コロンビア大学
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ピュリッツアー賞受賞者は90人超にのぼり[17]、女性初のアカデミー監督賞受賞者のキャスリン・ビグローをはじめ、28人がアカデミー賞を受賞している。このほか、芸術分野の著名出身者では、歌手のアート・ガーファンクル、SF作家のアイザック・アシモフ、詩人のアレン・ギンズバーグ、作家のポール・オースター、映画監督ジム・ジャームッシュなどがいる[18]
日本との関わりキャンパス中央部で行われる卒業式

早くから北米におけるアジア地域研究の拠点として名高く、数多くの日本研究者を輩出した。1928年には角田柳作により日本文化研究所が設立されており、日本学者のドナルド・キーンは同研究所で教育を受けたのちコロンビア大学で長く教鞭をとって多くの日本研究者を育てた。また、同じく角田の弟子で、日本史家のハーバート・ノーマンは、三笠宮崇仁親王の家庭教師を務めている[19]

英語圏の古典的日本文化論『菊と刀』(1946年)の著者である文化人類学者ルース・ベネディクトは、コロンビア大学で博士号を取得し、晩年まで教鞭を執った[20]。また1949年の「シャウプ勧告」により戦後日本の税制の基礎を築いたカール・シャウプは、来日時に経済学部の教員を務めていた[21]

このほか、日本文学研究のエドワード・サイデンステッカー、日本政治論のジェラルド・カーティス、日本近代史のキャロル・グラック、日本経済論のヒュー・パトリックなどが教壇に立って、英語圏における日本研究にきわめて大きな影響を及ぼした。

日本と深い関係を築いてきた歴史から、伝統的に日本からの研究滞在や留学生を数多く受け入れている。1950年代には鈴木大拙が長期滞在し、禅思想の教育、研究を行って、米国における東洋思想の重要な発信拠点となった[22]。日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹も、コロンビア大学助教授在職中の受賞である[23]フィールズ賞受賞者の広中平祐森重文も数学科に滞在して研究を行った[24][25]

こうした傾向は現在でも受け継がれていて、アイビーリーグの中でも日本からの留学生が比較的多いことで知られる。とくにビジネススクールと公共政策大学院は、政界・経済界・中央官庁などから毎年多くの派遣者を受け入れている。[26]

そのほかタレント、政治家などのコロンビア卒業生は「コロンビア大学の人物一覧 ─ 主な日本人の出身者」を参照。
日本の教育機関との関係日本文学などアジア研究が主に行われるケント・ホール

コロンビア大学と同じく英国国教会(イングランド国教会)を源流とする立教大学との関係は古く、立教大学の創設者であるチャニング・ウィリアムズは、1867年(慶応3年)にコロンビア大学から神学博士号が授与されている[27]ジェームズ・ガーディナーの後任として立教学校(現・立教大学)の校長を務めたテオドシウス・ティングはコロンビア大学で学んだ。

立教学院理事長を務めたジョン・マキムが1898年(明治31年)に創設した青葉女学院では、コロンビア大学の幼児教育専門課程を経た教授陣によって教育が行われ、日本に先端的な幼児教育がもたらされた[28]

現在では立教大学のほか上智大学などが進学協定を提携しており、様々な分野において学生(卒業生を含む)を受け入れるなど大学院レベルでも交流を持つ[29]
大学ランキングロウ記念ホールの内部

アメリカを代表する世界的な研究教育拠点のひとつであり、主要な大学ランキングにおいて、法科大学院や公共政策大学院などの専門職大学院教育でも世界トップクラスにあるとみなされてきた。

ただし2022年には提出データの不正が発覚し[30]、米誌USニューズ&ワールド・レポートのランキングでは、同校が前年の2位から18位に転落した[30][31]。(後述「批判・不祥事」の節を参照)。コロンビア大学は、この事件を機に大学ランキングの意義を学内で議論し、ロースクールや医学部などについては以後ランキング参加しないと発表した[32]。2023年分についてはすべての学部のデータを提出しなかった[33]

こうした措置を経た混乱は続いており、2024年度のUSニュースランキングでは、米国内の総合大学として第12位[34]、THE =タイムズ・ハイアー・エデュケーションによる2024年度の世界大学ランキングでは17位[35]などとなっている。

総合

The Top American Research Universities Ranking (2017):第1位[36]

フォーブズ誌アメリカ国内ランキング(2022):第5位[37]

THE (タイムズ・ハイアー・エデュケーション) 世界的名声ランキング (2023):第11位[38]

USニュース Best Colleges Ranking (2021):第18位 [31]

経営大学院

USニュース: Business School ranking (Executive MBA) (2023): 第8位[39]

フィナンシャル・タイムズ: Business School rankings (2023): 第1位[40]

法科大学院

THE世界大学ランキング(法学)(2024):第4位[41]

USニュース:ロースクール国内ランキング(2024):第8位[42]

公共政策大学院

USニュース:Best Public Affairs School(2024):第1位[43]

財政

2023年の財政報告によると、上述の136億ドル(約2兆1000億円)の大学基金の投資運用によって4.7%のリターンを得た[44]

年間予算のうち31%が教員人件費および研究、24%が学生への財政支援に投じられている[44]。また大学が所有する著作権の数は、2023年には世界第37位となった[45]
学部コロンビア大学のロゴ

コロンビア大学は、学士教育を行う3つのカレッジと大学院教育を行う13のスクールから構成され、全学で114の学科を置く[46]

コロンビア・カレッジ(Columbia College、CC、1754年) - 人文系や自然科学系の57学部が属する[47]。学生数4644人(2017年)。

コロンビア・エンジニアリング(The Fu Foundation School of Engineering and Applied Science、SEAS、1864年) - 4年制の工学系カレッジ。入学審査はコロンビア・カレッジと共通。応用数学、化学工学、計算機科学など9学部が属する[48]


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