コブラ_(アニメ)
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当初はイタリアの企業であるカムとの日伊合作として制作が進められたが[15]、制作途中で日伊合作体制のテレビシリーズは白紙となり、現在の日本単独制作である『スペースコブラ』に切り替わった[注 3]。その影響か、発表から半年の間にイタリアで1982年10月より放送の予定が無くなった代わりに放送予定が決まっていなかった日本での放送が1982年10月に決定するという事態が起こった。

原作の連載第1話から「シドの女神」編までが描かれている。ストーリーの骨格はほぼ原作に忠実だが、登場人物や物語の展開に大幅な脚色が加えられている部分がある。例えば、ドミニクは原作版ではロイヤル家の三女だが、アニメ版では長女になっているほか、姉妹の絆を強く打ち出した演出などが加えられた。シドの刑務所が宇宙船となっているなど、劇場版の設定を踏襲している部分もある。TVアニメは低年齢視聴者が見ることもあり、原作者・寺沢武一の作風の特徴である肉感的ヌードシーンについてはそれなりの配慮がなされ、エロティシズムよりアクションが強調されている。とはいえ、女性キャラクターのボンデージ風のファッションまでがなくなっているわけではない。

本作も劇場版と同じく監督が出崎統であり、止め絵による技法が多く使われている。各回の前半パートと後半パートの最後は、原作とは異なる荒々しいタッチの止め絵になっている。作画は動きが優先され、原作の緻密な画風とは異なったものとなっている。

コブラの乗る高性能宇宙船「タートル号」も、玩具化を前提としたデザインに変更されることとなった。その結果当時流行した合体変形ロボットアニメや前年発売のヒット玩具ルービックスネークの影響もあり、「ヘビのように変形する」というギミックが盛りこまれた。このギミックは結局のところ、原作に忠実なストーリーにはあまり絡まないものとなったが、原作における装甲兵員輸送車や歩兵戦闘車などの軍用車両のデザインを踏襲した無骨なものとは一風違ったものとなっている。また、コブラが使用する「エアーバイク」やコブラの敵・海賊ギルドが使用するメカもアニメ版オリジナルのものが多数登場している。海賊ギルド戦闘員のコスチュームも黄色い鬣(たてがみ)のついたマスクと青い戦闘服というアニメ版のオリジナルデザインとなっている。これらアニメ版オリジナルのデザインの一部は後に原作にも登場し、ギルド戦闘員のコスチュームや、ギルドの戦闘機「ヘルキャット」として登場している。

コブラのキャストには、元々原作者の寺沢はクリント・イーストウッドの吹き替えを担当していた山田康雄をイメージして書いていたことから[16] 寺沢は山田を希望していたが、同じ東京ムービー作品である『ルパン三世』とイメージが重複するという理由で、野沢那智が担当した[注 4]。なお、両者は同じ俳優の吹き替えや同じ役を機会を異にして演じている作品が多い。山田によるコブラも後にゲームで実現している。

テーマ曲・エンディング曲は「ルパン三世(日本テレビ版)」の大野雄二が起用されている。いっぽう、BGMは羽田健太郎が担当し、セルゲイ・プロコフィエフの「トッカータ」やドヴォルザークの「新世界より」からの引用も見られる。また同時期に放送され、羽田が音楽を担当していたテレビドラマ『西部警察 PART-II』からの流用も見られた。

過去にアニマックスAT-Xフジテレビ721などで再放送されたことがある。フジ系列の地方局でも深夜に再放送されていた。また、2011年にはニコニコ動画で始まった「ニコニコアニメ名作劇場」配信作品の一つとして有料配信(第1話Aパートは無料配信)されている。この他2018年10月21日から同年10月25日まで5回に渡って、YouTubeの「週刊少年ジャンプ創刊50周年公式チャンネル」より第5話までが配信、そして2019年5月17日より同じくYouTubeの「TMSアニメ55周年公式チャンネル」から、「『スペースコブラ』オトコという名のコレクション」と銘打って、第1・3・16話が配信されている。また同チャンネルからは2019年5月29日より、先述の劇場版のOP・EDと、本編の一部が配信されている。

次回予告はコブラが行い、最後は彼の「次回、○○(サブタイトル)でまた会おう」の台詞で締める[注 5]
商品化

玩具はかつてのポピーから、メイン商品のタートル号が「DXコブラタートル」の名称で出たほか、サイコガンなどの玩具やLCDゲーム「スペースコブラ プロフェッショナル」[注 6]が発売された[注 7]

本作関連玩具において一際異彩を放ったのは、この当時ポピーが意欲的に展開していたマシンロボのブランド名を冠しながら本作関連アイテムでもあった「マシンロボDX サイコロイド」(TVCMでは「フューチャーカー・サイコロイド」と呼ばれていた)。村上克司の手によるデザインで、アニメには1回だけ登場した。

初のソフト化は1991年9月、バンダイビジュアルから発売された8枚組LD-BOX「スペースコブラ パーフェクトコレクション」と同内容のVHSシリーズ。当ソフトでは放送第16?19話のラグ・ボール編を1枚のソフトに収録するための措置として、第24話を繰り上げて第16話とし、以下のエピソード話数をひとつずつ繰り下げるという変則的な方法で商品化している[注 8]。この初商品化のLD、VHSには、レコード用フルサイズを編集し映像が統一されたTVサイズOPが使われており、オンエア当時の物とは違っていたが、後年KSS(ケイエスエス)から単品発売されたLD、VHSでは、オリジナルの映像と音源をわざわざ発掘してオンエア当時のOPを再現している[注 9]。なお、本編の音源は音ネガしか保存されていなかった為、一貫して光学音声である。

2000年10月25日に本テレビシリーズ全話を収録したDVD-BOXが、2002年10月25日には原石版(廉価版DVD-BOX)が発売された。2005年12月23日には本テレビシリーズ全話と先述の劇場版を収録したDVD-BOX「スペースアドベンチャーコブラDVD ?ザ・タートル号BOX?」が発売された。タートル号(「ザ・サイコガン」編以降のリニューアル版のデザイン)をモチーフにした特製DVDボックスのほか、オリジナルフィギュアなどが同梱されている。2008年8月29日、新アニメシリーズの開始にあわせて本テレビシリーズ8枚と劇場版が単品で再リリースされた。
キャスト(TV第1作)

コブラ(声 -
野沢那智)全話登場。

レディ(声 - 榊原良子)5、17-19、28-30は未登場。

他は「コブラの登場人物」のページを参照。

スタッフ(TV第1作)

企画 - 片山哲生、
久保田栄一(フジテレビ)

原作 - 寺沢武一(連載誌 - 『週刊少年ジャンプ』)

音楽 - 羽田健太郎

主題歌 - 大野雄二

作画監督 - 杉野昭夫、大塚伸治

メカニックデザイン - 村上克司大石一雄※ノンクレジット。マーチャン展開のあるメカのみ。

美術監督 - 水谷利春→石垣努

撮影監督 - 高橋宏固

録音監督 - 加藤敏

音楽監督 - 鈴木清司

選曲 - 合田豊

音響効果 - 横山正和

編集 - 鶴渕允寿、高橋和子

現像 - 東京現像所

文戟B- 山崎敬之

制作担当 - 徳永元嘉

チーフディレクター - 出崎統竹内啓雄

プロデューサー - 加藤俊三(東京ムービー新社)、大野幸正(フジテレビ)

企画協力 - 光和インターナショナル

製作 - 東京ムービー新社フジテレビ

主題歌・挿入歌
オープニングテーマ - 「コブラ」

エンディングテーマ - 「シークレット・デザイアー」
上記2曲ともに 作詞 -
冬杜花代子 / 作曲・編曲 - 大野雄二 / 歌 - 前野曜子オープニングは宇宙船が左右から惑星に向かって飛んで行く場面で始まり、コブラの顔のアップ、そしてタイトル「スペースコブラ」という流れで始まる。コブラが画面一杯にサイコガンを発射する場面が描かれている他、主役メカ・タートル号が登場する第3話以降は、一部のイメージ映像がタートル号のカットに差し替えられた。歌詞の字幕は付いているが、サビの英詞の部分は記されていない。エンディングは、コブラとレディが表裏にそれぞれ描かれたカードがミディアムスローなテンポのジャズBGMに合わせて回転するというもので、最初はカードをアップで映し、次第にロングで映してゆきバックに彼の愛銃パイソン77マグナムと酒が注がれたワイングラスを画面内に収め、歌の終わりの方で2回グラスに注がれた酒が波打つ、という演出がなされている。
挿入歌

「レディー」
作詞 - 伊藤薫 / 作曲 - 伊藤薫 / 編曲 - 志熊研三 / 歌 - TOMO
「さよならMan's World」
作詞 - 大津あきら / 作曲 - 山崎修 / 編曲 - 志熊研三 / 歌 - 清野由美
「甘い出来事」
作詞 - 大津あきら / 作曲 - 羽田健太郎 / 編曲 - 羽田健太郎 / 歌 - 清野由美「レディー」は21話で、コブラ達が惑星バクーサの砂漠を渡るシーンで使用され、「さよなら?」は27話でそれぞれ使用された。


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