コショウ
[Wikipedia|▼Menu]
野生株では単性花(雄花雌花が別)をつけ雌雄異株(雄花と雌花が別の個体につく)のものが多いが、栽培される系統のものは雌雄同株(雄花と雌花が同じ個体につく)であり、また様々な程度で両性花をつける[3][7]。野生型では果実量が少ないが、栽培されるものでは両性花率が高い系統ほど果実量が多いことから、栽培の歴史の中でこのような系統が選択されてきたと考えられている[3]。花期は6?10月(中国の場合)、穂状花序を形成し、花梗葉柄とほぼ同長、花穂は長さ約 10 cm、と対生状につく[6][7](下図3a、d)。はへら形から楕円形、およそ 3-3.5 × 0.8 mm花被を欠く[7]雄しべは2個、花糸は太く短い[7](下図3d)。雌しべ子房は球形、柱頭は3?4(?5)個[7](下図3d)。3a 花序3b 未熟果実3c 熟しかけた果実3d 花序、果序、花と果実

果穂は長さ 15?17 cm ほどになり、50?60個の果実からなる[6][8](上図3b、c)。個々の果実は核果、1個の種子を含み、球形で直径 5-6 mm、未熟果実は緑色だがこれを天日干しすると黒色(→#青胡椒#黒胡椒)、熟した果実は赤色になる(→#赤胡椒#白胡椒[1][6][7][9](上図3b、c)。

染色体数は 2n = 48, 52, 104, 128 が報告されており、栽培の歴史の中で著しい染色体倍加が起こったと考えられ、また他種との交雑の可能性も示唆されている[3]
分布

原産地はインド南西部マラバール地方とされるが[10][11]、すでに紀元前1世紀ごろには東南アジア熱帯域で栽培されていたと考えられている[3]。2020年時点では、東南アジアアフリカ中南米熱帯域で広く栽培されている[1][12][10](下記の#産地、図4参照)。4a コショウ農場(インドケーララ州4b コショウ農場(カンボジア4c コショウ農場(インドネシア、バンカ島)4d コショウ農場(ブラジル
人間との関わり
香辛料

コショウの果実には強い芳香と強烈な辛みがあり、最もよく使われる香辛料(スパイス)の1つであるため、「スパイスの王様 (king of spice)」ともよばれる[1][5][9][13][14]。コショウの辛さは、塩辛さとは異なる辛さである[15]。コショウは肉料理魚料理野菜料理スープなどさまざまな料理に使われ(下図5)、またハムソーセージの製造にも利用される[9][6]。他にもソースケチャップなどの調味料の原材料ともなる[9]。コショウを用いた料理5a ハムエッグ5b カルボナーラ5c ラーメン5d BLTサンドイッチ5e ブラックペッパークラブ5f ビーフステーキ


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:126 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef