コウイカ
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シンタイプロンドン自然史博物館にあり、1個体の雄(1889.4.24.69、外套長160 mm)と1個体の雌(1889.4.24.70、外套長143 mm)である[15]
類似種
ハリイカ
Sepia madokai Adam, 1939
ハリイカは本種と混同され、市場名においてコウイカと呼ばれることがある[6]。また、甲はともに卵形で[1][6]、同じ亜属である Platysepia に置かれることもある[5]。しかし、本種は S. esculenta に比べハリイカ S. madokai は体長約8 cm(センチメートル)と小さいうえ[5]、甲の内円錐がコウイカ S. esculenta では丸襟状に立つのに対し[5]、この種 S. madokai では逆V字型になり[5]、横線面前縁はコウイカ S. esculenta では逆V字型なのに対し[17]、この種 S. madokai では逆U字型になる[5]
シャムコウイカ Sepia brevimana Steenstrup1875
シャムコウイカは本種と似ているが、本種 S. esculenta は触腕掌部に10?16列の吸盤を持つのに対し、この種 S. brevimana はそれがより少ないこと、鰭基底に沿って肉質突起がないこと、また内円錐が色付くことにより区別される[16]
ミナミハリイカ Sepia elliptica Hoyle, 1885
ミナミハリイカも本種 S. esculentaと混同されるが、以下の点で識別できる[16]

本種 S. esculenta の交接腕は6列の縮小した吸盤に続いて5から6列の普通のサイズの吸盤を持つのに対し、ミナミハリイカ S. elliptica では基部に7から8列の普通サイズの吸盤、中間に7列の縮小した吸盤、そして末端に普通サイズの吸盤を持つ[16]。交接腕の吸盤の背側の2列は腹側の縮小した吸盤よりも小さく、縮小した吸盤は普通の吸盤よりほんの僅かに小さいのみである[16]

本種 S. esculenta では 背側と腹側の保護膜は触腕掌部の基部と接続しないが、この種 S. elliptica では背側と腹側の保護膜は触腕掌部の基部と接続する[16]

本種 S. esculenta では甲の後方が鈍く丸まり、横線 (striae)は逆V字型で内円錐側肢は後方で厚くなる[16]。この種 S. elliptica では張り出しはより薄く平たく、前方は尖って、房錐の後端を覆っている[16]
Duc (1978, 1993) はベトナムの近海でミナミハリイカ S. elliptica を報告したが、ミナミハリイカ S. elliptica はインド洋のみで見つかるため本種コウイカ S. esculenta の誤同定と推測される[16]
形態本種の背面。土佐佐賀港で獲られたもの。本種の側面。同一個体。

外套長は最大約18 cm、体重は約600 g(グラム)の中型のコウイカ類[1][17][16]外套膜の概形は粗い楕円形で、後端は貝殻の棘があるため、多少円錐形になる[3][17]。最大外套幅は背側外套長の半分よりも大きく、その位置は中心付近にある[3]。外套膜の腹縁は僅かに湾入し、背縁は広く三角状に、外套長の1/7程度突出する[3][17]。体色は、外套背側には黒褐色の帯状斑[18](虎斑[17])が横に走り、黄色の小顆粒状突起がある[17]。鰭の基部に沿って銀帯(白線[1])が走る[18][17]。この銀帯の内側に沿って黄色くやや細長い突起が断続的に並んでいる[17]。外套膜腹面は蒼白色であるが、鰭基底の銀帯は腹面からも明らかに観察できる[17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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