コスプレイヤー
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コスプレ専門のムック・雑誌もこの時期より発行されるようになる[29]

同時期より商業資本もコスプレに着目するようになり、従来コスプレ衣装はコスプレイヤーによる自家製によるものしかなかったが、それらを既製服として製作・販売する業者「コスチュームパラダイス」(現・コスパ)が現れた。これは製作者の技術に出来が左右される自家製の物に対して、一定レベル以上の品質を保っていたために人気を集め、ブランドを確立している。コスパの成功以後、こうしたコスプレ衣装製作業社が増えたことで市場は拡大していった。

性風俗業界では1990年代末頃からになると、アダルトグッズによるメイドレースクイーンセーラー服ブレザーなどが販売されるようになり、これらの衣装の貸し出しや販売するラブホテルが多く見られるようになり、あるいは店員がコスプレ衣装を着用してサービスを提供するコスプレ系飲食店イメージクラブも登場した(性的ロールプレイ)。また、AV女優がアニメやゲームキャラの衣装を着用して登場するアダルトビデオ等も販売されるようになる。
インターネットの普及とコスプレカメラマンとコスプレイヤーが名刺を交換している。

2000年代以降になると、インターネットの普及でコスプレイヤー各自がホームページを作成するようになり、ネットアイドル的要素を包含するようになる。さらには自主制作・同人レベルでコスプレ写真集やCD-ROM写真集を作成、同人誌同人ソフトとしてコミックマーケット等で直接、もしくは同人誌専門店を通じて頒布するコスプレイヤーやカメラマンも出るようになった。

また、Japan Expoの開催など日本製のアニメやゲーム等のコンテンツが海外で取り上げられるようになり、年を重ねるごとに日本の作品が海外でも認知される土壌を作った。

撮影の場は各種イベントだけではなく、コスプレイヤーやカメラマンが自主的に主催する個人撮影会、イベント会社やモデル事務所がコスプレイヤーと契約する形で、写真撮影会が行われることもある。秋葉原歩行者天国でコスプレ系飲食店や各種ゲーム等の宣伝活動を行っている店員やコスプレイヤーを撮影する事例もある。

アニメやゲーム等の宣伝要員として、人気のあるコスプレイヤーを「公式コスプレイヤー」として起用する例や、もとは無名でも、公式コスプレイヤーになったことで知名度を高めた例もある。公式HPのコンテンツとして、コスプレ衣装の紹介と通信販売へのリンクを貼る例もある。

中には芸能事務所に所属し、タレント俳優AV女優含む)、イベントコンパニオンレースクイーンキャンペーンガールファッションモデルを始めとするとするモデル業、声優等として活動する者おり、アイドルやタレント、声優等がイベントやプロモーショングラビア写真上でコスプレをする事例もあり、コスプレが趣味であることを公言する者も居る。また反対にコスプレイヤーとして有名になった人物がアイドル、タレント等としてデビューする例もある。(バンドメンバーが全員コスプレをしているPsycho le Cemuや有名コスプレイヤーを集めて結成されたパナシェ!や既存のアイドルグループにてコスプレイヤーがデビューした虹色幻想曲 ?プリズム・ファンタジア?、初期メンバーにコスプレイヤーを加入させたでんぱ組.incなども見られる。日本初のプロコスプレイヤーはえなことされる[30]。命名者は週刊ヤングジャンプ編集部の池永亘[30]

SNSの登場もコスプレを世界的に発信する展開に寄与したといっても過言ではなく、自撮りや撮影された写真を自らが投稿し発信する文化は昨今においても根付いている。
広がりを見せるコスプレ

2003年からはテレビ愛知テレビ東京系)が主催となって、名古屋市内を会場とし、世界各地の著名なコスプレイヤーを日本に招いて「世界コスプレサミット」を開催するようになった。コスプレサミットは2005年は名古屋市内だけではなく愛・地球博会場でも行われ、ネット関連でライブドア(世界最大のコスプレコミュニティサイト「Cure」を傘下に持つ)の協力を得ており、2006年大須夏まつりにて開催され、外務省国土交通省の後援を得るなど、年を追うごとに大規模化している。2005年は欧米と中国の6国で、2006年には更にタイブラジルでも予選が行われている。

2007年8月には衣装製作会社などが非営利法人「日本コスチューム協会」の設立準備委員会を発足、参加企業を募った上で、年内に正式に協会を発足すると発表した。同協会では日本のコスチューム文化の啓蒙や健全な発展を目的とし、定期的なイベントやコンテストの開催、SNSサイトなどを通じてのコスプレイヤーやコスプレファンの情報交換の場の提供、コスチューム製品の品質維持・消費者保護体制の確立・市場統計調査、PR活動・認知活動などを行っていくとしている。

一方、水商売などの風俗店においても、2010年代後半になるとアニソンバーの登場により店舗の中でアニメやゲーム作品のキャラクターを題材にしたコスプレを行いながら接客を行う店舗が見られるようになり、分野を問わずコスプレに関連した事業の広がりを見せている。

コスプレ専門誌としては『COSMODE』(インフォレスト)、『電撃Layers』(メディアワークス)、『CosCure』(livedoor Cure・双葉社)ほか多数存在していたが出版不況の影響で休廃刊が相次ぎ、2023年現在では様々な経緯を経て『COSPLAY MODE』(シムサム・メディア)がファッション雑誌として唯一販売されている。
コロナ禍による影響

2020年から新型コロナウイルス感染症の拡大で世界的にイベントの開催中止・延期・縮小が相次いだ。日本では日本橋ストリートフェスタ、コミックマーケット98、ホココス、世界コスプレサミット2020、池袋ハロウィンコスプレフェス2020など、国や自治体から開催中止を通告したこともあり、大規模なコスプレイベントが相次いで開催中止となった。acosta!側はクラウドファンディングを成功し早期に開催された一方、しばらくは参加人数を制限する、完全前売り制にするなど規模を縮小せざるを得なくなった。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から貸し出せない会場が出たり、果ては開催終了、もしくは無期限で開催を休止しているコスプレイベントも出た。
日本におけるコスプレ進撃の巨人に登場する女型の巨人に扮した女性コスプレイヤー。ただし、このコスプレは下着を着用の上でのボディペインティングであり、日本では禁止事項の対象となる可能性が高く注意が必要である。
(※:写真は2015年アニメ・エキスポにて)

日本においては、風紀的な問題からイベントや会場と無関係な場所をコスプレをしたまま歩くことはしばしば問題視される。したがって、日本においてはコスプレをしたままでの来場や帰宅をしたり、更衣室と指定されていない場所での着替えやメイクを行うことはマナー違反とされ、イベントによっては禁止事項とされている所も多い[31][32]。また、会場や主催者によっては極端に肌を露出する衣装を男装女装共に禁止される場合もある。男性による女装については審美性の観点から特別な規定が設けられることがある[33]。更には、版権元が制定した公式ガイドラインによって、キャラクターの価値を毀損するようなコスプレが禁止されることがある[34][35]

防犯・安全上の理由からモデルガン模造刀、鋭利な装飾など武器を連想させるものの持込を禁止したり、模造刀の所持は認められるも抜刀を禁止することもある。中には棒[注 6]を始めとする全長の長い物などの持込が禁止されることもある。イベントによっては他の一般人や観光客から見た観点から血糊や部位欠損などグロテスクな表現を禁止しているものもある。

一般的に日本におけるコスプレを行う場所や傾向は次の様に大別される。
同人誌即売会とコスプレイベント

コミックマーケットを代表とする同人誌即売会において、規模の大小を問わずコスプレイヤーの参加が見受けられる。


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