修復第一期工事が進むのに伴い、2014年には、考古学者のダニエレ・マナコルダンやイタリア政府のダリオ・フランチェスキーニ文化大臣らがかつてあった木製の床を復元し、文化的行事や演芸等に利用しようという案が持ち上がった[31][32]。この案には賛否双方から声が上がったものの、2020年12月22日、イタリア財務省はコロッセオの改修工事に伴い、アリーナ部分に開閉式の床を設置する予算を認めたことを発表した。工事は2021年に始まり、2023年に完成する予定[33]。
2020年のCOVID-19の流行でイタリアは大きな被害を受け、3月には全土が封鎖されるとともにコロッセオも閉鎖されたが[34]、状況の好転した6月には再開された[35]。
構造壁面の穴は戦傷の痕ではなく、建設および補修時の足場用の木材を挿入するための穴である。コロッセウム内部。地下にあった施設が現在ではむき出しになっている。
長径187.5m、短径156.5mの楕円形で、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}面積3357u[要出典]、内部アリーナ86×54、高さは48m[36]、推定5万人から8万7千人の観客を収容できた[37](文献により40,000人 - 60,000人と幅がある[38][39][40])。4階建てで、アーチは各層で様式が変えられており、1階はドリス式、2階はイオニア式、3階はコリント式になっている[41]。天井部分は開放されているが、日除け用の天幕を張る設備があった。皇帝席には1日中直射日光が当たらないように設計されており、また一般の観客席についても1日に20分以上日光が当たらないように工夫がされていた。円形闘技場に入るアーチは全周で80箇所あり、そのうち皇帝や剣闘士専用のものを除く76のアーチには番号が付されていた。これはテッセラ(英語版)(入場券)にその番号を記して混乱せずに入場できるようにするためのものと考えられている[3]。
構造はローマン・コンクリート(火山灰を利用したコンクリート)で出来ている。鉄骨を用いないコンクリートにもかかわらず幾多の地震の際も崩壊しなかったのは、全体が円筒形で力学的に安定していたためである。
初期においては競技場にローマ水道より引いた水を張り、模擬海戦を上演することさえ可能だった[42]が、後には「迫」のような複雑な舞台装置を設置したためにそのような大規模演出は不可能となった。
このほかには剣闘士と戦う猛獣を闘技場のあるフロアまで運ぶ人力エレベーターが用意されていた[43]。
コロッセウムの横には噴水が作られた。それは「メタ・スダンス(英語版)(汗をかく標識)」といわれ、闘いを終えた剣闘士もここで体を洗ったと伝えられている。平面図(長径188m、短径156mの楕円形)断面図(高さ52m) 前列は元老院階級席、中列が騎士階級席、その後ろが裕福なローマ市民席、最後列が一般市民と女性席
隣接する古代ローマ遺跡
北側から北東側には、ドムス・アウレア跡地にティトゥス浴場(80年完成)およびトラヤヌス浴場(109年完成)が建てられていた(現 コッレ・オッピオ公園(英語版))
北西側には、フォルム・ロマヌムのウェヌスとローマ神殿(135年完成)と、コンスタンティヌスの凱旋門(315年完成)が建てられていた。
南西側は、帝政期に官邸機能を果たしていたパラティウムと、戦車競走等に使われた巨大競技場チルコ・マッシモがある。
南側は貴族の邸宅などがあったチェリオの丘である。
コロッセオとコンスタンティヌスの凱旋門.
コロッセウムが登場する作品ジャン=レオン・ジェローム作『Pollice Verso』