しかし、2002年に成立したウリベ政権と続く2010年に成立したサントス政権が治安対策に力を入れた結果、飛躍的な治安改善が成し遂げられつつある[51]。1990年代初頭には殺人事件発生数が10万人当たり77.5人だったが[11]、2020年現在は22.6人にまで減少している。誘拐事件発生数も2002年には2882件あったが、2010年には282件に激減している[51]。とはいえ先進国と比較すればいまだ犯罪発生率が低いとは言えないので、犯罪被害防止を常日ごろから心掛けて行動すべきとされる[51]。
治安改善後、同国は観光に力を入れており、ボゴタ、メデジン、カリ、バランキージャなどの大都市やカルタヘナなどの観光地では警備体制が比較的整っているため、その他の地方と比較すると安全といえる。
近年、隣国ベネズエラの経済危機により、コロンビアへ逃れてくるベネズエラ難民が急増しており、2018年9月時点でその数は100万人にも及ぶ。ベネズエラ難民による犯罪が社会問題となっている[23]。
人権詳細は「コロンビアにおける人権(英語版)」を参照
文化詳細は「コロンビアの文化(スペイン語版、英語版)」を参照イラマ(カリマ)のトーテムマスクアフリカ系コロンビア人 の伝統的なパレンケの祭り
コロンビアの文化はラテンアメリカの交差点に位置しておりインディヘナ、ヨーロッパ系、アフリカ系、中東系をはじめとするアジア系の伝統が複雑に織り交ざって構成された多文化的な社会によって特徴づけられている。アメリカ合衆国の文化と、メキシコの文化、アルゼンチンの文化(スペイン語版、英語版)、カリブ海の文化をはじめとするラテンアメリカの文化から強く影響を受けているが、独立以前から受け継がれているスペインの文化(スペイン語版、英語版)の影響が最も強い。コロンビアの複雑な地形と数十年続いた社会分断により、コロンビアの文化は五つの文化的な領域(それは地理的な領域でもある)に強く断片化された。地方から都市への国内移民、工業化、グローバル化、及び国際的な政治的、経済的、社会的問題はコロンビア人の生活のあり方を変えた。
食文化詳細は「コロンビア料理」を参照アヒアコ
コロンビアの主食はコメであるが、ジャガイモ、トウモロコシ、キャッサバ、プランテンもよく食べられている。トロピカルフルーツの種類も豊富である。
アレパ…トウモロコシ粉のパン
パタコン…プランテンのフライ
エンパナーダ…南米風ミートパイ、餃子
アヒアコ…鶏肉とジャガイモのスープ
モンドンゴ…もつ煮込み
サンコチョ…チキンスープ
バンデハ・パイサ…(パイサ地方(アンティオキア県)の郷土料理。米、豆、肉、卵料理、アボカドの盛り合わせ)
文学詳細は「コロンビア文学(スペイン語版、英語版)」を参照「ラテンアメリカ文学」も参照ノーベル文学賞作家 ガブリエル・ガルシア=マルケス
スペイン征服後のコロンビアの文学は、17世紀初頭のエルナンド・ドミンゲス・カマルゴに遡る。
独立後の文学はロマン主義と結びつけられ、傑出した存在としてアントニオ・ナリーニョ、ホセ・フェルナンデス・マドリード(スペイン語版、英語版)、カミーロ・トーレス・テノリオ(スペイン語版、英語版)、フランシスコ・アントニオ・セア(スペイン語版、英語版)が活躍した。19世紀半ばから20世紀はじめにかけてコンストゥンブリスモ文学が人気となり、この時期の作家としてはトマス・カラスキージャ(スペイン語版、英語版)、ホルヘ・イサークス(スペイン語版、英語版)、ラファエル・ポンボ(スペイン語版、英語版)が有名である。その後ホセ・アスンシオン・シルバ(スペイン語版、英語版)、ホセ・エウスタシオ・リベラ(スペイン語版、英語版)、レオン・デ・グレイフ(スペイン語版、英語版)、ポルフィリオ・バルバ=ハコブ(スペイン語版、英語版)、そしてホセ・マリア・バルガス・ビラ(スペイン語版、英語版)がモデルニスモ運動を展開した。1871年にはアメリカ大陸のスペイン語のプリメーラ・アカデメイアが設立された。
20世紀にはペドロ・ガルシアなどの詩人を生んだ。1939年から1940年にかけて詩人のホルヘ・ロハス(スペイン語版)が活躍した。「暴力」の時代にはゴンサロ・アランゴ(スペイン語版、英語版)がニヒリズムとダダイスムから生まれたコロンビアの文学運動ナダイスモ(スペイン語版)の担い手となった。ラテンアメリカ文学ブーム(スペイン語版、英語版)が始まると、魔術的リアリズムの担い手であり『百年の孤独』『族長の秋』などで知られるラテンアメリカの声を代表する大作家ガブリエル・ガルシア=マルケスがノーベル文学賞を受賞し大活躍した。同時代の作家としてはエドゥアルド・カバジェーロ・カルデロン(スペイン語版、英語版)、マヌエル・メヒア・バジェーホ(スペイン語版、英語版)、アルバロ・ムティスが挙げられる。アルバロ・ムティスは2001年にセルバンテス賞を受賞した。その他の現代作家としてはフェルナンド・バジェーホ(スペイン語版、英語版)(ロムロ・ガジェーゴス賞受賞)と、ガルシア=マルケス以降、コロンビアで最も多くの本が買われている作家のヘルマン・カストロ・カイセード(スペイン語版、英語版)が挙げられる。
音楽詳細は「コロンビアの音楽(英語版)」を参照
フォルクローレにおいては、20世紀初頭にバンブーコが発達した。カリブ海沿岸地方の伝統音楽クンビアは、ガイタ(スペインのガリシア地方のバグパイプ)や、黒人の太鼓など様々な要素から構成されている。クンビアはサルサ以前に汎ラテンアメリカ的な成功を収めてアメリカ合衆国にも進出し、今もラテンアメリカ諸国のポップスに大きな影響を与えている。クンビア以外に人気があるバジェナートはクンビアを基に発展しており、こちらはクンビアよりも洗練された雰囲気がある。また、ベネズエラで国民音楽とされているホローポも、ベネスエラとの国境付近のリャノで演奏されている。
米国ニューヨーク生まれのサルサも人気であり、コロンビア・サルサとしてカリを中心に発展している。
近年[いつ?]はコロンビアポップスの合衆国市場への進出も盛んであり、フアネス、シャキーラ、カミロ などが成功した音楽家として挙げられる。ラファエル・オロスコ・マエストレとディオメデス・ディアスは、バジェナートで成功したミュージシャンとしてリストされました。
また、コロンビアはかつてアルゼンチン、ウルグアイに次いでラテンアメリカで三番目にタンゴが好まれていた国でもある。
世界遺産詳細は「コロンビアの世界遺産」を参照
コロンビア国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が6件、自然遺産が2件ある。
カルタヘナの港、要塞と建造物群 - (1984年、文化遺産)
ロス・カティオス国立公園 - (1994年、自然遺産)