コロンビア_ピクチャーズ
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買収当初に経営を任せたのはピーター・グーバー(Peter Guber)とジョン・ピーターズ(John Peters)だった。

当時、大手映画会社は複合企業の傘下にあった。そこのトップ、例えばスティーブ・ロス(ワーナー)やルー・ワッサーマン(MCA)、チャールズ・ブルードーン(ガルフ&ウェスタン)が超大物と目されていた。これと別の実力者としては芸能エージェンシーのトップ、例えばマイケル・オーヴィッツがいた。

コロンビアを買収したソニーは経営にオーヴィッツを招こうとしたが失敗した。ここでCBSレコードのウォルター・イエトニコフが、その年に世界最大のヒット作を製作したグーバー&ピーターズを経営者に推薦した。

イエトニコフが両者を推薦した背景には、ライバルたちの存在もあった。ソニーに買収される前のCBSはテレビ局傘下だったのに対し、デビッド・ゲフィン(ワーナー)やアーヴィング・アゾフ(MCA)は親分の筋からハリウッドにも顔が利いたし、自分の会社を持っていたため収入でイエトニコフは差をつけられていた。盛田や大賀が傍にいないため調子に乗ったともされる。

問題はグーバー&ピーターズはワーナーと五本の映画を製作する契約を済ませていたことだった。これはスティーブ・ロスの面子を潰す行為であり、ロスは報復として10億ドルの訴訟を起こした。違約金だけで7億5000万ドル以上、その他にもソニーから多くを巻き上げた。コロンビア映画とは提携してきたため、財布の中身も分かっていた。米国の世論はロスに喝采を叫んだ。ここから二人が解雇されるまでソニーは食い物にされた。

買収当初はヒット作に乏しく、巨額の赤字を計上したためにソニーによる買収が失敗だと評されたが、1990年代後半からエンターテインメント大作のヒットを複数出すなど復調傾向を見せ、近年ではシリーズ物を中心にアメリカ市場で常に上位のシェアを占めている。一例を挙げると、2006年度のアメリカ国内の興行成績は、ソニーが18.6%のシェアを確保して第1位であった。
日本映画との関わり

2017年現在、米国ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下「SPE」)傘下であるコロンビア映画が日本映画配給に携わった例はない[注 2]。しかし、2017年の『斉木楠雄のΨ難』以降、SPEの日本支社であるソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下「SPEJ」)が製作・配給する日本映画で、コロンビア映画のオープニングロゴ(後述)が使用されており、日本における両社の区別が曖昧になっている。なお、コロンビア映画とSPEJは同じソニーグループで、どちらもSPEの子会社にあたり、間接的には関係しているものの、直接的な関係性についての詳細は不明である。
オープニングロゴ

オープニングは"COLUMBIA"のロゴとトーチをかざす女性。
自由の女神に似ているが「コロンビアレディ」と称される別人である。20世紀スタジオ同様ロゴそのものをパロディにする映画もある[注 3]

1992年にマイケル・ディーズ(英語版)作の画像が導入されたが、その際はディーズの知人でもある写真家のキャシー・アンダーソン(Kathy Anderson)、アンダーソンの友人であるジェニファー・ヨセフ(Jennifer Joseph)が協力し、ヨセフをモデルにアンダーソンが撮影した写真を元にディーズが描画を行った。写真撮影はアンダーソンの住むニューオーリンズのアパートで行われ、服は手近にあったベッドシーツ、トーチはベッドサイドの電気ライトだった[5]


2014年公開の『アメイジング・スパイダーマン2』以降の作品では一部仕様が変更されており、オープニング導入部(アバンタイトル冒頭)でソニーのモーションロゴ(ロゴマークとサウンドロゴ)が追加された[注 4]ほか、クレジットも"a SONY PICTURES ENTERTAINMENT company"から"a Sony Company"に変更され、ソニーグループであることが強調されている。

2021年公開の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、同年リニューアルされたモーションロゴに合わせてロゴマーク出現時にグラデーション効果が施された。「ソニー#ブランドメッセージ」も参照

子会社のトライスター ピクチャーズではコロンビアレディの代わりにペガサスが描かれている。

主な映画「Category:コロンビア映画の作品」も参照

1930年代

或る夜の出来事

特急二十世紀

オペラハット

失はれた地平線

新婚道中記

素晴らしき休日

我が家の楽園

スミス都へ行く

1940年代

カバーガール

オール・ザ・キングスメン

上海から来た女

ジョルスン物語

ギルダ

1950年代

波止場

戦場にかける橋

ケイン号の叛乱

地上より永遠に

やさしい狼犬部隊(1955年)

愛情物語

ピクニック

悲しみよ、こんにちは

乱暴者

長い灰色の線

去年の夏 突然に

1960年代

アラビアのロレンス

ナバロンの要塞

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

未知への飛行

愚か者の船

コレクター

イージー・ライダー

わが命つきるとも

いつも心に太陽を

招かれざる客

渚にて

キャット・バレー

1970年代

未知との遭遇

クレイマー、クレイマー

タクシードライバー

追憶

ミッドナイト・エクスプレス

チャイナ・シンドローム

1980年代

ガンジー

ブルーサンダー

トッツィー

ゴーストバスターズシリーズ

スタンド・バイ・ミー

ベスト・キッドシリーズ

ラストエンペラー(日本では松竹富士が配給)

1990年代

レナードの朝

マイ・ガールシリーズ

ア・フュー・グッドメン


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