コウモリ
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しかしその後の複数の分子系統解析から、翼手目は真無盲腸目の姉妹群であるScrotifera類の中の最初の分岐群であることがわかっており、Ferunglata(有蹄類鯨偶蹄目+奇蹄目)+広獣類食肉目+鱗甲目))と姉妹群である[9][12]
オオコウモリとココウモリ

伝統的に、翼手目は大翼手亜目(オオコウモリ亜目 Megachiroptera、オオコウモリ類)と小翼手亜目(コウモリ亜目 Microchiroptera、ココウモリ類)に分けられてきた。

オオコウモリはその名のとおり大型のコウモリの仲間で、オオコウモリ科の1科のみが属する。中には翼を広げた幅が2mに達する種もある。よく発達した視覚によって、植物性の食物を探す。果実を好み、農業従事者からは害獣として扱われる場合もある。オオコウモリのほとんどの種は反響定位を行わない[注釈 2]

ココウモリは小型のコウモリの仲間で、17科が属し、多くの種に分かれている。多くが食虫性であるが、植物食、肉食、血液食など様々な食性の種がいる。コウモリ亜目の特徴は、反響定位をすることである。超音波を発し、その反響を検知することで、飛行中に障害物を避けたり、獲物である昆虫等を見つけたりすることができる。

オオコウモリとココウモリには翼を持つという共通点があるが、それを除けばあまりにも多くの違いがあるため、上記の通り「別々の祖先から進化し、独立に飛行能力を獲得したのではないか」という説もあった。しかし、最近のミトコンドリアDNA配列の解析により、オオコウモリとココウモリは系統的にも近縁であることが明らかになっており、どちらも飛行能力を初めて獲得した共通の祖先から進化したものと考えられている。

1997年のマッケンナとベルによる分類体系では、小翼手亜目の下に陽翼手下目Yangochiropteraと陰翼手下目Yinochiropteraの2グループが置かれていた[2]2001年分子系統によって、小翼手亜目は側系統であり、小翼手亜目の一部はオオコウモリ科に近縁であることがわかった。その系統に基づき、翼手目をYangochiroptera亜目(新たな陽翼手類)とYinpterochiroptera亜目(新たな陰翼手類)に分類しなおすことが提案された。これによる新たな陽翼手類Yangochiropteraはココウモリの一部(旧陽翼手下目)、新たな陰翼手類Yinpterochiropteraはココウモリの残り(旧陰翼手下目)とオオコウモリ科を含むものである[16]。VespertilioniformesとPteropodiformesも同様のコンセプトによる分類群であり、より簡潔した分類名として提案されている[17]
科と主な種エジプトルーセットオオコウモリ
Rousettus aegyptiacus(オオコウモリ科)ヨーロッパオヒキコウモリ
Tadarida teniotis(オヒキコウモリ科)ピータークチビルコウモリ
Mormoops megalophylla(クチビルコウモリ科)シロヘラコウモリ
Ectophylla alba(ヘラコウモリ科)

以下は上述の新しい分類に基づくものである。

オニコニクテリス科 Onychonycteridae(†は絶滅)

†アルカイオニクテリス科 Archaeonycteridae

陰翼手類[18] Yinpterochiroptera / Pteropodiformes

アラコウモリ科 Megadermatidae

アラコウモリ - 全長7 - 9cm。東アフリカ東南アジアに生息。


オオコウモリ科 Pteropodidae - 伝統分類ではこれのみ大翼手亜目、他は全て小翼手亜目

グアムオオコウモリ(絶滅)

ルーセットオオコウモリ - 全長約 25 cm。熟した果実や花の蜜、花粉などを食べる。夜は洞窟の中で休む。

インドオオコウモリ - 全長約 20.5 cm。インドに生息。

ハイガシラオオコウモリ(Pteropus poliocephalus)

ロドリゲスオオコウモリ(Pteropus rodricensis)

#日本のコウモリも参照。


オナガコウモリ科 Rhinopomatidae

カグラコウモリ科 Hipposideridae - キクガシラコウモリ科に含めることもある

#日本のコウモリ参照。


キクガシラコウモリ科 Rhinolophidae

#日本のコウモリ参照。


ブタバナコウモリ科 Craseonycteridae


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