テレビCMにおいて、ニュース速報などの字幕スーパーや、放送局名を示すウォーターマーク[注釈 5]をCM中に表示することは基本的にない。ただし、朝の時間帯や00分のカウキャッチャーCMにおいて、時刻表示のスーパーが表示される場合がある。
テレビ放送において、災害時の関連情報(台風・土砂災害・地震など)に用いられるL字型画面や常時表示のスーパーを表示している時は、CM中は挿入を一旦停止する。ただし、警報レベルの災害情報のうち、
「緊急地震速報が出された場合」
「東海大地震の警戒宣言が発表された場合」
「おおむね震度5弱以上の地震が起きた場合」
「地震に伴う津波警報、大津波警報が発表された場合」
「その他、緊急を要する場合」
に該当する場合はCM中でもその情報を入れることがある。この運用態勢はあくまで各放送局の基準にのっとったものであり、地域や各放送局によって運用に差がある。 CM1本あたりの放送時間の変遷について述べる。日本で民間放送が開始された当初は生コマーシャルが主流であり、その特性上記録が残っていないものの、すべて1分から2分の長尺であったと考えられている[14]。後述の黎明期の録音・録画CMは60秒ないし30秒で制作されており、やがてこの60秒枠・30秒枠(ラジオでは20秒枠も)がスポットCMの販売単位として定着する。 30秒が基本であった販売単位がはじめて15秒に切り詰められたのは1961年秋[15]であった。さらに翌年の1962年、テレビにおいて、無音のテロップカード1枚送出に限られていた5秒CMで、音声・動画を伴わせることが認められ、限られた時間の中で突飛なキーワードを発するなどの、これまでになかった型のCMが次々制作され、流行語の源泉となった(後述)。 しかし過激化が進んで視聴者が離れることで広告効果が薄れ、制作側の消耗も激しく、「低俗化」との批判も受け、1965年10月にTBSテレビがAタイム(19時から21時)での5秒枠の販売を停止した[15]のをきっかけに、5秒CMの制作数は急激に減少した。このような経緯を経て、15秒枠が日本のCM時間のスタンダードとなり[15]、長尺として30秒・60秒が用いられるにいたった。 民放連では、放送基準151条においてテレビのスポットCMの標準時間目安を5秒・10秒・15秒・20秒・30秒・60秒と定めている[4]。ラジオのCMについては、民放連放送基準は標準時間の申し合わせ項目を設けていないが、5秒・20秒・40秒・60秒のいずれかであることがほとんどで、そのうち20秒[16]のものが非常に多い。 テレビCMの場合、スポットCMでは15秒単位、タイムCMでは30秒単位での販売となっている(例外もある)。通常、ネットワークセールスのテレビ番組内において、タイムCMのみ、スポットCMのみをそれぞれ流すように枠を分けるようにしているが、TBS製作の一部全国ネットバラエティ番組のように、CM枠の前半にタイムCM、後半にスポットCMを配置している例もある。 60秒で製作したCMは、全国ネット番組のタイムCMでよくみられる。1970年代までは関西ローカルCMのパルナス製菓など、60秒のスポットCMも存在した。 1960年代前半に多数制作された5秒CMは、それ以降も地方局で細々と見られていたが、2011年以降からやはり地方局で本数が増えるようになり、スポットCMにおける15秒単位での契約枠で3本に分散させて放送している。百貨店・ショッピングセンター・スーパーマーケットなどの大型量販店(デパートメントストア)における割引セールやポイントアップキャンペーンの広告活動が殆どである。5秒CMの方が製作費を削減できることから、それらの一環で中小店舗を中心とした一般企業のCMもそれなりにある。これら全てが製作地域のローカルCMとして製作されており、5秒CMが民放3局以下の地域などを中心に禁止されている事への配慮により、全国放送の5秒CMは存在していない。 テレビCMは、市場シェアの大きな全国規模の大手消費者向け製造業(食品、医薬品、自動車、化粧品、家電製品、時計、衣料品など)、大手小売業(大手スーパーマーケット、大型家電量販店チェーンなど)の物が多い。
日本におけるCMの販売単位
日本におけるスポンサーの傾向