コレクション
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日本においては奈良時代正倉院に代表されるように献納物からなる権力者のコレクションが存在したが、個人の美意識に基づいて収集が行われたものとしては足利義政による東山御物などが早い例である。戦国時代から江戸時代には茶の湯の流行から各地の数寄者大名によって茶道具や古書画が収集されており、江戸時代後期になると文人趣味の流行から中国の書画骨董が収集の対象となった。明治時代になると西洋の美意識が輸入されるようになるが、同時にフェノロサらによって日本美術の独自性が打ち出され美術収集の方向性に大きな影響を与えた。フェノロサ自身明治10年代に多くの日本美術を収集しており、現在そのコレクションはボストン美術館に所蔵されている。明治後期からは益田孝原富太郎根津嘉一郎岩崎弥太郎など実業家によって古画・古磁器を中心とした美術品の収集を行われており、現代でもこのような個人コレクションがのちに美術館の基礎となる例は多い。
趣味としてのコレクション

趣味としてのコレクションの歴史は古く、中国中世の説話集「世説新語」には、下駄の収集に凝って自ら手入れをし「一生に何足の下駄が履けることか」と嘆いていた人物が登場する[4]。近代において市民社会が発達すると、一般市民の間で趣味としてのコレクションが広く行われるようになる。

このような趣味においては美術品、工芸品などの比較的高価なものから、古地図、動植物や鉱物標本(英語版)など資料的価値のあるもの、硬貨切手など収集の歴史の長いもの、模型や玩具、記念品や土産物のような比較的安価なもの、食料品のパッケージ包装紙のようなそれ自体は価値のないようなものに至るまで、各人の好みに従ってほとんどありとあらゆるものがコレクションの対象となっている。ファイルに納められたトレーディングカードのコレクション

現代では物の種類による収集ではなく、特定の漫画・アニメーション作品やそのキャラクターの関連商品(キャラクターグッズ)を収集する例も多い。またトレーディングカード食玩のように、始めから消費者によって収集の対象とされることを前提とした商品も数多く生産されており、このような分野においては特定のシリーズをすべて収集が目指される。

また近年のインターネットの発達により情報交換サイトやネットオークションでの取引きも行われるようになっており、収集家同士の間では未開封の商品や新品同様の商品がしばしば高値で取引されている。

鱗翅類学(英語版)のコレクション

切手アルバムとカタログ。

王冠のコレクション

収集


サイン収集(英語版)

本の収集

紙幣収集

貨幣収集(英語版)

Fabophilie(フランス語版) ‐ フランスの焼き菓子ガレット・デ・ロワ(王様の菓子の意)の中に入ってる人形フェーヴ(feve)の収集。家族等で切り分けて、フェーヴが当たると一年幸運であるとされる。

サイエンス・コレクション(英語版)

データ・コレクション(英語版) ‐ 新聞や雑誌などの印刷物の切り抜き(英語版)など、様々な情報収集について。

収集家
有名な収集家詳細は「Category:コレクター」を参照「個人美術館」を参照

ハーヴィー・ナイニンガー - 隕石収集家で研究家

ハンス・スローン - 17世紀頃のイギリス人医師で収集家。博物学的な物を収集し、後にコレクションはイギリス政府に寄贈され大英博物館の元となった。

フォレスト・J・アッカーマン - アメリカ人のSF/ホラー関連の編集者、版権代理人、作家。仕事関係・映画グッズなどの膨大な数のコレクターで個人ミュージアム「アッカーマンション」所有

ポール・アレン - マイクロソフト共同創業者。個人的な歴史的遺産のコレクションを展示する非営利団体を立ち上げ、フライング・ヘリテージ・コレクションなどの施設博物館を開設した。

ルイジ・タリシオ - ストラディバリウス収集家、イタリア人楽器商。

木村蒹葭堂 - 江戸時代中期の文人画家・本草学者・収集家[5]

市岡一智と智寛、 信州飯田の収集家[6]

ナセル・ハリリ(英語版) - イラン系イギリス人。8ジャンルのハリリ・コレクション(英語版)(イスラム美術コレクション(英語版)、日本美術品コレクション(英語版)など)を持つ。

動物
動物は餌を備蓄する習性(貯食行動)が知られているが、それ以外にも物を収集する癖が見られる。

カラスなどの一部の鳥が珍しいものを収集する習性がある。その習性から泥棒かささぎというオペラが作られもした。

にも物を集める習性が見られる。集めるものは、個体によって様々である。

脚注、出典^ ボードリヤール「蒐集の分類体系」(『蒐集』、17頁-18頁)およびベンヤミン、122頁-123頁参照。また後述のポミアンは同様の観点から、「経済活動の実践に必要な情報を引き出すための本だけを集めている図書館」のようなものはコレクションとは見なせないとしている。(ポミアン、23頁)
^ ポミアン、22頁、368頁-371頁
^ 春日、187頁-193頁
^ 新釈漢文大系「世説新語」中巻P447、明治書院。ただしこの逸話の主人公である阮孚は竹林の七賢の一人阮咸を父に持ち本人も東晋吏部尚書・広州刺史を務めた高官である。
^ “大阪歴史博物館:特別展:没後200年記念 木村蒹葭堂(きむらけんかどう)?なにわ 知の巨人?”. www.osakamushis.jp. 2024年1月19日閲覧。
^ ミヒェル (2005). 

参考文献

クシシトフ・ポミアン
『コレクション 趣味と好奇心の歴史人類学』 吉田城、吉田典子訳、平凡社、1992年

ヴァルター・ベンヤミン 『パサージュ論V』 今村仁司、三島憲一ほか訳、岩波書店、1995年

ジョン・エルスナー、ロジャー・カーディナル編 『蒐集』 高山宏ほか訳、研究社、1998年

春日武彦 『奇妙な情熱にかられて―ミニチュア・境界線、贋物、蒐集』 集英社新書、2005年

ヴォルフガング・ミヒェル「万物の魅力 ー 信州飯田の市岡家コレクションとその位置づけについて」『生物学史研究』第75号、3-10頁、2005年

中村真一郎『木村蒹葭堂のサロン』新潮社 2000年

大阪歴史博物館編『木村蒹葭堂:なにわ知の巨人 (特別展没後200年記念)』 思文閣出版、2003年

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。収集

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