予定されていた[11]。 本作ははっきりとホラー映画であると宣伝されているわけではないが、ホラーファンからも注目を集めており、出資社の一つパーティシパント・メディアはパンデミックへの対処法や実在する「ウイルス・ハンター」の仕事を紹介するキャンペーンを立ち上げている[1][12]。 映画のレビューを集積するウェブサイトRotten Tomatoesは165個のレビューに基づき、好意的な評価の割合を84%、評価の平均を7.2/10、批評家の総意を「緊張感があり、しっかりと画策され、そして優れたキャストによって支えられた『コンテイジョン』は、際立って洗練された?そして恐ろしい?ディザスター映画である」としている[13]。Metacriticは37個の批評に基づき、70/100という「広く好ましい評価」の加重平均値を示している[14]。CinemaScoreの市場調査によると、初日に劇場を訪れた観客の評価はAからFの間で「B-」だった[15]。 2019年末から始まった新型コロナウイルス感染症"COVID-19の世界的な感染拡大に伴い、デマと陰謀論の拡散、医療従事者の感染および伝染、無症状のまま感染を広げる可能性、買い占めや都市封鎖といった本作で描かれた事象の数々が現実に発生しており、本作のために行われた考証や予測の適確さが再評価された。出演者のローレンス・フィッシュバーン、ケイト・ウィンスレット、ジェニファー・イーリー、マット・デイモンが手洗いの励行・不要不急の外出を控えるなど感染を避ける方法と冷静な対応をYoutube動画で呼びかける一方、考証を務めたイアン・リプキン医師、ハガティ准将を演じたブライアン・クランストンのCOVID-19罹患が複数のメディアで伝えられている[16]。
キャスト
レオノーラ・オランテス医師 - マリオン・コティヤール(冬馬由美)
ミッチ・エムホフ - マット・デイモン(内田夕夜)
エリス・チーヴァー医師 - ローレンス・フィッシュバーン(玄田哲章)
アラン・クラムウィディ - ジュード・ロウ(宮内敦士)
ベス・エムホフ - グウィネス・パルトロー(本田貴子)
エリン・ミアーズ医師 - ケイト・ウィンスレット(林真里花)
ライル・ハガティ公衆衛生局士官部隊准将
アリー・ヘクストール医師 - ジェニファー・イーリー(山像かおり)
オーブリー・チーヴァー - サナ・レイサン(沢田泉)
イアン・サッスマン博士 - エリオット・グールド(真田五郎)
スン・フェン - チン・ハン
ロジャー - ジョン・ホークス
製作
公開
評価
出典^ a b Cieply, Michael (2011年8月8日). ⇒“Steven Soderbergh’s ‘Contagion’ Paints Flu as World Disaster”. The New York Times. ⇒http://www.nytimes.com/2011/08/09/movies/steven-soderberghs-contagion-paints-flu-as-world-disaster.html 2011年9月5日閲覧。
^ a b c “Contagion
^ 「キネマ旬報」2012年2月下旬決算特別号 211頁
^ “M・デイモンとJ・ロウが再び共演、ソダーバーグ作品で”
^ McNary, Dave (2010年2月8日). ⇒“Stars line up for Soderbergh project”. Variety (Reed Business Information). ⇒http://www.variety.com/article/VR1118014882 2011年9月5日閲覧。
^ “ ⇒Contagion” (PDF). ワーナー・ブラザース. 2011年9月5日閲覧。
^ Levy, Emanuel (2010年9月1日). ⇒“Contagion: Shooting in Honk Kong, Chicago, Atlanta, London, Geneva”. ⇒http://www.emanuellevy.com/blog/contagion-shooting-in-honk-kong-chicago-atlanta-london-geneva-2/ 2011年9月5日閲覧。
^ Bales, Alan (2010年9月15日). ⇒“Open cattle calls for Steven Soderbergh film 'Contagion' background performers”. Los Angeles Examiner (Clarity Digital Group). ⇒http://www.examiner.com/acting-auditions-in-los-angeles/open-cattle-calls-for-steven-soderbergh-film-contagion-background-performers 2011年9月5日閲覧。