コレラ
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急速に脱水症状が進み、血行障害、血圧低下、頻脈筋肉の痙攣、虚脱を起こし、死亡する。極度の脱水によって皮膚は乾燥、しわが寄り「洗濯婦の手(指先のしわ)」、「コレラ顔貌」と呼ばれる特有の老人様の顔になる。また、乾燥舌(Dry Tongue)の症状もみられる[9]

治療を行わなかった場合の死亡率はアジア型では75?80パーセントに及ぶが、エルトール型では10パーセント以下である。胃切除がある場合は胃酸による殺菌効果が無いため菌が小腸に達しやすく危険である。現在は適切な対処を行なえば死亡率は1?2パーセントである。
治療方法.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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水分の補給経口補液を受けるコレラ患者

コレラにおいて直接の死亡原因になるのは、大量の下痢と嘔吐による水と電解質の損失によっておきる脱水症状である。このため、失われた水と電解質を補給することでコレラによる死亡はきわめて効果的に抑制できる。
治療薬

抗生物質による治療は脱水症状の改善とは無関係である。コレラ菌の数を減らし、毒素産生を減らす。点滴治療と組み合わせてつかう。テトラサイクリン系抗生物質クロラムフェニコールなどがこの目的で利用される。テトラサイクリン系抗生物質及びクロラムフェニコールに対する耐性株は分子生物学的にはまだ一株も確認されていない。
予防
ワクチン

ワクチンは現在2種類が存在する。コレラが発生している、または発生する地域への渡航には経口ワクチン接種が賢明である。経口ワクチンは国内未承認であるが、個人輸入に対応している医療機関で申し込むことにより接種可能である。また、現地の薬局で販売されている事もある。

注射ワクチン: 旧来型のフェノールによる全菌体死菌ワクチン
1960年頃実用化された不活化ワクチンで、アメリカ合衆国、日本などで使用されていた。5?7日間隔で2回皮下接種する。免疫獲得率50パーセント、有効期間6ヶ月と小さい上に14?40パーセントに副反応が見られ、また近年はそれほど致命的でないエルトール型が流行の大半である事などから、2001年世界保健機関が使用中止を勧告したため、販売されていない。

経口ワクチン(OCVs): 不活化ワクチン、生ワクチンがある。コレラの経口ワクチン

WC/rBS: 商品名DukoralRで1990年スウェーデンで実用化され、EUやカナダ、南アジア、中南米など各国で認可されている。接種後4ヶ月は旅行者下痢症の責任菌のひとつである、病原性大腸菌139型に対する予防効果も実証されている。
接種は、1?6週間隔で2回服用する。コレラに対しては2?3年に一度の追加接種、病原性大腸菌139型に対しては3?4ヶ月毎に追加接種を受けることができる。副反応も少なく、有効率は85?97パーセントと報告され、有効期間も2?3年である。不活化コレラ菌とリコンビナント(遺伝子組み替え体による製法)によるコレラ毒素のBサブユニット(毒素を構成する2つのタンパク質のうち、毒性がない方)を組み合わせたもの。ベトナムではこれを抜いた安価($0.1)なワクチンが使用されている。イナバとオガワ株の熱処理抗原、エルトール(イナバ)とオガワ株のホルマリン処理抗原の4抗原を含有する。病原性大腸菌139型に効果があるのは、毒素原性大腸菌(ETEC)の毒素(易熱性エンテロトキシン)がコレラ菌のそれと共通点が多いことによる。

CVD 103-HgR:商品名OrocholRまたはMutacolRで1995年頃発売された。認可国や有効率・有効期間はWC/rBSと同様。接種は1回で済むが、生ワクチンであるため管理が重要。Aサブユニット生成能力を無くしたイナバ株による、リコンビナント弱毒変異株生ワクチン。現在、製造・販売は中止されている。

そのほか、ベトナムなどで製造されているものもあるが、WHO pre-qualificationはまだ取得できていない。

日本では、東京大学医科学研究所の研究チームが、コメに遺伝子組換え技術を用いて、コレラ毒素B鎖を発現させたコレラワクチン米を開発しており、常温保存可能な経口ワクチンとして、臨床応用が期待されている。また、ガンマ線照射による照射ワクチンの研究も行われている。熱や薬品による不活化と違い、運動性を確保できる点が特徴で、腸管粘膜での抗体産生を促す力が強い。

制酸剤服用者、胃の摘出術を受けた者は、腸管感染症のリスクが高まるので、腸チフスワクチンやコレラ・渡航者下痢ワクチン(DukoralR)の接種が望ましい。

歴史詳細は「コレラの歴史」を参照

コレラの感染力は非常に強く、これまでに7回の世界的流行(コレラ・パンデミック)が発生し、2006年現在も第7期流行が継続している。2009年1月29日現在、ジンバブエで流行中のコレラの死者が3000人に達し、なお増え続けている。コレラの原発地はインドガンジス川下流のベンガルからバングラデシュにかけての地方と考えられる[9]。最も古いコレラの記録は紀元前300年頃のものである[9]。その後は、7世紀中国大陸17世紀ジャワにコレラと思われる悪疫の記録がある[9]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 2006年(平成18年)12月8日公布の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律」により二類感染症から三類感染症に変更[8]
^ 浅田宗伯は『古呂利考』にて「古呂利は本と皇国の俗語にて卒倒の義を云ひて、古より早く病に称し来る事なり。元正間記に云、元禄十二年の頃、江戸にて古呂利と云ふ病はやり…」と、コロリはコレラ渡来以前からの頓死の総称であることを記しており、斎藤月岑は『増訂武江年表』(安政六年)で「東都の俗ころりといふは、頓死をさしてころりと死したりといふ俗言に出て、文政二年痢病行はれしよりしかいへり。しかるに西洋にコレラといふよしを思へば、おのづから通音なるもをかし」と、コロリとコレラが混用されてしまっていることを指摘している

出典^ .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit} ⇒Fact sheet - Cholera (Report). WHO. 2017-10. {{cite report}}: |date=の日付が不正です。 (説明)
^ a b Harris, JB; LaRocque, RC; Qadri, F; Ryan, ET; Calderwood, SB (30 June 2012). “Cholera.”. Lancet 379 (9835): 2466?76. doi:10.1016/s0140-6736(12)60436-x. PMC 3761070. PMID 22748592. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3761070/. 


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