コンクリートは圧縮力には耐えられるが引張力には弱いため、コンクリートを単体で使うより、コンクリートの中に鉄筋を入れた鉄筋コンクリートとして使われることが多い。コンクリートと同じ熱膨張率を持つ鉄筋を入れることで引張力を鉄筋が受け持ち、どちらの力にも十分な強度を持たせることができる。また、鉄筋コンクリートに鉄骨を埋め込んだ鉄骨鉄筋コンクリートや、鉄骨鉄筋コンクリートの鉄骨を鋼管に置き換えた鋼管コンクリート、あらかじめ圧縮力をかけておくことによって大きな引張力が作用しても軽減できるプレストレスト・コンクリート、生コンクリートに合成樹脂や鉄の繊維を混ぜ込んで強度・延性を増した繊維補強コンクリートも用いられる。 現在は英語単語のカタカナ表記である「コンクリート」という表記を用いるのが一般的である。広井勇の発案であるとされる「混凝土」(コン・クリー・ト)という音訳表記も以前は広く用いられ、このまま「コンクリート」と読まれた。この漢字表記は、中国語圏では現在でも最も一般的なコンクリートの名称として用いられている。 コンクリートは、広義の意味では砂や砂利、水などをセメントなどの糊状のもので結合させたものを指す。そのためセメントで結合させたものをセメントコンクリートと呼び、アスファルトで結合させたものをアスファルトコンクリートと呼ぶ。建築資材として一般にコンクリートと呼ばれるものはセメントコンクリートの方である。(省略してコンクリ、CO、CONとも読み書きされる)。 別名ベトン(仏: beton、独: Beton、蘭: beton)。 凝固する以前の状態はフレッシュコンクリートと言われる(生コンクリートまたは省略して生コンとも)。 歴史は古く、コンクリートに類似したものは古代エジプトにもあったが、ローマ人がヴェスビオス火山の山麓にあった火山灰「ポッツォリーナ」(Pozzolina
名称
歴史が望まれています。
ヴェスビオス火山山麓にあった火山灰、石灰、砕石を混合したものが水中で硬化したことを発見したのがコンクリートの歴史の始まり。
ローマに現在も残るパンテオンは鉄筋を使用していないコンクリート建築としては世界最大級のコンクリート製ドームの墓であり、ローマン・コンクリートがむき出しの状態である。現在とは異なり、当時のローマではコンクリート壁をレンガなどで覆っていた。ローマ帝国で使用されたローマン・コンクリートは、生石灰、「ポッツオーリの土」とも称される火山灰、軽石を骨材に使用していた。それまでの石、レンガを使用した建築に対し、コンクリートは革命的な材料で、制限されない自由で斬新な設計が可能となり、アーチやヴォールト、ドーム形状などに素早く硬化して剛体となり、それまでの石・レンガ建築で問題であった内部の圧縮・引張りを気にする必要が薄れ、建築史を大きく塗り替えた[4]。
最近の評価では、ローマン・コンクリートは現代使用されるポルトランドセメントと比較しても圧縮に対する強度は200 kg/cm2と大して変わらないが、鉄筋を使用していない分、引っ張りに対する強度ははるかに低かった。