コスプレ
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日本のメディアでは、アニメ雑誌等が同人誌即売会に関連してコスプレを少しずつ取り上げ始めたが、特に大きく取り扱ったのは、ラポート発行の『ファンロード1980年8月号(創刊号)で、同誌は、当時原宿を席巻していたタケノコ族を捩り、原宿にコスプレ集団「トミノコ族」が現われたとする「特集記事」を掲載した[22]。「トミノコ」は『機動戦士ガンダム』の富野由悠季監督に由来するもので、記事には『機動戦士ガンダム』の登場人物やモビルスーツガンダムの仮装をした人々が踊っている写真が掲載された。実際には、当時そのような風俗は存在せず、これは報道記事の体裁を採った映画宣伝企画だった[14]

しかし、翌年1981年2月22日、劇場版公開前に行われた「アニメ新世紀宣言」(サンライズ主催。新宿駅東口広場)の折には、ガンダムファンが1万人以上が集まり、ファンの中には自主的にキャラクターの衣装を制作して参加する者もみられた(永野護川村万梨阿らなども参加していた[23])。

出版プロデューサーの高橋信之は、1983年秋田書店マイアニメ」に『コスチュームプレイ大作戦』の連載を開始したが、担当者の町山智浩から「コスチュームプレイ」は英語として正しくないとの指摘を受け、「コスプレ」という言葉を造語し、連載タイトルを『コスプレ大作戦』としたと述べている[24][25]。翌1984年週刊ヤングジャンプ」1984年11月23日号に掲載された江口寿史短編群『寿五郎ショウ』中の作品『素人勝ち抜き漫画合戦』に「コスプレ(※)だけには自信があります」と『うる星やつらラムのコスプレーヤーが発言、欄外に「※コスプレ→コスチュームプレイの略」と註が付されており[26]、「コスチュームプレイ」や「コスプレ」という言葉の認知度がこの頃高まっていたことが窺える。

1985年になると、TBSがテレビ番組でコミケを取材して、多くのコスプレイヤーに取材を行った[14]。テレビでは1989年になって、テレビ番組はなきんデータランド』(テレビ朝日系、1989年 - 1995年)が、アニメランキング特集を行った際にコスプレランキングも発表していた。

1985年頃には、同人誌界で人気だった『キャプテン翼』のコスプレが、Tシャツの改造やユニフォームショップに注文するだけの手軽さから拡大する。同年結成されたアイドルグループ『おニャン子クラブ』の派生ユニット『うしろゆびさされ組』は、主題歌を担当した『ハイスクール!奇面組』のキャラクターの衣装を着て歌番組やコンサートに登場した。1986年からは集団で行うコスプレが発生したと言われ、同時期には、富士フイルムから発売された写ルンですの普及によりコスプレを撮影する人々が劇的に増加した[27]

一方、1988年頃から、同人誌即売会でのコスプレは混雑やマナー、過度な露出などの問題から、禁止とするイベントも増えていった[14]

アメリカでは、1970年代後半にSF映画『スター・ウォーズ』の人気によりコスプレはポピュラーとなり、日本のアニメ人気によりアメリカ全土で行われるようになったアニメコンベンションなどのイベントでは日本の漫画アニメのキャラクターに扮する光景が見られるようになっている。そこでは従来の masquerade ではなく、和製英語由来の cosplay の名称で呼ばれている[28]
1990年代での発展神宮橋でヴィジュアル系(2006年3月26日)

1990年代にコスプレの人口は増大し、コミケのコスプレイヤーは1991年には約200人、1994年に約6,000人、1997年には約8,000人を数えた[14]

この背景としていくつかの事象が重なる。まず、直接的な背景としてはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の流行等でサブカルチャーに注目が集まるようになり、コスプレという用語・行為も普及したことが挙げられる。間接的な背景としては1990年代初頭のヴィジュアル系バンドブームであり、特に火付け役となったX JAPANを筆頭にファンによる凝ったコスプレが披露される傾向を見せ、この傾向は2007年の復活後にも少数ながら見ることができ、他のヴィジュアル系バンドのコスプレにおいても同様なファンが続いた。また、日本におけるハロウィンの定着もこの時期と重なる。1997年より東京ディズニーランドにおけるハロウィンイベントや、川崎市におけるカワサキハロウィン等のイベントが先駆けとなり、仮装する文化が定着する契機を作ることとなる。

これらを継続的な趣味として続ける者は「コスプレイヤー」と呼ばれるようになった。これらコスプレの定義は海外へも逆輸入されることとなり、昨今の世界的なコスプレイヤーの考え方として寄与する結果となった。

イベントについても、それまではコミックマーケットを始めとする同人誌即売会や、ワンダーフェスティバル日本SF大会等において付随的に行われていた状態から、コスプレ単独のイベントも開催されるようになった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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