コピー商品
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中にはSQNY(SONY)のラジオや乾電池[4][5]、SHARK(SHARP)のマイク[6]、HONGDA(HONDA)のオートバイ[4][5]等の紛らわしい商標を名乗った商品もあり、大きな問題となっている。

また、iPodiPhone[7]AirPods[8]など、アップルコンピュータ製のものを中心に、中には日本ソニー製であるプレイステーションを模したゲーム機など、メーカーに無断でデザインを複製し、知的財産権の侵害を犯したブートレグ(海賊版)賞品も多数製造され、押収・摘発された事例が多数ある[9]

実際に、偽ブランドが先に商標登録されてしまい、本物が逆にコピー商品として扱われ、有名な無印良品の例のように中国で敗訴したり、別の商標を使わざるを得なくなった事例もある。自社ブランドを使いつつ、他社の人気のある意匠を真似ることもある。アメリカ合衆国セグウェイからコピーを批判されていた中国のナインボットがセグウェイを買収した際は「本家本元がコピーキャットに乗っ取られた」とTIME誌に驚きをもって報じられた[10]。また、偽造品対策団体の国際模倣対策連合(IACC)から会員資格を奪われたアリババ集団ジャック・マー会長は「偽物は本物より優れている」と発言して物議を醸した[11]
韓国

大韓民国では、Me-too商品(模倣商品)とも呼ばれるコピー商品が、製菓業界で深刻な社会問題となっている[12]。特に製菓業界では、新製品開発に多額の投資をしても売れるとは限らず、新製品の研究開発に投資するよりも、ヒット商品をコピーするほうが簡単でありより確実であるいう考え方が背景にある。また韓国ロッテ農心のような大企業であっても、平然と日本や韓国内他社の商品のコピーを販売している(ペペロセウカンの項を参照)。

こういった商品はただ名称やパッケージデザインを模倣するのみならず、競争会社の開発人材を引き抜くことにより、その会社の技術を獲得して製造されるケースも報告されている[注 1]

食品以外にも、YAMUDA(YAMAHA+HONDA)のオートバイ用部品ブランド[13]等の紛らわしい商標を名乗った商品もある。
アメリカ

シリアル食品で知られるケロッグ (企業)の創業者であるケロッグ兄弟の兄ジョン・ハーヴェイ・ケロッグミシガン州バトルクリーク (ミシガン州)に自身の考案した健康増進法や治療法を施すサナトリウムを開いており、グラノーラはそこで入所者らに提供されていた健康食品であった。C.W. ポスト(英語版)は過労により精神障害を患ってこのサナトリウムに入所していた人物であるが、グラノーラが商品として売り出せるのではないかと考えた末にレシピを盗み出し退所後にそれを基にグレープナッツ(英語版)なるコピー商品を売り出し、グラノーラ製造用機械を買い占めるなどして一時はオリジナルのグラノーラの売り上げを脅かすほどであった。
ライセンス生産詳細は「ライセンス生産」を参照

オリジナル製品の権利者の許可(ライセンス)の下、生産される。ブランドの商標権がライセンスされる場合には、オリジナルと同じないし類似したブランド(偽ブランドとはならない)で売られるが、そうでない場合は独自ブランドとなる。

品質はオリジナルと同等のことが多い。特に、ブランドがライセンスされている場合はそうである。しかし、ライセンシーの技術力が不足していたり、技術流出防止のために技術移転が制限された場合などには、オリジナルより劣ることになる。
レプリカ詳細は「レプリカ」を参照

過去の製品を、材料のみ現代品を使って(当時の物は入手不可能な為)正確に再現したレプリカというジャンルも存在し、これらに関しては熱烈なファンを獲得するなど、有の市場が発生している。

これらは基本的に、オリジナルの知的財産権が残存している場合でも、権利者がライセンスを与えているもしくは権利者自身が製造している正規商品のため、偽物とはいえない。しかし、一度市場に出た正規のレプリカが、レプリカと明言されずに売られることはある。
スーパーコピー

スーパーコピーとは、コピー商品の中でも特にすぐれているものである。正規品を販売する店頭の中に、このスーパーコピーが混じってしまい、誤って売られてしまい、問題になったこともある[要出典]。

極端な場合では、オリジナルメーカーがコピーメーカーの模倣技術に目をつけ、正規の製造権を付与することでコピー品の撲滅を図ったり、コピーメーカー毎買収して模倣技術を製造コスト削減に活用することもある[14]。哲学者のジャン・ボードリヤールは高度な消費社会では本物と偽物の境界線はなくなるとしてハイパーリアルとも形容した。
人造製品

天然の物が高価であったり、稀少な場合などにしばしば生産される人工の製品。合成皮革(商標名「クラリーノ」「エクセーヌ」など)などは、このジャンルでは最も成功した部類であり、天然皮革には無い防水性や耐候性から、むしろ必要とされて利用される場合もある。服飾関係では、かつては稀少な毛皮の代わりに、最近では動物の権利問題などモラル面からフェイクファー(人造毛皮)も多く使われている。

食品関係で有名な例としてはかにカマボコがある。かにカマボコは消費者が本物のを加工した食品と混同するとして、農林水産省の指示で「カニ」を商品名に使えなくなった経緯がある[15]。実際はスケソウダラのすり身を使い、カニの煮汁で風味をつけた蒲鉾である。人造食品としては、大正時代からある育児用「粉ミルク」がある。また、化学技術の発達から派生した技術を用いた、近年における代表的なものとしては、人造イクラがある[16]

毛生え薬や性的不能治療薬の模造医薬品も多い。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ヘテ・クラウン製菓のチョコレートケーキ類「オーイエス」が、オリオンにより「オーワウ」として模倣されたケース。「オーイエス」の開発に関わっていた研究員3人がオリオンにより引き抜かれた。ただしオリオン側は、「研究員の転職は自発的なもので、『オーワウ』は大した技術が必要な製品ではない」と反論している[12]

出典^ “見た目だけは激似!中国製“コピーiPhone6”の現状を中国深センで探る”. 週刊アスキー. https://weekly.ascii.jp/elem/000/002/625/2625597/ 
^ 高田忠『デザイン盗用』日本発明新聞社、1959
^ 西日本新聞 2011/09/03 中国が93%
^ a b 「そっくり社名、香港で増殖――中国で家電大量販売」『日経産業新聞』2005年6月6日、24面
^ a b 「天声人語」『朝日新聞』2010年4月21日
^ 和田成則. “ ⇒中国商標事情2”. きずな国際特許事務所. 2012年4月30日閲覧。
^ iPhone12の偽物が既に販売中?深センでは約4,500円で11を12に改造可能
^ 中国、偽物「AirPods」の製造グループ摘発 被害総額35億円
^ Apple製品やPSPなどのニセモノが大量に押収、市場推定価格は8億円以上
^ “ ⇒Why This Chinese Startup Just Bought a Company Americans Love to Ridicule”. TIME (2015年4月15日). 2019年2月12日閲覧。


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